ウィルバートマニングのインレイ

こんにちは!こちらは今日は雪が降る予定。早くも12月になってしまいました!

久々に、アーティストを撮影した動画をアップしました。

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こちらのインレイアーティスト、ウィルバートマニング。

撮影した作品は、コロナ禍の中だったのもあり3年もかかっているというボロタイでした。半日撮影をして「サンフェイスの半分」と「フェザーひとつ」が出来上がったという、果てしのない道のりで作られるインレイジュエリー。

動画にするととにかく淡々とした作業なのですが、その手間に驚いていただけるかと思います。

改めて、伝統工芸の素晴らしさを感じられる動画となっていますのでぜひご覧ください!

 

ハーヴィーメイスのメイキング動画

こんにちは。

久々のSouthwest Channelのアップ、第一弾は待望のハーヴィーメイスとなっております。

フェイスカバーをしながらの彫金風景っていうのも、なんだか不思議でありながらでもこれを画像に残すことの意味もあるような。。。

たくさんの数をリーズナブルな価格で提供してくれるハーヴィー。だからこそ本物かどうかとか疑われることもありますが、こうやって一つ一つ羽を刻んでいるんですよ。そしてリングとバングル、ペンダント、さらに形によって微妙に違うカーヴのラインスタンプを一つ一つトントンと刻んでいきます。

ハーヴィーの作品を持っている方はとても多いと思います。

こうして作られているんだというのを知ると、やはり改めて感銘を受けてジュエリーを磨きたくなります。メイキング動画、ぜひゆっくりご堪能ください。

さてアメリカでは今週は明日、午前中だけで閉まるお店が多いです。

次の日はサンクスギビングデー。

別名、家族で集まって七面鳥を食べる日。今年は約2年ぶりに帰郷して家族に会うという人たちも多く、飛行機もかなり混雑している様子です。

そして金曜は日本でも知られてきた「ブラックフライデー」、月曜は「サイバーマンデー」

オンライン商戦が激化して、これからは完全なるクリスマス一色になっていきます。

こちらは2年前のサンクスギビングデー。

七面鳥に欠かせないのはマッシュポテトとグレイビーソース。

ネイティブ式なのは横に「グリーンチリ」奥に見えるのは「マトンシチュー」

そして欠かせないのはフライブレッドまたはトルティーヤ。

日本では感謝祭の文化はありませんが、この日はどこでも

「Happy Thanksgiving Day!」というフレーズで溢れる1日となります。

ニューメキシコ州とアリゾナ州の現状

気付いたら更新が久々になってしまいましたが、ニューメキシコ州では少しずつ店が再開しつつあります。

人権運動のプロテストがここニューメキシコ州にも広がっていて、先週は暴徒化したプロテストから守るため、ガラスにベニヤ板を貼っている店もかなり見られました。そのニュースとビジネスの再開でコロナが忘れ去られたような感じがありますが、ナバホネーションの拡大はまだ広がっていて人口に対する感染率はニューヨーク市を超え、まだ夜の8時から朝の5時迄は外に出てはいけないという門限が張られている状態です。

ナバホネーションの土地はニューメキシコ州、アリゾナ州、コロラド州、ユタ州にまたがっていますが、やはり一番感染が深刻なのがここニューメキシコ州ギャラップ近隣の居留区と、アリゾナ州の居留区。

州全体では感染が少し収まりつつあったので、州全体では20%以下の人数制限有で店を開けてもいいよというOKが出たのですが、まだ感染が拡大しているこのエリアでは銀行などの窓口もまだ閉鎖中で、地域によってかなり差が出てきています。

ほとんどのアーティスト、作家が感染がまだ収まらないニューメキシコ州とアリゾナ州に住んでいるので買い付けの再開もまだ慎重に、お互いがリスクにならないように進めているという状況です。

まだ重い雰囲気はありますが、あともうちょっと!という感じです。

さて近況報告はこれくらいにして、私たちはジュエリーで作家に還元できるようにコツコツと頑張ります!

