トゥファキャストの原点

先週の投稿に続き、アーロンアンダーソンのご紹介です!

スタジオにお邪魔させていただいて貴重なものを見せてくれたので、共有せずにはいられない!ということで今に至ります。

“Best of Tufa”のアーロンアンダーソンが、お父さんに教えてもらったというとても古いトゥファキャストの技法。
トゥファキャストの原点といっても過言ではないかと思います。

通常、1つのトゥファにデザインを彫り出し、もう1つの平らなトゥファを合わせてシルバーを流し込みます。
しかし、この古い技法では2つのトゥファにデザインを掘り出していきます。
このとき2つのトゥファは対象であることが絶対条件となります。

(リングサイズとなるトゥファで作った棒がピッタリとハマるように溝を掘る)

(リングの片側(半分)のデザインを彫っていく)

(片面完成)

(もう片側も全く同じように彫り進める)

ここまできたらイメージができやすいのですが、通常のプレートを作成してリング状に曲げていく工程ではなく、リングをそのまま立体に作成する技法になります。

デザインが完成したらいよいよキャスティング。

力強いというか生命力が凄いというか…
なんとも言えない感情がこみ上げて、なぜかアーロンとハイタッチをするほど2人ともテンションが上がってました。

とは言うのもこの技法、時間も素材費も普通より高くなり、きれいに成功させることも難しいということでアーロンも久しぶりに挑戦したみたいです。

そして、作成途中ですが磨き上げたリングがこちら。

インパクトがものすごい!
見ただけで分かる重厚感と着けてわかる重量感。
この魅力は他では味わえないと思います。

という貴重なものを見せていただいたのでご紹介させていただきました。

しかし!
申し訳ありませんが、今現在では入荷の予定はありません…
今後検討していきます。

シンプルだからこそ難しく、シンプルだからこそ奥深い。
そんな魅力に触れることができました。

 

〇オフショット〇

(フェイクヘアーとバンダナのナバホスタイルのアーロン)

いよいよ!明日13日開催!!

いよいよ明日に迫った

インディアンジュエリーフェア2019!!

心斎橋店:7月13日(土)と青山店:7月15日(月・祝)の2日間。

ナバホ人気アーティストのスティーブアルビソ氏をお招きしてお届けいたします!

〇アメリカ駐在ブログより
アーティストインタビュー スティーブアルビソ ジュエリー編
アーティストインタビュー スティーブアルビソ 考え方編
↑こちらもご覧ください!

ハイグレードジュエリーとハイグレードターコイズに囲まれる至福のひと時をみなさまと楽しめたらと思います!

是非、店頭へお越しくださいませ。

【NEW】アーロンアンダーソン

マライカでも人気の高いトゥファキャストの巨匠、ナバホ族アーティスト「Aaron Anderson(アーロンアンダーソン)」のご紹介です!

先日、アーロンにお誘いいただいてスタジオにお邪魔させてもらい、ジュエリー製作見学と実際に製作体験させていただきました。

(奥に見える建物がアーロンのスタジオ)

キレイに掃除されたスタジオには、絵画が飾られていたり、オレンジの壁にターコイズブルーの窓枠、天井には空のペイントがされていたりとなんともクリエイティブな雰囲気漂う空間でした。

そもそも「トゥファ」とは石灰岩の一種で、この石にデザインを彫りだしてシルバーを流し込み作られる技法がトゥファキャストと呼ばれています。

トゥファは、非常に柔らかく掘りやすいのが特徴ですが、その反面崩れやすく角が欠けたり深く掘りすぎたりと力加減が難しい…
そして均等に平らにする作業がより難しかったです。
同じにするための見極めは「影」と教えてもらいました。
上の写真のようにすべての影が同じ深さになるようにライトを当てながら確認して削る作業を繰り返して平らに仕上げていきます。

次にデザインを鉛筆で描いてそこを彫り出していきます。
一番盛り上がるところを深くして、デザインによって何段階かの深さに分けて彫り進めていきます。
細かい作業が続きますが、一瞬でも気を抜くとラインがズレたり深く彫りすぎたりと失敗は許されず気が抜けません。
最後はアーロンに手直しをしてもらいました。

彫り出しが完成したらいよいよキャスティング。
陶器の中にシルバーを入れてバーナーで溶かしていきます。
(車のホイールに、トゥファの破片が台になってるところがなんともアーロンらしい)

キャストしたものをグラインダーで削り整えて、形を成形し、磨き上げをしていきます。
さらに燻し加工を施し、さらに磨いていきます。
この丁寧な作業を何度も繰り返し行うことでアーロンの素晴らしいジュエリーが完成していきます。

こちらはアーロンの新入荷ジュエリー。

作る姿を見学し、実際に体験してみるとアーロンの技術がいかに素晴らしく、他の人に真似できない技術であることを感じることができました。

アーロンは常に新しいデザインのジュエリーを生み出し、クリエイティブに活動しています。
彼は「作ることが楽しい」「作っている時間が幸せ」といつも言っています。

アメリカンロックを大音量で流しながら楽しんで作り出される作品には、パワフルで遊び心のある、元気のもらえるジュエリーばかりです。

 

【イベント告知!!!】

今週末に「インディアンジュエリーフェア2019」開催します!!
心斎橋店:7月13日(土)と青山店:7月15日(月・祝)

ナバホ人気アーティストのスティーブアルビソをお招きしてお届けいたします!

ハイグレードジュエリーに囲まれながらの2日間、必見です!
※詳細は、告知画像をクリック↑

 

アートの街「サンタフェ」

ギャラップから北東へ200マイル(約320km)の道のりをドライブして訪れたのが、アートが盛んな街「サンタフェ」です。

サンタフェの街並みは、日干しレンガで建造された“アドビ建築”の建物が立ち並び、独特な雰囲気を醸し出しています。
中心街から少し歩いたところには「Oldest House Museum-アメリカ最古の家」というアドビ建築で建てられた最も古い家があります。

サンタフェには、ジョージア・オキーフ美術館やニューメキシコ美術館が代表するようにアートが盛んな街です。
そして、美術館だけではなく至る所にギャラリーが点在し、伝統的な絵画をはじめ、コンテンポラリーアートや彫刻など多岐にわたる芸術に触れることができます。

「キャニオンロード」という道路沿いには様々な作家の画廊が所狭しと並び、個性的な現代アートに触れることができます。

そんなサンタフェは、スペインやメキシコなどの文化が融合された都市でもあります。
歴史や伝統を守りつつ、多文化を取り入れることで新たなものを創造していく。
その風土が芸術的な感性を生み出し、街から漂う魅力的な空気に多くの芸術家が集まるのではないかと思います。

インディアンジュエリーも歴史や伝統から生まれ、現在まで至る芸術の一つです。
多種多様の感性と思いを込めた芸術品に触れ、そして身に付けることができることに改めて感動を受けました。