ランダーブルー、レッドマウンテン、ビズビー・・・
インディアンジュエリーのファンになってから、手元に置きたいと憧れたレアストーンは挙げていけばきりがない程ありました。
そんな中、自分でも意外だったのが、私がアメリカにきて大好きになった石がパイロットマウンテンだったという事です。
市場に多く出回っているキングマンやスリーピングビューティー、ロイストンなどのターコイスに目が慣れていると、硬質でフラットなパイロットマウンテンの表情に、どこか特異で独特なものを感じます。パイロットマウンテンは母岩自体が大変硬質なため、表面を走る母岩の脈には、他のターコイスにないシャープさがあります。
色、ウェブのバリエーションも、驚く程多種多様です。パイロットマウンテンは、シルクスクリーンの様な表現力を持った美しいターコイスです。
私たちがオーダーをするとき、アーティストに託すパイロットマウンテンは現在その全てが鉱山のオーナーから直接買い取ったものです。市場に出回る前の段階の、厳選されたパイロットマウンテンのみを入手し、ジュエリーメイキングに使用しています。シルバーサプライなどで売っているパイロットマウンテンのことを「ジャンクストーン!」と呼ぶオーナーからは、私たちに提供する石への自信と誇りを感じます。
写真はパイロットマウンテンを使用したドノバン・キャドマンのバングルです。
滲む様な細かいウェブと深いブルーがドノバンの力強いスタンプワークの迫力に負けることなくマッチした、素晴らしい作品です。
希少なターコイスに魅せられ、それを身に付ける時の特別な気持ちは言葉では言い表わせない格別さがあります。
またそれらレアストーンと同様、パイロットマウンテンを始め現在採掘の続いている鉱山から採れたターコイスにも、いつかは必ず枯渇する時がやってくるのです。リアルタイムで良質な石に出会える事にもまた、特別な喜びがあるのだという事を、私自身インディアンジュエリーのファンの一人として皆さんに知って頂けたらとても嬉しいです!