ターコイズ物のシンプルな作りの作品はすべて、石を選びアーティストに作ってもらっています。

 

そして今日YouTubeに登場したこの人。

皆さんが疑問に思っているであろう、どうやって作っているの?の一部が映像化されています。いやーすごいです。

78歳。

なんというかやっぱり作品がずっと愛されている人って考え方が凄い。

でもすごいだろーって言わず当たり前にやっているところもぐっときます。

必見。日本語字幕を付けてご覧くださいね。

トゥファキャストの原点

先週の投稿に続き、アーロンアンダーソンのご紹介です!

スタジオにお邪魔させていただいて貴重なものを見せてくれたので、共有せずにはいられない!ということで今に至ります。

“Best of Tufa”のアーロンアンダーソンが、お父さんに教えてもらったというとても古いトゥファキャストの技法。
トゥファキャストの原点といっても過言ではないかと思います。

通常、1つのトゥファにデザインを彫り出し、もう1つの平らなトゥファを合わせてシルバーを流し込みます。
しかし、この古い技法では2つのトゥファにデザインを掘り出していきます。
このとき2つのトゥファは対象であることが絶対条件となります。

(リングサイズとなるトゥファで作った棒がピッタリとハマるように溝を掘る)

(リングの片側(半分)のデザインを彫っていく)

(片面完成)

(もう片側も全く同じように彫り進める)

ここまできたらイメージができやすいのですが、通常のプレートを作成してリング状に曲げていく工程ではなく、リングをそのまま立体に作成する技法になります。

デザインが完成したらいよいよキャスティング。

力強いというか生命力が凄いというか…
なんとも言えない感情がこみ上げて、なぜかアーロンとハイタッチをするほど2人ともテンションが上がってました。

とは言うのもこの技法、時間も素材費も普通より高くなり、きれいに成功させることも難しいということでアーロンも久しぶりに挑戦したみたいです。

そして、作成途中ですが磨き上げたリングがこちら。

インパクトがものすごい!
見ただけで分かる重厚感と着けてわかる重量感。
この魅力は他では味わえないと思います。

という貴重なものを見せていただいたのでご紹介させていただきました。

しかし!
申し訳ありませんが、今現在では入荷の予定はありません…
今後検討していきます。

シンプルだからこそ難しく、シンプルだからこそ奥深い。
そんな魅力に触れることができました。

 

〇オフショット〇

(フェイクヘアーとバンダナのナバホスタイルのアーロン)

【NEW】アーロンアンダーソン

マライカでも人気の高いトゥファキャストの巨匠、ナバホ族アーティスト「Aaron Anderson(アーロンアンダーソン)」のご紹介です!

先日、アーロンにお誘いいただいてスタジオにお邪魔させてもらい、ジュエリー製作見学と実際に製作体験させていただきました。

(奥に見える建物がアーロンのスタジオ)

キレイに掃除されたスタジオには、絵画が飾られていたり、オレンジの壁にターコイズブルーの窓枠、天井には空のペイントがされていたりとなんともクリエイティブな雰囲気漂う空間でした。

そもそも「トゥファ」とは石灰岩の一種で、この石にデザインを彫りだしてシルバーを流し込み作られる技法がトゥファキャストと呼ばれています。

トゥファは、非常に柔らかく掘りやすいのが特徴ですが、その反面崩れやすく角が欠けたり深く掘りすぎたりと力加減が難しい…
そして均等に平らにする作業がより難しかったです。
同じにするための見極めは「影」と教えてもらいました。
上の写真のようにすべての影が同じ深さになるようにライトを当てながら確認して削る作業を繰り返して平らに仕上げていきます。

次にデザインを鉛筆で描いてそこを彫り出していきます。
一番盛り上がるところを深くして、デザインによって何段階かの深さに分けて彫り進めていきます。
細かい作業が続きますが、一瞬でも気を抜くとラインがズレたり深く彫りすぎたりと失敗は許されず気が抜けません。
最後はアーロンに手直しをしてもらいました。

彫り出しが完成したらいよいよキャスティング。
陶器の中にシルバーを入れてバーナーで溶かしていきます。
(車のホイールに、トゥファの破片が台になってるところがなんともアーロンらしい)

