ダレルキャドマンの話

こちらNM州はすっかり夏に近づいてきています。

ターコイズもののオーダー準備も大忙し、定番ものも新しい作品もたくさん毎日ネットに入荷しております。

今日、ダレルキャドマンと話してまた色々な話を聞きましたのでシェアしたいと思います。

ソーシャルメディアなど、基本的にはNGなのがダレルキャドマン。

「自分のシルバースミスとしての職業はプライベートなもの」と言っていて、自分の仕事の立ち位置などにはとても配慮深いです。

今日は亡きゲーリーリーブスの息子、ボーリーブスの作風がゲーリーに似てきたなという話から始まりました。

最近、ボーリーブスとの会話の中で、私物のゲーリーが作ったバンプアウトを使った作品を見せて、こういう感じの作ったらどうかと思うんだけど?

という提案をしてそれをボーが形してくれ、新しい感じのスタンプバングルを仕入れたばかりで、それを見てダレルが上記の一言を言ったのでした。

そんな作品の経緯をダレルに説明したところから昔話が始まりました。

ゲーリーリーブス、サンシャインリーブスが彼らの兄、デイビッドリーブスにシルバーワークを教わったというのは有名な話です。

ダレルキャドマンは、「こういったバンプアウトはデイビッドは作っていなくて、彼は基本的にワイヤーワークとオーバーレイを主に作っていた」と言いました。

アルバカーキの街で、80年代から兄弟みんなで借りていたスタジオ、そこがアーティストの溜まり場となり、デイビッド、ゲーリー、サンシャインのリーブス兄弟、ダレル、ドノヴァン、アンディのキャドマン兄弟、さらにはブルースモーガンやハリーモーガン、スティーブアルビソもそのスタジオに入り浸っていたそうです。

デイビッドのジュエリーづくりから派生し、基本的に色々なデザインを生み出したのはゲーリーリーブスだったのだそうです。そしてサンシャインはスタンプワークを中心にやるようになり、アンディはオールドスタイル、ドノヴァンはワイヤーワークやバタフライなどの華やかな作品、そういうふうに作風が分かれていったから、自分は全てやるけれど細かいところを他の兄弟とは変えて、自分で作ったスタンプもたくさん使うと言っていました。

デイビッドは早くに亡くなってしまいましたが、その後ゲーリーリーブスがスタンプワークとワイヤーワークを組み合わせたり、バンプアウトを駆使したりした豊富なデザインを生み出して、そして今はその息子、ボーリーブスが継いでいます。

先日スティーブアルビソが、今日はゲーリーが恋しくなったという話をしていました。「昔のスタジオではこういう形のスタンプがあったらなと呟くと、ゲーリーリーブスがチャチャっと作って、ぶっきらぼうに、ほら。と渡してくれたんだ。」

80年代のジュエリー全盛期に若者だった彼ら、彼らにも年輪を重ねて次の世代に渡す時代が来ているんだなぁなんてしみじみしたのでした。

スタンプやコンチョ、ピアスのフックに至っても、兄弟とは一味違った雰囲気をというこだわりが感じられるダレルキャドマンの作品。

こちらは残念ながらダレルキャドマンはいないのですが、2011年に撮影した写真が出てきました。

アンディ、故ドノヴァン、サンシャイン、故ゲーリー。

何年経っても色褪せない思い出たちがジュエリーを通して継がれていきます。

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