インディアンとトレーディングポスト

先日はクリスマスを挟んだハッピーホリデーでした。
ウォルマートでさえ閉まってしまうこのハッピーホリデー!インディアンの街もクリスマスムードで、イルミネーションで飾られた家々がキレイでした。
日本では恋人達のクリスマスのイメージがありますが、こちらではクリスマスは家族で暖炉を囲んでディナーをとり、プレゼント交換といった感じのようです。
なので、クリスマス前はなにかともの入りで、普段はのんびりのインディアン達も仕事熱心です。
最近ではインディアンの中にもクリスチャンに改宗する人達も多く、そうでない人達もクリスマスには好意的なようです。
さて、本日はインディアンの街の紹介です。
ルート66といえば、バイカーにダイナーそんな風景を思い浮かべるかと思いますが、インディアンジュエリーを扱うトレーディングポストもまた一風景です。
トレーディングポストとインディアンの付き合いは長く、インディアンはラグなどの織り物を、ここで食べ物や衣服をなどに交換して日常品を手に入れてきました。
そして、自身の財産ともいえるジュエリーを担保にお金を借りたりもできました。
大抵は決まった期限がくると店から連絡を受けインディアン達が取り戻しにくるのですが、そのまま持ち主が現れない場合は質流しとなりお店に並べられました。それが、PAWNジュエリーと呼ばれるもので、コレクターの根強い人気があります。
こちらは旧ルート66沿いにある老舗のリチャードソン・トレーディングポストです。


カウンターの中にのぞく質の札のついたジュエリーの数!!お店に簡単には並ばないすごいジュエリーがあるのでは??と期待してしまいます。
ジュエリー以外にもラグ、馬のサドル、カチナなど様々なものが並んでいます。
店内は古い商品の独特なビンテージのにおいが立ち込めています。
驚いたのが、このホワイトバッファローのはく製!!

およそ3mもある巨体なはく製は圧巻です。まさかホワイトバッファローの本物を見られるとは思いませんでした。
しかし、インディアンにとって神聖ともいわれるホワイトバッファローをこんな事をしていいのか??
というのも、通常バッファローは茶色く、ホワイトバッファローは何万頭に一頭かの確率の非常に稀な品種なのです。
そして、ラコタ族には次の様なホワイトバッファローの伝説が残っています。
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その昔、飢饉で部族の危機にさらされたラコタ族の酋長は戦士を旅に出したそうです。
そして戦士は白い服を着た美しい女性の姿をした精霊に出会いました。神がかりなパワーを持つその女性を村に招待し、代わりに聖なるパイプ貰い、天と地をつなぐ祈りの教えを得たそうです。
その女性は部族を去る際にホワイトバッファローに姿を変え、また地上に調和と平和が必要になった時に戻ると約束したそうです。
ラコタの人々は神からのメッセージを伝えたその女性をホワイトバッファロー・カーフウーマンと呼び、今でも白い服は特別な意味を持ちます。
全ては一つである…ラコタの人々は何万頭に一頭といわれるホワイトバッファローが生まれた時、また世界がまとまる時が来た!と信じています。
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インディアンジュエリーでも“ホワイトバッファロー”と呼ばれる石があり、これは採掘量の少ない事から、希少なホワイトバッファローになぞらえて名づけられたものです。

この石を眺めていると、ラコタのこの伝説を思い出し、なんだか特別なパワーを秘めた石のように感じてきます。