ニューメキシコ州、アリゾナ州の現在

こんにちは、今日私はコロナウイルスのワクチン2回目を接種してきました。実はアーロンアンダーソンと一緒に列に並んでいました。

今日はジュエリーとは離れて少し現状報告をしてみようかと思います。

ナバホネーション、ズニ、ホピ、ニューメキシコ州、はかなりワクチン接種が進んでいまして、現在40%を超える人がワクチンの接種を受けているそうです。アメリカ全体では13%ぐらいなので、優遇されているとともにそれだけ被害が大きいということでもありますね。

私の知る限りほとんどの人がすでにワクチン接種を受けています。特にネイティブアメリカンは予約なくしても行けば受けられるというワクチンイベントみたいなのが設定され、そこにはいつも行列ができています。

12月~1月は実はアリゾナ州がホットスポットとなり、ナバホネーション全体でもかなり感染が拡大していました。5月は一日100人ぐらいの新規感染者だったのですが、12月からは200人を超える毎日が続き、ワクチンの供給が始まった年始と共に急激に減り、今では2週間前比較で60%減となっています。ワクチン効果なのか、暗いトンネルの先に少し光が見えたような気分ですが、それでも12月、1月から病院で療養している人などもまだまだ多いような状況です。

店などは通常営業ですが、店内飲食はすべて禁止。ホピ族、ズニ族、サントドミンゴ族、アコマ族などの村には外部者が入ることは特別な許可証がない限り引き続き禁止されています。

アーティストの多くは50歳以上が多く、ワクチンをちゃんと受けたかどうか確認したり、ワクチンのイベント情報をアーティストにシェアしたり、オーダーが仕上がっているかはともかく(笑)とにかくみんなが元気でいる事を優先にした、そんな一年間。ニューメキシコ州で初めての感染者が確認されたのは三月の第一週なので、本当に丁度一年ぐらいになりますね。

マライカで取り扱っているアーティストでも何人か、亡くなってしまった方がいます。

Darryl Becenti

ダリルビセンティはサンシャインリーブスやダレルキャドマンの義兄弟でもありました。

 

Cody Arviso

スティーブアルビソの息子であるコディアルビソ。ネットにはもう商品はありませんが、もしかしたらどこかの店頭にCAの作品が眠っているかもしれません。

 

Lutricia Yellowhair

ロンベドニー、パットベドニーの母であるルトリシア。とても長い間、コロナと戦いました。いつもロンベドニーと一緒に作品を売りに来てくれたとても謙虚でおとなしい方。ジュエリーショーではよくパットベドニーと一緒にブースに立っていました。

 

ここニューメキシコ州、アリゾナ州の州境では実は5人に1人がコロナに感染したという数字が出ています。確かにその通り周りにも感染した人はとても多いですが、だからこそみんな一丸となって戦っている、励まし合っている、という印象があります。

いつもとは違うヘビーな投稿になりましたが、少し見えてきた希望の光を見ながら、でも相変わらずジュエリーを日本に届け続けたいと思っています!

皆様がジュエリーを着けてアーティストの思いや祈りを感じながら、世界の状況が少しずつ良くなっていくことを祈れる、そんな前向きなジュエリーをこれからも届けていきます。

 

いつもとは違うインディアンジュエリーのおススメ

大寒波がやってきて再び雪が降り続いているニューメキシコ州です。

さて今日は、お客様からの相談でたまにある「いつもとは違うものがほしい」という視点でジュエリーを紹介してみようかと思います。

どうしても定番物や一点アーティストものの紹介が多くなってしまうのですが、今回は少し違う作風のものをご紹介します。

 

まずはスパイ二ーオイスターとターコイズ、オールドスタイルのシルバービーズをミックスした程よい幅の3連ネックレス。横にフラットなコーンで留めているので、首回りがもたつくことがないのがポイント。50センチとVネックでもTシャツでも合わせやすいサイズです。

細身のチェーンにプチペンダントなどの華奢系ジュエリーが好きな女性にぜひチャレンジしていただきたい作品です。

こちらはどちらかというとメンズの方にお勧め。

私だったらターコイズとかスタンプワーク好きの「ザ、ナバホ好き」の男性に敢えてお勧めしたい作品。

手法は非常に伝統的ながら、現代的でモダンな感じがあふれるこの作品。でもこのアーティスト、アルバートネルズはシルバースミス歴なんと40年。トラディショナルながらも今の時代に合っちゃうという、インディアンジュエリーの底力を感じる作品です。

