限定、バグデザインの話①


お待たせしました。
LYNDON TSOSIE × MALAIKAの限定デザイン、バグデザインがネットショップに登場しています。
こちらこちらのブログで少しご紹介したバグデザイン
まずはこの作品が誕生した経緯についてのお話です。
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○昆虫とのつながり
ナバホ族の古いジュエリー(1920年代ごろまで)のジュエリーには、アリやバッタなどのバグ(昆虫)が登場する。白人トレーダーの登場によって見られなくなったバグデザインは、現在ワシントン州などの博物館に飾られるほどとても貴重なものになっている。
ナバホ族の神話では、現在の世界は5つ目の世界となっている。その1番目の世界はなんと昆虫
の住む世界だった
というところからも、ナバホ族と昆虫とのつながりが見られる。
すべての生き物に意味があるように、昆虫が存在するのにもすべて意味がある。
毒グモを食べる毛虫、家を守る虫など、そういった役割を持つと信じられていた昆虫は昔から人々と近い存在だった。
○リンドンが伝統的手法にこだわるようになったきっかけ
23年前、リンドンのジュエリーのはじめはまずスタンプワークからだった。当初は売れることを優先としたデザインを作っていた。その後様々なアーティストにインスピレーションを受け、インレイやキャストなどコンテンポラリーなジュエリーで名をはせるようになる。
そんな中15年前、博物館で古いナバホ族のスタンプワークのジュエリーを見て、伝統的なスタイルのジュエリーへの感銘をうけ、1年に1作品ほどのペースで、伝統的スタイルへの尊敬をこめて作品を作るようになる
今でも古い手法にこだわっているのは、道具が少なかった時代、工具屋に行くのに2週間ほどかかっていた時代、あるもので代用し最低限のスタンプでジュエリーをアートにしていた先祖への
尊敬が込められている。
今も、コンテンポラリー(現代的)、トラディショナル(伝統的)、両方の手法でのジュエリー製作を行うリンドン。
コンテンポラリーアーティストとして有名になった彼に、伝統的手法をつかうことに対してどう思うか聞いた。
先祖がこれを見ていたら、絶対に笑われてる。たくさんの進化した技術があるのに、なぜそれを使わないのかって。昔は、限られた道具しかなかった。それしか使えるものがなかったから、そういうジュエリーしか作れなかったんだ。」
○デザインの誕生
今回のバグデザインは、バグデザイン、ナバホの伝統的スタイルの巨匠であるマッキープラテロの勧めによって完成されたシリーズ
非常にプライベートな性格で知られるマッキーに認められたリンドンは、彼の製作の様子を見ることが許された数少ないアーティストで、2012年、彼との話の中で、伝統的スタイルとは何か、ただスタンプを打つだけではなく、ジュエリーがアートとして確立するにはどうするかなど、様々な教えを受けた
人のデザインをコピーするアーティストが少なくない中で、コピーではなく、マッキーの許可を得たうえで、彼から受けた感銘を独自のバグで表現しているデザイン。
「伝統的なジュエリーはすべてのスタンプがひとつのデザインとして溶け混み合ってデザインとして美しく見えるものでなければならない。」これはこの作品を通してのやり取りの中で、リンドンが何度も口にしていた言葉。
リンドンの表現するバグは、セミ、カブトムシ、ハエ、毛虫、カナブンなど
もともと実在するバグや神話に出てくるバグを、リンドン流にデザインしたもの。両方に頭があったり、羽がたくさん生えていたり、リンドンらしさが感じられる。
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こんな背景の込められた作品です。
バグデザインについて、まだまだ続きます。
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