駐在10年目、現地での取り組み

今日は雪です!

さてタイトル通り、気が付いたら、マライカでニューメキシコに駐在するようになってなんと10年目を迎えています。

最初はジュエリーの買い付けをメインとしていたこの駐在も、現地での色々な問題にぶつかりながら今は現地でお店を持ち、ギャラリーとしてジュエリーの知識や目利きなどを育成させたり、アーティストのために石や材料を集めて売ったり、「商品の買い付け」ではないもっと大きな役割を現地で担うようになっています。

歴代のバイヤーのアーティストとのやり取りや現地で長期駐在するという苦労を考えると涙が出てきそうですが、それでも様々なアーティストに支えながら、日本のお客様のジュエリーに対する情熱や要望に背中を押されながら、まだまだ色々と変化していきたいと思っています!

毎日買い付けや作業に追われてなかなか現地らしいブログが書けていないのですが、少しずつ現地での取り組みなどの様子もアップしていきたいと思います。

今日の仕入れはこちら。

ニューメキシコ州、ギャラップにある店は、Gallup Trading Companyといいます。ニューメキシコのメイン空港があるアルバカーキから車で2時間半、アリゾナ州へのドライブの途中の町がギャラップ。アリゾナ州のメインの町フェニックスからは車で6時間です。

「Indian Capital of the world」世界の中のインディアン(ネイティブアメリカン)の中心、と言われる町です。

最近はセドナやグランドキャニオン、サンタフェへの観光などもありますので途中のドライブの際はぜひお寄りください!旅行途中で日本語が話せると安心しますよね。。。

 

ペリーショーティ

ナバホのトラディショナルスタイルで誰もが一度は作品を見てみたい人と言えば、真っ先に「ペリーショーティ」の名前が出ると思います。

アメリカのギャラリーでも置いているお店は2.3店舗。

年間2回出るショーでは、だいたい一日目の午前中ですべて売り切れてしまう。作品自体を拝める機会が絶対的に少ないです。

マライカにこんなにたくさん作品がそろったことが、我ながら、奇跡!!と思いながら今日はコレクションを見ていました。

 

昨日作品を受け取り久々に少し深く話しました。

最近は、伝統的でありながらも「色々なスタイルや素材を使うようになった」と本人も言っている通り、今までにはなかった新しいスタイルを見ることができるようになっています。実は長年そうしたかったのだけど、時間がなかったのだそうです。

石との組み合わせを作ることも増えてスターリングシルバーも使うようになってきていますが、コインシルバーの時はいつもバーバーコインを使います。なぜ、バーバーにこだわるの?とふと聞いてみたところ、一番初めに作った作品をバーバーコインで作ったから、、、との答え。

ずっと昔一回色々な銀貨を混ぜてコインシルバーの地金を作ったこともあるそうですが、その一回以外はすべてバーバーコインを使用しているのだそうです。

さわやかな笑顔と優しい口調、話すたびにいつも言葉では表せない人気の秘密を感じるような気がします。なんというか、祈りや魂がジュエリーに込められている、それが作りににじみ出ている、そんな感じです。

あまり有名になることは避けたいという本人の気持ちとはうらはらに、どうしても人気が出てしまう、その圧倒的で優しいオーラはスピリチュアルな世界とは遠い私でも神がかっているという言葉が頭に浮かんでしまうぐらいです。

 

買う買わないは別として、とにかく一回、作品を生で見て、触って、着けてみてください。あ、これがそういうことかと思う方もいるのではないでしょうか。

アーニーリスターを、「力強い、ずっしりとくる魂」としたら、ペリーショーティは「柔らかくも芯がある深い魂」という感じでしょうか。

リンドンバグベルトが1位を受賞。

フェニックスでのショーが終わり、ニューメキシコへ帰ってきました。

さて、ショーのジュエリー部門の一位を取ったのは、リンドンツォーシーのバグデザインのコンチョベルト!!!

マライカで復刻アイデアを出してからというもの、細々と作り続けてきていたバグデザイン。Air Peopleという題名が付けられたコンチョベルトが堂々の一位を受賞しましたよ!

↑これは受賞作品ではないのですが、少し前にコレクションアイテムとして仕入れたものです。

「厚みのあるシルバーは昔の手法にこだわった、インゴットシルバー。スタンプは、1880年代から1930年代の古いスタンプをこの作品のために手に入れ、それを新しいスタンプと混合させて古いバグデザインを復刻した作品。

もともとナバホ族は、家の中にいるバグ(昆虫や虫)を家を守ってくれるものとして信仰してきました。このバグデザインを唯一継承する巨匠マッキープラテロの技を肉眼で見ることのできる数少ないアーティストであるリンドン。」

うれしい受賞報告でした。

他は、カルヴィンロバトがヒシで部門三位、作品をコンペに出さなかったアーティストが今年はいっぱいいました。

フェニックスのショーは例年、コンテンポラリーな作品が選ばれることが多いのですが、その中でリンドンツォーシーのトラディショナルスタイルが一位をとって、改めて一からジュエリーを作る手間や背景が見直されたような、そんな気持ちになりました。

最近仕入れた作品の一部。

バスケットを編むデモンストレーションを初めて見ました。

途方に暮れるような手間に感動しました。

ショーの準備で大忙し&ハーマンスミス

つるっつるの凍結道路!これは3日前の雪でしたが、今朝も雪がちらつくまだまだ寒い日です。しかし、明日からは3月です!もう春に向けて身支度をしなきゃいけませんね。

今週末、アリゾナ州フェニックスで行われる全米で第二位に大きなショー。(第一位は夏のサンタフェインディアンマーケットです。)名だたるアーティストたちが出展するのですが、みなさんその製作に、、大忙しです!

材料を買うために在庫を少し売らなければいけない人も多々、連日アーティストたちから電話が来てこちらも毎日大忙しの一週間です。

さて、ネットには久々に色々なスタイルで入荷することができたハーマンスミス

数年前は日本ではあまり知られていなかったハーマンスミスですが、ここのところスタンプの正確さやそのキレイな仕上げで瞬く間に人気のアーティストとなっています。こうやってマライカで取り扱い始めたアーティストが大きくなっていくと、感慨深いものがあります。当の本人はあまり実感していないようですが、アーティストは結構みんなそんなもんです。日本で自分の名前が知れてきていてもいなくても、スタイルは変わらず、ただただ作り続ける。

ハーマンスミスのストーンワークも大好きです。こういうスタイルができるアーティストは限られていますし、細かい石を時間をかけてセットしていくその手間暇を惜しまないハーマンのきっちりした性格が表れている作品です。

全部でどーんと23点一気にネットショップにアップです。

この機会にハーマンスミスワールドを覗いてみてください。