セージとネイティブアメリカン

ニューメキシコもだいぶ日が短くなり、朝晩冷え込むようになってきました。
日本同様、秋めいてきた感じです。
季節の変わり目という事もあって、最近はサンダーストームの日が多いです。

↑空からインクを垂れ流したように見えるところでは、雨が降っています。
ここニューメキシコやアリゾナでは、カルフォルニアのホワイトセージとはちょっと違いますが、こぶりのブルーセージが荒野一面に生えています。
雨が降るとこの生い茂ったセージが雨と一緒に水蒸気となって蒸発し、あたり一面が強いセージの香りに包まれます。雨の匂いと混ざったセージの香りはとてもやさしく、癒されます。

セージはネイティブアメリカンの人にとって、重要な植物になります。
時に治療に、時に煎じてお茶に(ガンに効果があるそうです)、また儀式の際のお清めとして用いられてきました。
ネイティブの民間療法として、風邪を引いたときに水で煮出して、それをタオルに染み込ませ吸引するという方法があります。ミントのような清涼効果があるそうです。
日本でもホワイトセージでだいぶ一般的になってきたスマッジングという方法。
セージを燃やす事によって、その煙りで空間とオーラをスリーンにし、かつクリアにするそうです。
ナバホでは煮出したり、手ですりつぶして匂いを嗅ぐのが一般的ですが、ホピではこのようなスマッジングに用いられるそうです。日本でいう、神社の線香のような感じでしょうか。ホピのトレーディングポストでは紐で束にしたセージが売られているを見かけます。
セージは砂漠地帯の乾いた大地でも葉を伸ばし、厳しい冬の寒さの中でも枯れる事がなく、雪に埋もれても春には元気な姿を再び現します。そのたくましいさからも、ネイティブの人々はセージを“シークレットプラント”と呼んでいます。
現在もセージはネイティブ・アメリカンにとって神聖な存在であり、命にパワーをくれるものとして大事にされています。