クモの意味

本格的な冬がやってきそうなニューメキシコ州。週明けにはどうやら雪が降る様子です。

さて、来週はハロウィン。日本でも盛り上がっていますでしょうか。

ハロウィンにちなみ、今日はインディアンジュエリーにもよく出てくる「クモ」について紹介します。

「スパイダーウェブ」はターコイズのマトリックスの名前としても使われ、クモというモチーフそのものがネイティブアメリカンにとって少し特別なものなのかなという想像はあるかと思います。

スパイダーウーマンとして神話に出てくるナバホ族のクモは、人々に織物と農業の技術を教え、多くの伝説や民話に登場して「一日を救い」、無実を守り、世界の調和を取り戻します。

この伝説上のスパイダーウーマンがナバホ族の女性に織物を教え、だからナバホ族の人々は織物で生計を立てることができるようになったと言われています。

一方でホピ族の神話に出てくるクモは、スパイダーグランドマザー(祖母)として登場して、「良きものの象徴」とされています。

クモの形をしているときはホピ族のキヴァの地下に住み、 彼女が必要とされるときはアドバイスをしたり、薬の治療法を提供するなど、多くの方法で人々を助けました。

クモはナバホ族、ホピ族ともに女性に結び付いています。

ジュエリーは文字がなかった時代にストーリーを刻む方法でもあったという伝統をモチーフから考えさせられますね。

新着入荷中

今回の台風で被害に遭われている方、お亡くなりになられた方に心よりお見舞い申し上げます。

アーニーリスターをはじめ、たくさんのアーティストの方から電話をいただき、お見舞いを伝えてほしいと言われています。

一日も早く回復することをお祈り申し上げます。

Ernie Lister 日本のモチーフとターコイズでナジャを描いたペンダント。

 

オンラインショップには新入荷が入っています。

キングマンターコイズの話

先日のツイートでのエジプシャンターコイズ。

古代エジプトのターコイズ、枯渇していたと言われていた時代を経て、2015年ごろから再び出回り始め、現在ではかなり高級なハイグレードのナチュラルのカボションも見かけるようになっています。

エジプトで儀式などでターコイズが使われていたというのはとても有名ですね。

ネイティブアメリカンにとって現在も儀式やお守りとして欠かせないターコイズ。

銅鉱山などが開拓される前、ネイティブアメリカンの人々が儀式に使っていたとされるターコイズは主に、ニューメキシコ州セリリョスとアリゾナ州のキングマン付近だったそうです。

 

1000年以上も前、メキシコのネイティブであるマヤの人々とターコイズやコーヒーをトレードしていたネイティブアメリカンの人々。そこでも現在のキングマン付近で採れたターコイズが使われていたそうです。

それは銅山なんかが入ってくるずっとずっと前。石でターコイズを採掘し、それを空の石、大地の石として儀式に使っていたという話です。

なんだか感慨深いものがありますよね。

 

キングマン自体は1880年代から銅山として大規模な鉱山となり街も発展していき、数々のオーナーを経て1960年代から現在のキングマン鉱山のオーナーが銅山とターコイズ採掘の契約を結ぶことで採掘を続けています。

キングマンの鉱山へのレポートは以前書いていますね↓

鉱山への旅④ キングマン

 

キングマンターコイズの特徴はなんといっても色々な表情。

ブラックスパイダーウェブ

 

同じキングマンでもターコイズマウンテンピット側から採れるもの。

グリーンのゴールデンマトリックスとか、ターコイズマウンテンと呼ばれて古いスタイルの伝統的なスタンプワークをするペリーショーティやエディソンサンディスミスはこの雰囲気の石が好きです。

 

同じキングマンでもイサカピークピット側から採れるもの。

パイライトや石英が入ることでもおなじみのイサカピーク。こういった雰囲気の真っ青なブルーのものは最近見かけることが少なくなりました。

 

ウォーターウェブと呼ばれるタイプ。

スタビライズドされたキングマンターコイズはクラスターやヒシネックレスにも多様されています。

いつも「キングマンターコイズ」一言で説明してしまいますが、採掘量が多く流通量も多いキングマンは、安定して手に入れることができる数少ないアメリカンターコイズです。

 

サントドミンゴのカラフルな世界

先月は二回、サントドミンゴ族の結婚式に呼ばれて行ってきました。

サントドミンゴ族の結婚式はとにかく規模が大きい!教会での結婚式が終わった後はそれぞれの家庭とスポンサーと呼ばれる仲人みたいな人の家、三か所で大きなお振る舞いが一日中行われます。

こちらはカルヴィンロバトの奥さん&娘さん。

とにかくカラフルで、伝統的な衣装をまといます。

スカートの柄はこのシェルのインレイから来ています。

伝統的な信仰と祈りを大事にするサントドミンゴ族。

デコレーションもカラフルです。

こちらはジョー&アンジー夫婦

シェルのモザイクを得意とするカラフルな色合い。

奥さん、アンジーのモカシンのボタンにもちゃんとモザイクインレイが使われていました。

色合いを見るだけで気分が明るくなるようなサントドミンゴ族のジュエリー。ネットショップにも新入荷でたくさん入荷しています!