これはココペリ?それとも…

先日ホピ族ケビン・タカラが彼女と事務所に来てくれました。
小さい事は気にしないケビンに対し、しっかりものの彼女がいつも細かい所をケアしてくれます。いつも笑いの絶えない幸せそうな二人です。
ジェーソン・タカラを兄に持つケビンはファミリーの中で末っ子になります。シルバーメイキングは兄からではなく(職人気質のジェーソンは簡単には教えないそうです!)、ジェラルド・ロマベンテマらと一緒に学校で習ったそうです。なのでジェラルドとも仲がよく、またチャールストン・ルイスとも彼を“チャーリーブラウン”という愛称で呼ぶほど仲良しです。
いつもは控えめなケビンですが、スイッチが入ると手振り身振りで話しだすのが面白いです。飾らない性格がとても魅力的な人です。
この日はホピのパン“ピキ”を持ってきてくれました。
彼自身もピキが焼けるんです!(熱した鉄板に手で生地を伸ばすため、最近では作り手が減っています。)

本日は“ココペリ”について興味深い話を聞いたのでご紹介します。
さて、こちらのモチーフなんでしょう??

ココペリ?!日本ではこのラッパを吹く精霊は一般的に豊作を願う“ココペリ”として浸透していますよね。こちらのお土産さんでもこのモチーフのグッズはココペリとして売られています。
ですが、ケビンが言うに“フルートプレイヤー”なんだそうです!!!
ホピにはたくさんのフルートプレイヤーがおり、ケビンもその一人です。
バンブーのような素材からできたフルートをセレモニーの際に吹くそうです。
ケビンの作品で比べてみましょう。
右がココペリで、左がフルートプレイヤーです。

さて、では“ココペリ”と“フルートプレイヤー”はなにが違うのしょうか?
●ココペリとは
子供の成長や植物の成長を祈る、スピリットである。
首には黒と白の首飾りをしており、これは雲を象徴している。
ココペリの季節は冬である。
手には種の入った袋と植物の茎を持っている。
●フルートプレイヤーとは
収穫と雨を祈るヒューマンである。
フルートプレイヤーの季節は秋である。
手にはフルートを持っている。
目からウロコの事実ですね!
個人的には以前何かで知った“ココペリは笛を吹きながら豊作を祈る”っていう話の方が好きなんですが…。
部族によって、また村によってストーリーは違ったりするので、『笛を持ってるのはココペリではない!』とは一概にはいえませんがおもしろい一説だったのでご紹介しました。
ココペリの存在を思わず信じてしまいたくなる、インディアンの聖地グランドキャニオンからの眺めです↓