キャストしたものをグラインダーで削り整えて、形を成形し、磨き上げをしていきます。
さらに燻し加工を施し、さらに磨いていきます。
この丁寧な作業を何度も繰り返し行うことでアーロンの素晴らしいジュエリーが完成していきます。

こちらはアーロンの新入荷ジュエリー。

作る姿を見学し、実際に体験してみるとアーロンの技術がいかに素晴らしく、他の人に真似できない技術であることを感じることができました。

アーロンは常に新しいデザインのジュエリーを生み出し、クリエイティブに活動しています。
彼は「作ることが楽しい」「作っている時間が幸せ」といつも言っています。

アメリカンロックを大音量で流しながら楽しんで作り出される作品には、パワフルで遊び心のある、元気のもらえるジュエリーばかりです。

 

【イベント告知!!!】

今週末に「インディアンジュエリーフェア2019」開催します!!
心斎橋店:7月13日(土)と青山店:7月15日(月・祝)

ナバホ人気アーティストのスティーブアルビソをお招きしてお届けいたします!

ハイグレードジュエリーに囲まれながらの2日間、必見です!
※詳細は、告知画像をクリック↑

 

アーティストインタビュー カルヴィンロバト スピリット編

アーティストインタビュー カルヴィンロバト 歴史編

↑前編はこちらです。

 

アメ駐:ヒシのジュエリーというのは伝統的な細工でたくさんの作家がいるけれど、カルヴィンはそういう意味では自分自身のジュエリーについてどう思いますか?

カルヴィン:ショーに出したりして、売れないときもオーダーが少ない時もあるけれど、僕のジュエリーが他の人と違うとすれば、それはすべて商品に現れていると思う。

アメ駐:どういう意味?

カルヴィン:僕は最低限の材料の説明はするけど、他の人と比べてここはこんな風にこだわっているとか、そういったことはなるべく言わないようにしている。それは商品を見ればわかると思うし、他の人を批判したりすることになるからね。作家どうしはけなし合うのではなく、褒め合いたいから

技術的に言うなら、たくさんの色々な素材を使っているというところかな。新しい素材を試すのは楽しいし、デザインするピーラーの腕がいいからね(笑)

アメ駐:私からすると、カルヴィンは「ジュエリーを商品というよりも道具としてみている」ような感じがします。

カルヴィン:そう、僕の作品は、「神様の祝福や幸運を運ぶ道具」なんだよ。僕の刻印は四角のメロンシェル。四角は、ネイティブアメリカンにとっての神聖な4つの方向を表しているから、これは僕の作品から絶対に外せないものなんだ。一回、何が目的かはわからないけどその刻印を外してくれと言われたことがある。その人とは僕はビジネスをしないけど、その時目先のお金だけを目的としていたら何も考えずに刻印を外して売っているだろうね。

売る前に祭壇にすべての商品を置いて、祈りをささげる。この商品たちには、「目に見えない神様からの祝福」がのっている。僕は商品としてそれを届けているだけなんだ。

 

アメ駐:なるほど、だから多くを語らなくても「商品が語りかける」っていつも言うんですね。

カルヴィン:そうだね、作り始めるときも一緒で、「日本に行きたいのは誰かな?」なんて素材に話しかけるときもあるよ。(笑)

アメ駐:あと聞きたかったことは、「伝統工芸品」ということについて。若い人たちはこういった時間がかかる手作業の工芸品というのをやりたがらないですよね?そのことについてはどう思いますか?

カルヴィン:うーん、コンピューターでデザインして、コンピューターが作ったヒシっていうのもあるけど、、、、。歴史的に見れば、ヒシネックレスを作る過程というのも昔より格段に進化している。

昔は木の道具を使って穴をあけて、磨きも革を使ってひたすら磨いていた。

↑昔使っていた道具。

 

ぼくの意見としては、ただテクノロジーが変えているだけで、それは若者が「新しいアートワークを見つけ出した」だけだと思うよ。

アメ駐:なるほど。

カルヴィン:ういう形であれ、僕は新しいアーティストをいつも励ましている。飛行機と同じように、離陸の時が一番大変で一番エネルギーがいるんだ。一回飛び立ったら後はメンテナンスをしていけばいいんだからね。色々なスタイルがあって一人ひとり違うスタイルを持っているから、どんな始まりでもいいんだよ。僕も最初は本当に大変だった。一つ一つ解決していかなきゃいけないから。

アメ駐:どういうところが一番大変でしたか?

