チマヨのベスト①

先日、チマヨへラグやベストの仕入れに行ってきました。
お店でよく見かける、このベストです。

先月のモノマガジンでも取り上げられていましたね。昔は古着屋さんなんかでも見かけることがありましたが実はこのベスト、結構奥深いんですよ。
ニューメキシコ州チマヨ地方は、サンタフェの北に位置する織り物で有名な地方。
アメリカの中でも、スペイン人の入植のためにスペインとアメリカ文化が融合された地域でもあります。
歴史的には、16世紀のコロナドの入植の時からメキシコの街サルティーヨが起源とされるメキシカンラグが伝わっていたようです。
1540年のコロナドの入植時、なんと5000頭の羊がメキシコから来たというのが羊がきたきっかけだったそうです。
それまで、今のアメリカには牛、馬、羊毛羊はいませんでした。
(ホピ族の壁画などに出てくるのも、ほとんどがロングホーンシープと呼ばれるものです。)
暖をとるために必需品だったラグ織りはその地の様々な人に伝えられて、19世紀の産業革命で商業羊毛や化学染料が出回ることによって色合いがどんどん変わってきたようです。
以前メキシコに行ったとき、ラグの天然染料を見せてもらったことがあります。
あいまいな記憶ですが・・・すいません。
サボテンの花→赤、玉ねぎの皮→ベージュ、他花や草など様々な素材でいろいろな色を作り出していました。
昔昔は天然染料でしたが、現在では色の多様性から商業羊毛が100%です。
チマヨ地方にはたくさんの織り工房がありますが、現在マライカで扱っているのは3つの工房のモノ。
Ortega オルテガ
Centinella センチネラ
Trujillo トルフィーリョス

工房それぞれ、専属のウィーバー(織る人)や委託のウィーバーが20人ぐらいいます。
●チマヨベストと言えば、オルテガ。
1700年代、ガブリエルオルテガさんから伝わる第8世代に渡る300年以上続く工房です。
オルテガと言えば、このボタン。

コロンとしたボタンと、チマヨ柄。
このダイヤモンドデザインとも呼ばれる独特なギザギザデザインが、「チマヨ柄」と呼ばれ、昔からこの地方で織られてきたものです。
オルテガでは、バッグ、マット、コースターなどラグで作られた様々なものを作っています。


ビビットな赤~ブルー、シックなブラックなどイロトリドリ。
個人的な感覚では、オルテガはチマヨ柄という伝統を守りつつ、色展開がとても鮮やかで豊富というイメージです。
長くなりそうなので、次へ続く・・・。
インディアンジュエリーがたくさん置いてある数店舗には店頭にありますのでぜひご覧になってみてくださいね。