朝晩がだいぶ冷え込むようになってきたニューメキシコです。
昼間の日差しは相変わらず強いものの、朝晩はすっかり暖房のお世話になっております。
ネイティブ達はそんな中半袖で頑張っています。
さて、本日ご紹介しますのは、こちら!
サンシャイン・リーブスのリバーシブルペンダントです!
気分に合わせて石の面を表にしてつけたり、逆にスタンプ面を表にして頂けます。
ゴロっとしたフォルムがなんともにくい雰囲気です。
こちら使用している石は“一生もの”として長くご愛顧頂ける希少ターコイズ、『ローンマウンテン』です。石は小さめながら、存在感があります。他には、人気のナンバーエイトでもご用意しております。
ペンダントの大きさも、500円玉程の大きめなものから、5円玉程の小ぶりまでありますので、お好みでどうぞ!男女問わないデザインになっておりますので、カップルで持つのもお勧めです。
チェーンに通すのもいいですが、形が面白いので革紐なんかに通すのもかっこいいです!是非お試しください、カジュアルでつけやすいですよ☆
また、こちらもチラッとご紹介!
さりげないお洒落キーホルダーとマネークリップも入荷しています。
さて、あちこちのオーダーに追われて忙しそうなサンシャインですが、最近ではインディアンマーケットに夫婦揃って参加していました。
あまりオールドスタイルの受けない白人の方向けのマーケットでしたが、彼のブースには人が集まっていました。サンシャインの迫力のあるスタンプのせいでしょう!
そんな彼の普段の生活はというと、まだ小さい息子とテレビゲームのwinで遊ぶ良きパパでもあります。息子とお揃いのマリオのTシャツを着ている姿をみると、思わず微笑んでしまいます。
友達も多く、誰にでもまっすぐで大らかな彼の性格は“サンシャイン”という名前がよく似合います。
数々のショーの受賞歴もある、凄腕スタンプワークを是非ご覧ください!
サンシャインのページはこちらから→クッリク
月別: 2009年9月
クラシックな品格を持つジュエリー
本日ご紹介するのはこちらの作品のアーティスト…
スティーブ・アルビソです!
日本ではまだまだ無名なスティーブですが、彼の人気に火がつくのも時間の問題でしょう。
今後、彼自身もシルバースミスとして精力的に活動していく予定で、来年はあちこちのショーに出没するそうです。
社交的で気遣いのできる彼の周りには多くの人望があり、石のコレクターが彼の人柄とジュエリーに魅せられて個人のジュエリーを注文する事も多々あります。
スティーブのジュエリーは最小限の装飾で石を最大限に引きたたせるところが魅力です。日本の禅の美意識に似ているかもしれませんね。足し算ではなく、引き算の美なのです。
“クラシック”という言葉にこだわるスティーブ。
ジュエリー然り、シャツはお決まりのカーボーイブランド、コーラはぺ○シ、厳選した自分スタイルというのを大切にしています。何に対しても誠実である、彼から受けるのはそんな印象です。
そんなスティーブですが、ジュエリー製作は1987年から始めました。
若い頃はカーボーイの新聞の編集長をしていたそうです。仕事でアメリカ、カナダ、あちこちを渡り歩きましたが、行き着いたところは自分のルーツであるナバホのホームでした。
そこでジュエリー製作を始めたわけです。
やるなら一流に、言わずと知れたオールスタイルの巨匠Harry Morgan氏に習いました。
といっても簡単には教えない職人気質のハリー氏。
口説いた末、『作り方は教えないけど、見て覚えなさい。』と言われたそうです。
そこで学んだ事を元にハリー氏のスタイルと自分のスタイルを融合させた現在のジュエリーが出来上がったわけです。結果、スティーブはハリーモーガン、唯一の継承者になりました。
いろんなアーティストの作品に触れる機会がありますが、彼ほど無名であっても自信を持って薦められるアーティストはいません。確かな価値がそこにはあるからです。
シルバーの重厚感と質感、色までもがすべて計算され、美しいです。
是非お手にとってご覧ください!マライカ一押しアーティストです。
余談ですが、スティーブはペリーショーティと同じ地元であり、高校が一緒だったそうです。
またサンシャイン・リーブスとも大変仲がいいです。類は友を呼ぶといいますが、通じるところがあるんですね。
普段は馬が大好きなカーボーイ、その彼が『巨匠』と呼ばれる日は遠くないでしょう。
マライカでは今後グレードの高い石で彼の作品を続々展開していきます!どうぞお楽しみに☆
当店で扱うスティーブアルビソジュエリーはマライカの為だけにデザインしてくれた限定品になります!!