カルヴィン:僕のネックレスは、他の人のヒシネックレスより高い。だから売っているときに、「あなたのは300ドルだけどそこの人のは80ドルだから80ドルにして?」って言われたりするよ。そのときは「そこの人の所で3本買ったら僕のと同じ価値になるよ」って言ったけど(笑)

そういう風に、「自分の価値を分かってもらえない人には売らない」と決めるところが大変だったかな。それは前の「商品が語る」というところにつながってくるけど、質は絶対に落とさないで、技術を向上させているなら値段は下げられないからね。

アメ駐:なるほどー。カルヴィンの話は本当にいつも心に響きます。

カルヴィン:そうそう、心がクリーンじゃないといいジュエリーは作れないんだよ。

だからいつも勤めてHappyになっている。ジュエリーが心を移すんだ。いつもHappyで、自分がやっていることを心から好きじゃなければいけない。

心が曇っていたり、他人と比べていたりしていたら、それが出来上がったジュエリーに出るんだよ。

アメ駐:そうなんですか、仕事と生活がそういう部分で直結してくるんですね。

本当に深い、ためになる、心が洗われる話でした。本当にありがとうございました!

カルヴィン:じゃあご飯を食べよう!!

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いつもいつも、ご飯を作って待っていてくれる優しいロバト家。

「ジュエリーが心を移す」

本当にステキな言葉です。

技術や仕上げの細かさも、カルヴィンロバトの本当にすごいと思うところ。彼の作品には技術だけではなく、こういった信仰や思いがジュエリーに込められています。

カルヴィンの作品はこちらから。

アーティストインタビュー カルヴィンロバト 歴史編

先日の記事に続き、マライカでもたくさんの特集をさせていただいていて個人的にもとても仲良くしていただいている、サントドミンゴ族のカルヴィンロバトに、彼の作業場にてインタビューをしてきました。

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カルヴィンロバト(以下カルヴィン):何から話そうか?

アメリカ駐在(以下アメ駐):カルヴィンにはたくさん聞きたいことがあります!(カルヴィンはサントドミンゴ族の政府の仕事をしていたことがあり、思想的なことも聞きたいと思っていました。)

まず、「ヒシ」というのは何かについて聞きたいです。

(↑カルヴィンのヒシネックレス)

カルヴィン:ヒシっていう言葉は、もともと貝の名前のことなんだよ。そこから、貝殻や石を使った「削り」の仕事というもの自体が「ヒシ」と呼ばれるようになったんだ。

 

アメ駐:そうなんですか!知らなかった。

カルヴィン:シルバーワークでも、「スタンプワーク」「オーバーレイ」と別れているのと同じで、シェルを使った伝統的な仕事でも、「モザイク」「ヒシ」という風に製法としてその言葉が使われるようになったんだよ。

アメ駐:貝を使った伝統的なジュエリーというのは歴史的にありますよね。

カルヴィン:そうだね、ネイティブアメリカンが先祖とするアナサジ族の遺跡から貝とターコイズのジュエリーがたくさん見つかっている

今ではメキシコの領土となったメキシコのネイティブの人々が貝殻をもってきて、今ではアメリカの領土となったニューメキシコやアリゾナのネイティブの人たちとターコイズや羽根と交換していたという証拠が遺跡から出てるんだよ。だから貝殻のジュエリーの歴史というのはとても古いんだ。アナサジ族がいたのは西暦で言うと850年から1250年ごろと言われている。

 

アメ駐:そうなんですね。それでもモザイクやヒシのジュエリーで知られているのはサントドミンゴ族だけですよね?他の部族の人々もみんな貝のジュエリーというのは儀式で使うものなのに伝統的に作られているのはサントドミンゴ族だけ、というのが前からとても疑問だったんですけど、どうしてなんでしょうか?

