ナバホ族の話。

本格的な夏に突入したニューメキシコ。
本日はナバホ族についてのお話。
 ナバホ族は母系社会で、昔から女性がラグを織り放牧をして家庭を支えてきました。かつての男性の仕事は、トウモロコシの粉引きと略奪だったそうで、社会的役割が薄かったためアルコール中毒になる男性も多かったとか。
 もちろん現在は企業が進出してきているので、自動車工場など会社で働いたりジュエリーを作ったりして、男性も働いている家庭がほとんどです。
色々なスタイルのジュエリーと手織りで作られるラグが有名です。
侵略者に自分たちの土地を奪われたりする争いの耐えない歴史を生きてきたからか、ナバホ族はどの部族よりもお金を稼ぐということには長けています。依然としてアルコール中毒者の数はナバホ政府の大きな問題ですが、一方商売熱心でよく働く人も多いです。
ナバホ族にはカチナはなく、代わりに「Yei(イェイ)」と呼ばれるカチナのような存在があります。イェイとはナバホ語で「神」という意味です。病気などを取り除くために、冬の間ホーガンでは頻繁にイェイビチェイ(女性の神)セレモニーが行われています。
こちらは、ジュエリーにされたイェイ。

現在はキリスト教信者も増え、伝統的な文化を信じる人とそうでない人に大きく分かれてきていますが、リザベーションではナバホの伝統はまだまだ守り続けられています。
ナバホ族は、独自のナバホ語を話します。
第二次世界大戦の時には真珠湾攻撃の時にナバホ語が暗号として使われ、日本に大きな打撃を与えたそうです。その時に暗号を話していたナバホの人々はコードトーカーとして、今でも人々からたたえられています。
ナバホ語は文字を持たないため、今でもほとんど文字としては使われる事がなく、会話だけで使われる事がほとんどです。
現在はテレビや新聞などほとんどの生活は英語が占めているため、ナバホ語を話さない家庭環境で育つ子供も多く、なんとなくは分かる・・・という程度の人たちも増えてきています。
ナバホは、氏族システムによって成り立っています。日本で言う、家系のようなものでしょうか。20の氏族があり、それぞれナバホ語で名前がついています。
氏族は母方のものを受け継ぐのが慣わしで、同じ氏族は家族なので基本的に結婚できないそうです。
他にも、様々な決まり、タブー、伝統があり、外部に漏らしていけない事もたくさんあり、日本人では立ち入る事のできない、知る事のできない事も多いですが、日本の伝統文化同様、ナバホ族も非常に興味深い文化を継承しています。