先日までインディアンの街ギャラップでは
“Gallup Inter- Tribal Indian Ceremonial”
という全米のインディアンが集まりダンスやパレードを行うお祭り週間でした。
ルート66の通る街といえど普段は寂れた感の否めないこの街ですが、この時ばかりは各地のインディアンが集り観光客も遊びにくるので賑わっています。
アーティストもこのセレモニアルのイベントの一つ、アートコンテストにジュエリーなどを出展する為に大忙しです。
去年はアーロン・アンダーソンがリボンを欲しいがままに受賞し、彼の一人舞台の印象がありましたが…
今年の主役はハリソン・ジムでした!
ナジャネックレスからブレスからイヤリングまで、ざっと数えても
5個はリボンを取っていたのではないでしょうか?!
ハリソンといえば…
『ナバホの伝統的な住居“ホーガン”の中で昔ながらの製法にこだわり生真面目にジュエリー製作をする職人』
それが彼の工房を訪れた時の印象です。
厚みのあるシルバー使いと左右対称なスタンプ、こぎれいに
まとめた重厚感あるオールドスタイルを得意としています。
こだわりが結構あって、
オーダーした石を削って勝手に整形しなおしちゃったり…
頼んだデザインではないもの作っちゃったり…
なんてバイヤー泣かせな一面もあるのですが、
それもこれも彼の中で自分の作品作りというのにこだわってるから、というのがわかります。
彼のジュエリーの大きな特徴でもあるのが
シルバープレートから作っているという点です。
シルバーのスクラップを溶かし、熱しながらハンマーで叩いて、さらに手動のローラーで伸ばして…
大抵どのアーティストもシルバープレートはサプライ屋で買ってくるのが主流です。なので一から作るアーティストはかなり珍しい!
当然製作時間もかかるわけで、彼にとって一日一個作れた!なんて日もザラなんです。
“一個一魂”だからこそ自分の納得できないモノは作りたくないんですね。
彼のジュエリーの裏を見ると何回も叩いて伸ばした跡が感じとれ、作っている時のライブ感すら感じます。
最近のショーではハリソンのような真面目なオールドスタイルが受賞する事はほとんど稀で、大体斬新で目立つコンテンポラリースタイルの受賞ばかりでした。
なのでこうした風潮の中でオールドスタイルが陽の目をみるのはほんとに嬉しい!!シンプルなデザインであっても郡を抜く何かがちゃんとあるんですね。
ちなみに…
アイリッシュの血が入ったハリソンはガタイがよく、ケンカしたら右に出るもんはいないんじゃないか?!ってなぐらい見た目に凄味があるんですが、地元で人気のドーナツ屋でお茶してるところを結構見かけたりします(笑)
ハリソンのジュエリーが気になった方はこちらから→★★★
その他受賞した、マライカでもお馴染み!!アーティスト
・Lyndon Tsosie
・Donovan Cadman
・Arnold Goodluck
・Aaron Anderson
・Sunshine Reeves
・Lee Begay
・Gerald Lomaventema
・Steve Larance
・Joe And Angie Reano