カルヴィン:クリエイター(創始者)がそういう風にそれぞれの部族の役割を決めたからだよ。

「ナバホ族だったら、シルバー細工」「へメスだったら、壺」「ホピだったら、カチナとバスケット」「ズニだったらインレイジュエリー」

こういう風に、クリエイターが決めてそれぞれに役割を与えたんだ。今では部族間の交流がたくさんあるけど、昔はその工芸品や作品をトレードすることで交流をしていた。だから今でも部族間でのトレードというのが行われるようになっているんだ。

アメ駐:それはとてもとても深い話ですね。でもそういう風に考えたらつじつまが合うような気もします。

カルヴィン:そうだね、僕たちはそう信じているんだ。

アメ駐:もともとカルヴィンがジュエリーを始めるきっかけというのは何だったんですか?

カルヴィン:お父さんの手伝いを中学生の時からしていたからね、その時からずっと、それでお金を稼いで、いつも働いているよ。

アメ駐:そうなんですね。

カルヴィン:父が亡くなったとき、父が持っていた工芸品やジュエリーを親族が譲ってもらいに列を作って来た。僕はただ一つ、父の弓矢をもらった。弓矢は「サイレントウェポン」静かな武器で、それがいつも僕を守ってくれているんだ。

父の手伝いをしていたから、僕はいつもお小遣いをもらっていて、少しだけお金があった。それで今の妻ピーラーを射止めることができたんだ! 結婚してみたらそんなにお金がなかったって言われるけどね(笑)

 

アメ駐:いつも共同作業で、仲がいいですよね。

カルヴィン:すべての始まりは女性からだからね、女性を敬うことは大切だよ。ピーラーはデザインも勉強していたから、色の配色や新しいデザインはピーラーが考えることが多いよ。

続く。。。。

カルヴィンロバトの作品はこちら

 

 

Aaron Anderson アーティストインタビュー

 

 

アーティストインタビュー ハーヴィーメイス

週末、ハーヴィーメイスの所へ行きインタビューをしてきました。

ハーヴィーとマライカ駐在は長い付き合いなのですが、実は作る所をしっかり見たのは初めて。改めて、ずっと変わらずに人気の作品を作る理由が分かりました。

 

アメリカ駐在(アメ駐):今回は製作風景も見せてもらいながら、色々話を聞かせてください。まず、ハーヴィーがシルバースミスになったきっかけは何ですか?

ハーヴィーメイス(以下、ハーヴィー):始めたのは・・・1972年、16歳の時だったかな。最初は兄であるTedに習って始めたんだ。一番初めに、一番難しいロウ付けの技術から教わったんだ(笑)。そこから色々なトレーディングポストに商品を作るようになった。

最初、1970年代は特に石ものがとても流行っていたし石が安かったから、今のフェザーではなくて石ものやスタンプワークを作って売ってたよ。

アメ駐:いつからフェザーのデザインを作るようになったんですか?

ハーヴィー:正確には覚えてないけど、1980年代に入ってからかな。リーフのモチーフが人気で、それをたくさん作っていたからそこからフェザーのデザインを思いついたんだ。リーフとフェザー、同じように見えて作り方が実は少し違うんだよ。それは企業秘密(笑)。

僕はその頃アート(絵を描く方の)もやっていて、それで鉛筆でフェザーやイーグルの絵を描いていて、それをそのまま小さくしてシルバーワークにしたのが始まりかな。

アメ駐:へぇーそうだったんですね。だから色々なデザインが作り出せるんですね。

ハーヴィー:絵を描いてそれを作品にしようとすると、その絵のままのカーブと質感をシルバーに描き出さなければいけないから、僕はまずその作品ごとに合うスタンプを作ることから始めた」んだ。

同じように見えても出来上がりの大きさが違うから、リング、ペンダント、ピアス、それぞれ違うカーブのスタンプを使っているんだよ。

アメ駐:そうだったんですね!だから仕上がりの時に同じようにフェザーの質感を出せるんだ、なるほど。イーグルフェザーのモチーフを作る作家は多くいると思うんですけど、「ハーヴィーにとってのイーグルフェザーの意味」というのはどう考えていますか?

