岩に残された神話

先日ホピ村を訪ねました。
ホピ村は3つのメサと呼ばれるテーブル状の台地で分かれており、それぞれのメサは集落になっています。ホピ村は今でもそんなに近代化されておらず、お店も数える程しかありません。
村人達は日用品などの用を足す為、近くの街に出る必要があります。
もちろん、チェーン店の看板なんかもなく、乾いた台地と土色の家々をみていると、時間の流れをゆっくりと感じます。ホピの空気は非常にドライで、風によって枯れた木の枝が西部劇のように丸まって道を転がっています。
今回私達は、数件のトレーディングポストがあるセカンドメサを訪れました。
途中、観光客も休憩できるカルチャーセンタでジェラルド・ラバベンテマと待ち合わせをしました。
カルチャーセンターでは伝統的なシチューなどインディアンフードが頂けます。
同じフライブレッドでも、ホピのものは柔らかく、かすかに甘いのが特徴です。
ランチをした後、ジェラルドの計らいで“デワパーク”に行く事ができました。
ここは国立公園というわけではありませんが、はっきりとしたペトログリフの残る公園です。
ホピの人達はこの場所をとても大事にしており、道路に行き先案内もなければ、観光客はホピの人のガイドがなければ行ってはいけない場所になっています。
壁には無数のペトログリフが残っていました。ここデワパークならではの、ホピらしい“ホピの神話”に出てくるモチーフがみれたりします。
本来こげ茶色の岩壁らしいのですが、すっかり風化してほとんどが変色して薄くなってしまっていました。しかし、今でもこんなにはっきりと確認できます。

南西部では無数の国立公園があり、そこでペトログリフを見ることができます。しかし、柵っで保護されており、こんなにに間近でみるのは始めてです。
紙や筆を持たない古代のインディアン達が残した物語を、今もこうして触れる事ができるという事にとても感心しました。
そしてジュエリーやカチナによって表された物語が単なる作り話ではなく、代々受け継がれた神話なんだと感じました。