セージとネイティブアメリカン
ニューメキシコもだいぶ日が短くなり、朝晩冷え込むようになってきました。
日本同様、秋めいてきた感じです。
季節の変わり目という事もあって、最近はサンダーストームの日が多いです。
↑空からインクを垂れ流したように見えるところでは、雨が降っています。
ここニューメキシコやアリゾナでは、カルフォルニアのホワイトセージとはちょっと違いますが、こぶりのブルーセージが荒野一面に生えています。
雨が降るとこの生い茂ったセージが雨と一緒に水蒸気となって蒸発し、あたり一面が強いセージの香りに包まれます。雨の匂いと混ざったセージの香りはとてもやさしく、癒されます。
セージはネイティブアメリカンの人にとって、重要な植物になります。
時に治療に、時に煎じてお茶に(ガンに効果があるそうです)、また儀式の際のお清めとして用いられてきました。
ネイティブの民間療法として、風邪を引いたときに水で煮出して、それをタオルに染み込ませ吸引するという方法があります。ミントのような清涼効果があるそうです。
日本でもホワイトセージでだいぶ一般的になってきたスマッジングという方法。
セージを燃やす事によって、その煙りで空間とオーラをスリーンにし、かつクリアにするそうです。
ナバホでは煮出したり、手ですりつぶして匂いを嗅ぐのが一般的ですが、ホピではこのようなスマッジングに用いられるそうです。日本でいう、神社の線香のような感じでしょうか。ホピのトレーディングポストでは紐で束にしたセージが売られているを見かけます。
セージは砂漠地帯の乾いた大地でも葉を伸ばし、厳しい冬の寒さの中でも枯れる事がなく、雪に埋もれても春には元気な姿を再び現します。そのたくましいさからも、ネイティブの人々はセージを“シークレットプラント”と呼んでいます。
現在もセージはネイティブ・アメリカンにとって神聖な存在であり、命にパワーをくれるものとして大事にされています。
Darrell Cadman宅!
本日はダレル・キャドマンのお宅を訪問してメイキングを見せてもらいました。
ダレルと言えば日本でも有名なゲーリーリーブスやサンシャインの兄弟ですが、彼の作品は兄弟の中でも一際丁寧な作りで、同じスタンプワークであっても一目見ただけで彼の作品だとわかります。
正確なカッティングに、ズレのないスタンプワークは見ていて秀逸な作品でだと感じます。
そんな彼の最新作はこちら!
こちらキャンデラリアの鮮やかなブルーがマッチしています!!
確かな技術とその多彩なセンスから、いつも世界中からのオーダーに追われ忙しそうです。
オーダーが多かろうと、1個ずつ丁寧に仕上げるのは彼のシルバースミスとしての誇りでもあるようです。
本日彼には“バンプアウト”という裏からスタンプを打ち上げて表に模様を浮き上がらせる技法をみせてもらいました。今主流になっているスタイルから、昔ながらのオールドスタイルまで見せてもらいました。
なにが違うかというと、現在のやり方は鉄の型で上下はさみ打ちにして力強く模様を叩き出すのが主流のようです。
そして昔ながらやり方というのは、パターンをひいてそれに添って幾つものスタンプで一つの模様を浮き上がらせるものだそうです。
オールドスタイルは手間がかかる分、一回ずつ同じ模様でも打ち出された表情が違いますし、味わいがあると感じました。
こちらがそのオールドスタイルでバンプアウトされたものです。
このレポートは後ほどホームページに詳しくアップしますのでお楽しみに☆
ジョークの好きなダレルは冗談交じりにとても親切に教えてくれました。
面白かったのが、シルバースミスでもある父アンダーソン・キャドマンが同じく横でジュエリー製作をしているのですが、ダレルがバンプアウトの合図をだすとおもむろに専用の耳栓をするのです。
その光景が不自然なのに、二人にとってはごく自然なのが笑えました。
二人の仲の良さもまた居心地が良かったです。
ナバホとラグ
先日ナバホのアーティスト、アーノルドグッドラックのお宅にお邪魔しました。
彼の家には大きな牧場があり、ローピングの常連でもあるアーノルドが乗馬を教えてくれるというのです。
元々スペイン人がアメリカの地に持ち込んだをされる馬や牛や羊ですが、狩猟民族のナバホ族とは深い繋がりがあるようです。ズニやホピではすっかり見かけなくなった馬ですが、ナバホの居留地では今も別に大切に飼われています。
さて、乗馬が終わりお待ちかねのデイナーになりました。
アーノルドの家では料理上手な奥さんがいつもフライブレッドやナバホシチューなど伝統的な料理をご馳走してくれます。この日のメニューはマトン(子羊)のシチューでした!
