女性に大人気、Zuniのインレイジュエリーたち

インディアンジュエリーに興味を持ったきっかけが、ズニ族の可愛いインレイだった、という女性は多いのではないでしょうか。インレイとは、石をカットしてはつなげ、カットしてはつなげ、を繰り返しながらモザイク画の様に表現する技法です。日本でも樹の皮を切り絵の様にカットして張り付ける寄木細工という伝統工芸がありますが、それの石ヴァージョン、といったところでしょうか。
早くから彫金技術を手に入れたのはナヴァホだ、と言われています。ですがこのインレイの文化自体は紀元前からズニ族が用いていた技法で、彫金を学んだズニ族が、シルバージュエリーに活用したまでの事、ズニ族のインレイ文化はこの数百年で起こったものではありません。陶器などの表面に、ターコイスでまさにモザイク画されたイヤリングなどが発見されており、太古の昔から装飾技術として用いられていたのです。
現在ではジュエリーに見られるインレイの種類も多種多様です。彫刻の様に立体的なスカルプチュアルインレイ、シルバーの中に埋め込んだフラットインレイ(エッチングインレイとも呼ばれます)、石と石の狭間にシルバーがあるチャンネルインレイ、シンプルに石どうしを繋げたソリッドインレイ。どれも大変な手間と経験なくしては出来ない、素晴らしい芸術品です。この細やかな作業と正確さは、日本人には堪らないものがあります。
こちらはS&E Guardianのフラットインレイバングルです。鳥は天からのメッセージを運んでくると信じられています。

モチーフも様々です。幾何学的な模様、動物、植物、カチナ。あらゆる世代の方がご自身に合ったデザインを見つけて頂けるバリエーションの豊富さ、これも人気の一つです。
マライカでは時計やペンダントヘッドを贈り物としてお求めになるお客様が大変多く、私も自分へのご褒美に、と理由をつけては購入していました。
ジュエリーの表面に様々なモチーフがまるで絵の様に表現されているアクセサリー。インディアンジュエリーの好き、嫌いを超えて女性には大変人気のあるジュエリーです。

上の写真の様に黒、白、黄、赤、青の色遣いで表現されたインレイのジュエリーもよく見られます。これは6つの方向を表しています。北→黄、南→赤、西→青、東→白、黒→下、以上全ての色を持ったマルチカラー→上となり、またこれらの色はズニ族のキヴァ(宗教的なグループ)にも深く関係しています。ズニの全ての人々がそれぞれのキヴァを持ち、キヴァはそれぞれ上記6パターンの色で分かれています。
一見可愛らしいジュエリーにも、様々な思いやメッセージが詰め込まれていると思うと、身につけるだけで心が強くなったような気がします。

シンプルなコーディネイトにさり気無く身につける方、スーツの袖からちらっと見える程度に時計をされる方、身につけ方は自由です。また、写真の様なフォークロアがお好きな方にはさらにおススメです。
マライカ各店では一点物の可愛らしいインレイアイテムを沢山ご用意しております。
複雑なルーツや知識はさておき、まずは綺麗だな、可愛いなと感じたものを手にとってみて下さい。ほんの小さなジュエリーにも、それを作った作家の歴史や思いが込められています。本格的なジュエリーは、普段のお洒落をもっと楽しむための大切なスパイスです。