引き続き人気のネックレス

こちらニューメキシコ州、今朝はマイナス3度、昨日は初雪が降りました。

例年寒さ自慢になってますが、今年は「夏の間多かったから寒い冬になる」と多くの人が言っています。そこに根拠はないみたいですが、ネイティブアメリカンの間ではそういう風に言われているそうです。

早くも雪が降り、薪を売る人が増え、今月末のハロウィンを飛び越えてすでに店頭ではクリスマスデコレーションが始まっていて、パンデミック禍から少しずつ回復しているアメリカではクリスマスの商戦がすでに開始しています。

今日は再びたくさんのジュエリーを送り出しました。

この頃メンズもレディースも限らずネックレスが人気です。もちろんペンダントにチェーンでネックレスにするというのも定番ですが、インディアンジュエリーのネックレスはやはりインパクトがあって、これからの季節に一本着けるのに重宝します。

ハーマンスミスのネックカフ。見ているだけではわかりにくいですが、着けてみるととても首周りにしっくりきて、病みつきになる作品。

最近は大きいものや細かい作品を作る人がどんどん減る中、「昔はあったけど今は全然見ない」という作品をもう一度作ることも伝統工芸を守る使命であったりします。

こちらもその一つ。

大振りのコンチョネックレス。アメリカではこういう作品をつけていると、「ステキだね」と地元のスーパーのレジのおばちゃんとかに声をかけられます。

大振りだけど、重すぎないのがポイント。シルバーの厚みをどのぐらいにするか、デザインをどうするか、石をどれにするか、全てアーティストと相談しながら出来上がった作品です。

 

Zuniのニードルポイント、クラスター作品は顕著に少なくなっているアイテムの一つ。作っている人のほとんどが、おばあちゃん世代。

アメリカではすでにどんどんと価格が高騰していますので、日本にある作品の方が安いんじゃないかと思うものもたくさんあります。

いつでもあるように見えますが、全てが一点もので「財産としてのジュエリー」だということを時代が変わっていく中で改めて感じることができます。

 

こういったターコイズのシンプルなネックレスというのも敢えて作らないとないという今。こちらは今まで見向きもされなかった緑色のスリーピングビューティのナゲットだけを集めて作ったもの。スリーピングビューティはもう閉山していますので、「安くていつでもある」というイメージのスリーピングビューティの姿はもうアメリカにはありません。

 

メンズにもネックレスは人気です。ナジャ、ハンドメイドビーズのもの、一本でネイティブ感、ビンテージ感の出るロングネックレスなど、夏の間は短めにつけていた方は一本長めのネックレスを試してみることをお勧めします。

最近の買い付け裏話

こちらNM州は連日雨が降っています。急激に寒くなってきて、明日から10月というのをしっかりと肌でも実感できるような気候。

コロナと共生しながらもジュエリーを見に来られるお客様も増え、アーティストも少しずつペースを取り戻しつつありますが、やはりインレイやニードルポイント、クラスターなどの手の込んだジュエリーの作り手はみるみると減ったなと思います。

お店やネットショップに到着する商品のほとんどにどうして買うことになったかというストーリーがあるわけですが、売れるだろうというよりもパンデミック禍でのアーティストとの付き合いの中で買う流れになったという作品もたくさんあります。

こちらは先日、ダレルキャドマンが持ってきたリングたち。

こんな風にサイズを表記してることに感心して思わず写真を撮りましたが、これはこれからハンティング(狩り)に行くための資金稼ぎとして急いで仕上げる!と持ってきたもの。オーダーではないのですが、このリングはとても人気があるのでよしとしました。狩りでエルク(大鹿)がとれたらエルクのジャーキーも持ってきてあげるというおまけ付きです。

先週も弓での狩りに行ってきたところでしたが、残念ながら仕留めることはできなかったそうです。来月は銃を使った狩りのライセンスが取れたということで(こちらは抽選です)来月も半分ぐらいは家にいないそうです。

出来上がりはこの作品になります。

シルバーのものが人気なのでシルバーばかりオーダーしてしまうのですが、「たまには石付きももっと作りたい」とダレル自身が言っていたので、石付きのスタイルもオーダーしようかと思っています。

同じくハンティングシーズンになると、そのために作品を作るアーティストはこちら。

大体いつでもハンティング用の服を着ているハーマンスミス。

伝統的な弓矢を使ったハンティングをするハーマンスミス。そう考えるとハーマンが作っているこれらの作品の見方が変わってきますよね。

ハーマンの家に行くと、いつも奥さんがエルクで作ったシチューを出してくれます。(というかいつもリクエストしてます。)

冬の間の食べ物を確保するための狩り。そのためのジュエリー作りです。

 

そして最後はベラタワホングバ。

一つ一つのカットの細かさは、個人的にはホピのオーバーレイアーティストの中でNo. 1だと思っています。その分お値段は高いけれど、同じものは二つはなく、全てフリーハンドでカッティングされているその技術と込められている祈りにお金を払っているという感じ。

モチーフは本当に独特だけれど、それこそがホピの伝統であり、家族とは全てホピ語で会話してカチナのモチーフや伝統的なモチーフを刻み続ける姿はいつも圧巻ささせられています。

一体ずつ違うフルートプレーヤー。絵を描くようにカットされた作品たち。

ベラは今年の春、持病から片足を切断せざるを得なくなってしまいました。急なことでベラ自身も今でも車椅子生活に体を慣れさせているところ。ジュエリーをカットする集中力と手の力も一時期なくて、次にいつ作れるかわからないという状況でしたがここ最近はまたジュエリーを作り始めています。

状況の変化でメンタルバランスを崩し全てに気力がなさそうだったベラ。それでなくても数少ないホピアーティスト、優秀なアーティストは一人欠けたらとてもとても残念なのでずっと励まし続け、家族の支えでなんとかジュエリーを作っています。

ホピの儀式も、現在少人数制で行われているそうです。

みんなで回して使うパイプも、一回一回消毒して使うとか。それでも儀式を行わなければいけない理由は、人々の幸せを祈りたいからだそうです。