夕食をとりながら、お互いの文化の違いについて話をしているうちに、すっかり話はラグになりました。
先週のインディアンマーケットにてサンシャイン・リーブスの奥さんもラグを出展していましたが、ナバホの女性にとっては編み物の様に、一つの趣味のようです。せっかくなので、アーノルドの奥さんに今製作中という織りかけのラグを見せてもらいました。
1、羊の毛から毛糸玉を作る
このような道具を使って、羊の毛を伸ばして紙縒りながら糸状にします。
こうする事で糸がとても丈夫になるんだとか。
2、毛糸を自然の染料で染める
居留地には様々な植物が生えています。その自然の色を煮出して毛糸を染めます。
3、織る
縦にピンと張った糸に毛糸を編みこみ、“ヘラ”と“くし”を使って間を積めながら模様を織り出します。
このヘラとくしは曾祖母から受け継がれたものだそうです。
年期が入っていますね!!
ラグとナバホ族には深い歴史があります。
元々綿で織物をしていたナバホですが、織物は酋長が雨乞いの儀式で厳しい自然から身を守るものとして使われてきました。
それが19世紀に入ると、ヨーロッパ系の白人に人気が出て、白人向けのラグへと姿をかえました。それに向け、綿から羊の毛に移り変わったのもこの頃です。
ですが、人気に押され生産されたラグは次第に質より量になってしましました。そこで活躍したのがトレーディングポストを営む白人達でした。
彼らは東洋の優れた技術を融合させたり、オリジナルのパターンを編み出したり、PR活動をするなどして、一度廃れてしまったラグの再び命を取り戻しました。
今日では時間がかかる為、日常で織る人はだいぶ減ってきましたが、今でもショーなどでは素晴らしいラグを見かけます。そして、子供達も織り方を親から引き継いでいるそうです。
アーノルドの奥さんのラグ、1m×1m半の大きさですが、完成は一ヶ月後だそうです。
出来上がりが楽しみです!
ズニのストーリー
先日ズニで大きなパレードがあったので、遊びに行ってきました。
道路を封鎖してカチナに扮した村人がいくつかのグループに分かれて各々のダンスをしていました。
カメラ撮影OKで一般公開されたものだったので、本来のカチナダンスとは違いますが、装いは本格的で充分に楽しめました。
こちらがその様子!各グループ、トロフィーを狙って一生懸命です。
さて、せっかくズニを訪れたので、ズニの友人に会ってズニの歴史について少し勉強しました。
本格的に話せば10何時間にも及ぶズニの歴史、冬の寒い時期のみ話す事が許されているそうです。おそらくそれは春夏秋はそれぞれ農作業などやる事が多く、また冬の間は寒さが厳しく室内にこもり、時間があるかららしいのですが、一言、冬以外に話すのはアンラッキーを呼ぶとされています。
今回は入門編として非常に簡単に、分かりやすく説明してもらいました。
元々ズニの祖先は4つのあるといわれる世界の最も暗い世界で暮らしていました。
それが、”ファーザーサン”の導きによって、地中深くから、幾つもの世界を通って光のある世界を目指し、たどりついたそうです。
やがて光のある世界でズニの人々は大きく3つのグループに別れました。それぞれ別の方角に向かって、一つはメディスンを学びぶ為に、もう二つは手にした恵み(黒い鳥とカラフルな鳥)の導く方向へと歩みだしました。そこで各々の文化を育くんだそうです。
現在もそのストーリーの語るとおり、アメリカにはズニの人々が辿った跡が各地に残っています。
また、ズニ村は乾いたニューメキシコの大地にありながら、今も豊かな泉がいくつかあり、人々の飲み水、そして生活用水として生活を支えています。その泉にもストーリーがあります。モチーフでお馴染みの蛙やおたまじゃくしは、3つに分かれたうちの一つのグループの子供達なんだそうです。泉を渡ろうとした母の手をすり抜けた子供達が、泉で遊んでいるうちにそれぞれいろんな生き物に変化したものだと信じられています。
こちらはズニの豊かな水源でもある湖です↓
また、世界の中心を求め分かれたグループが再会した時に、クラウン(氏族)がファミリーごとに名づけられたり、キバと呼ばれるグループが登場しました。
キバにはそれぞれの教えがあり、現在も厳しいシークレットに守られ、存在しています。ズニの人でも簡単に立ち入る事の出来ない領域であり、キバの存在するオールドタウンは今も言語はズニ語のみで、それ以外の言語で話す事を禁止されています。
このような話は私たちにとって、とても興味深いものでした。
なぜ、Don Dewaの作品のようにサンフェイスがインレイのモチーフに使われているのか、そしてこの乾いた大地なのになぜ蛙やおたまじゃくしのモチーフが存在するのか、いままで抱いていた疑問が、ほんの一部ですが、ズニのストーリーを聞くことによって理解できたのは貴重な時間でした。
ズニでは、学校の教育の中にズニの歴史を学ぶ時間があるそうです。そこで子供達は自分のルーツを理解したり、伝統的なポタリー作りを学んだりしているそうです。