今日は久々に「One of a kind」の一つだけのジュエリーを作り上げた、アーロンアンダーソンと長話しました。内容を録音しておけばよかったと思うぐらいに、プロフェッショナルの一話にもなり得そうな熱く濃い話でした。その一部をシェア。全体的な話としてはシルバースミスのレベルアップについてでした。
- 技術+デザインが真のアーティスト
「最初は模倣から入って技術を学び、そこからいかに自分のオリジナリティをプラスしていけるかが「アーティスト」と呼ばれる堺となる。」
色々なアーティストにトゥファキャストの技術を教えてきたアーロンだからこそのこの意見。ホピのジェイソンタカラ氏も全く同じことを言っていました。
- 他の人の作品はなるべく見ない
「他のアーティストの作品を見ると、影響されることがある。畑のちがう本や芸術品などはいいけど、同じ仲間のアーティストの作品はなるべく見ないようにしている。いつも頭の中で自分のオリジナルのデザインを考えている。」
- 自分がアーロンアンダーソンであることに誇りを持つ
「トゥファキャストの駆け出しのころ、誰も作ったことがないようなオリジナルのデザインを作り上げては、トレーダーやバイヤーたちに「こんなデザイン売れない」と買ってもらえないときが続いた。それでも進み続けた結果少しずつ売れて名前が知られるようになった。」それが自分の作品の価値を下げないことにつながり、今に至ると。
いち「シルバースミス」から「アーティスト」となり名前でジュエリーが売れるようになるというのは並大抵のことではないと容易に想像できますよね。
どこの国の伝統工芸もそうだと思うのですが、様々なデザインがすでに作り出されて模倣もとても簡単な現在は、「オリジナリティのある若手アーティストの育成」がとても難しいです。「似ている作品」は少し勉強すればすぐに作ることができるけど、その先を行く新しい作品が作れる作家が真のアーティストとして確立していくんだと思います。
そういう目でアーティストたちの作品を見ていくのも面白いと思います。