ハーヴィー:うーん、イーグルフェザーの意味というのは「プロテクション(身を守るもの)とグッドラック(幸運)」ネイティブアメリカンのダンスで衣装にイーグルフェザーを使うけど、ダンス中にイーグルフェザーが落ちてしまったら、ダンス全体がストップして、そのフェザーを浄化して着け直さないといけない。それぐらいイーグルフェザーというものはネイティブアメリカンにとってパワフルな意味を持っているんだよ。

僕の作品には、必ずイーグルフェザーの「テール」がついているんだ。

アメ駐:羽根の上のぐるぐるのワイヤー部分のことですね??

ハーヴィー:そう僕はこのテールがついていると、「Alive(生きている)」、ついていなければ「Dead(死んでいる)」と解釈している。だからこのテール部分をつけるときにフェザーに命が吹き込まれてそこにお守りや幸運をもたらす力が付けられると考えてるんだ。だからワイヤーを一番最後に巻くんだよ。

アメ駐:なるほど、すごく興味深い話です。ハーヴィーは他のアーティストの比較とか何か他に考えてることはありますか?

ハーヴィー:ゴールドフィルドを使ったコンビネーションの作品は他の人と違うところかな。

アメ駐:確かに、コンビの色味はとても人気ですもんね。

そしてここから、このテーブルから、ハーヴィー一人の手からこの作品がすべて作り出されているというのがとても感慨深いですね。たくさんオーダーを受けて市場に出ると、作家による「ハンドメイド」というところがあいまいになりがちですからね。

ハーヴィー:そうだね。オーダーをたくさん受けて値段を落とさないで作るには効率化しなきゃいけないけど、質を落とさないためには細かいところに気を配らなければいけない。

アメ駐:なるほど。

ハーヴィー:フェザーのデザインはたくさんの人がコピーして作っているけど、その細かいこだわりがない作品はやっぱり魅力的じゃないと思うよ。

アメ駐:確かに、そういったこだわりがあるから長い間人気でいられるんですね。

ハーヴィー:もうでも僕も歳だから、娘と息子たちに技術を教えてるんだ。

アメ駐:そうなんですね、とても楽しみです。私も今後に向けて色々新しいアイディアがわきました。ありがとうございました。

 

「信念とこだわり」というのはどの作家にも共通することだなと思いました。

ハーヴィーメイスの作品はこちらから。

ジェラルドお宅訪問

昨夜は雷雨で、作物たちが喜んでおります。

先週末、ホピの村でダンスが行われるとのことで久々にホピの村へ。

ホピコーンボーイズというダンスを見てきました。

ジェラルドロマベンテマのスタジオにも久々にお邪魔。ジェラルドのおうちはホピの他アーティストの人たちの家よりもとても分かりやすいのですが、久々すぎて迷いました。というか探すのをあきらめ、カルチャーセンターにいるから迎えに来て~!とヘルプ。こうやって甘えられるのもジェラルドの優しい性格ならではです。

カルチャーセンターの中のショップ。他にもレストラン、ホテルがあります。この日はダンスとは関係がなかったみたいですが多数のツアー客の人たちがいらっしゃいました。

現在作っているものなどを見せてもらいました。やはり作家のスタジオを訪ねると色々アイディアも湧いてきて楽しいです。

ジェラルドは世界中の美術館などのプロジェクトも手伝っていて、日本のミュージアムのお手伝いなどもしています。歴史を後々の世代に正確に伝えていく手伝いができると言っていました。

ホピのシチュー。このトウモロコシはジェラルドの畑からとれたもの。

歴史の話や色々夢中になって、結局ダンスは30分も見られませんでしたが、広いホピの大地を拝めて貴重な話を聞けたなかなかない機会。

不毛の地と思われるところで、天頼みのドライファーミング。灌漑施設もまったくないところでトウモロコシが育つ、儀式の力を信じずにはいられませんね。

メイキングレポート

アーヴィンツォーシー氏、エングレービング中。本日のアーティストです。

風の強い毎日です。

前からお知らせしようとしていて忘れていた、メイキングレポートのまとめがインディアンジュエリーのページに完成させていただきました!

ブログだと流動的でちょっと読みづらかったので、少しずつ増やしていければと思います!

こちらはというと、、カチナたちを出荷し、ジュエリーの出荷準備の真っ最中であります!