こちらは結構前の作品になりますが、大きなスパイニーオイスターを使用したバングル。実はウィルソンビゲイは、アーロンアンダーソンの叔父。本当のお父さんもキャスト作家、義父ウィルフォードヘンリーもキャスト作家なんですね。

個人的にはこういう「絶対に全く同じものには出会えないであろう」という一点ものの作品にはめちゃくちゃグッと来てしまいます。しかもこのスパイニーオイスターの色、今はどちらかと言えば鮮やかな色味が好まれる中、この何とも言えない淡い色味を使っているというのもインディアンジュエリーの時代の変化すら感じる作品です。

次はナバホ族らしいこのピアス、かなりレアで手の込んだ作品です。

ネイティブカルチャーを知らない人であれば一体何?!っていうデザインですが、分かる人には一目で分かるデザイン。キヴァ、イーグルフェザー、コーン、そしてメサがハンドカットで刻まれたピアス。バングルやペンダントではなくてピアスというのも非常に珍しいと思います。

そして最後はこちら、ヘンリーサムのバングル。

この作風、「スネークアイ」(ヘビの目)と呼ばれる細かいターコイズを使った作品なのですが、このスネークアイの作品は今とても探している人が多い作風でもあります。以前はこのような小さいターコイズを市販で買える場所があったのですが、8年ほど前からターコイズの高騰と作業量が割に合わないことから、このスネークアイの作風は今では古いジュエリーにしか見ることができなくなっています。

ズニ族のニードルポイントやクラスターなど、ハンドカットのターコイズ物はみるみる少なくなっていくでしょう。

いつものシルバー物、いつものターコイズ物から一歩上のステップへ、なんとなくいつも同じようなものに目が行ってしまうという方にもおススメの商品紹介でした。

皆様くれぐれもお気をつけてお過ごしください!

バレンタインの贈り物

こんにちは、雪が降った先々週から一転して先週は少し天気が良く暖かくなりました。

昨日はスーパーボウル!アメフトの頂上決戦でアメリカが盛り上がった一日。

そしてここニューメキシコ州でもコロナのワクチンの供給が進んでいて、私も一回目のワクチンを受けることができました。

週末は知り合いの誕生日だったのですがドライブスルーバースデーと称して、ギフトを車から渡して食べ物とケーキをもらうというコロナ対策の誕生日会でした。

今週末はバレンタインデー。

何度も書いているような気がしますが、アメリカのバレンタインは男女関係なく、大切な人に花や手紙、ギフトなどを渡す日。

スーパーのカード売り場はこんな風にたくさんのバレンタインカードであふれています。

カップルや夫婦で少し豪華なレストランに行く日でもありますが店内飲食もできない今なので、皆さん色々と工夫して花を宅配したり、ギフトを早めに渡したりしています。

男性が女性にジュエリーを送るというのもとても一般的。

シンプルで普段使いのできるもの、キュートなモチーフのものなどが人気です。

 

 

緊急事態宣言下でなかなか外出も難しいかと思いますが、アメリカもまだ同じような状況ですので頑張りましょうね!

 

カルビンロバトのヒシ

今年2021年に、再びサントドミンゴ族のとても重要な役割を担うことになったカルヴィンロバト。

3,4年前にも一年間、儀式などの決定をしたりするとても重要な役割を担い、その一年間はほとんどジュエリーの仕事ができなかった時期がありましたが、今年は再びその役割をになうことになったそうです。

その前に、と仕上げてもらったオーダーがネットにアップされました!

 

ピアスの入荷はかなり久しぶりです。

ブレスレットも少し太めで一本でさらっと着けられるようなサイズになっています。

カルヴィンが、「ジュエリーができた後に家の中にある祭壇で作品をとおして人々に幸せが訪れるように祈りを捧げる」というのはご存知の方も多いと思います。

「祈り」をとても大事にするネイティブアメリカンの人々の中でも、カルヴィンロバトはいつも、世界の人々の平和と幸せを願いジュエリーを届けています。

カルヴィン自身も家族を何人かコロナで無くしていて、部族の中心として祈りを世界に届けることの重要性を私にも語ってくれました。「過去を振り返らず、前に向かっていつも笑顔でこれからの未来に向かって祈る」といつもカルヴィンは言っています。つれない顔をしていると、つれない未来しかやってこない。いつも楽しく笑顔でいれば楽しいことがやってくる、そう言っていつも冗談を言い笑わせてくれるカルヴィンのジュエリーは、本当にジュエリーを着けると心が落ち着くような、幸せがやってくるような気がします。

着けていると思わずずっと触っていたくなるヒシの滑らかさや、体温になじんで暖かくなってくる石の温度も理由かもしれません。