やっぱりホピの話はつきません…②

前回はRubenのジュエリーの特徴についてお話しましたが、
今日はホピのジュエリーによく見られる〝メイズ〟についてのお話です!

Jason Takala作 260000円
メイズ(迷路)はホピの人生哲学を表しています。
上部に描かれているのは〝ヒューマン〟であり、中央の〝グッドライフ〟を目指し人はチャレンジし人生を歩んで行くというもの。そして一つずつの選択にはちゃんと答えが用意されていて、メイズの中央はその選択よってたどり着いた結果を表しているというものです。
これもなかなか〝おぉー!〟という話なのですが、Ruben Saufkie曰く、実はメイズには裏ストーリーがあるんだとか。
これからお話しするのはピマ族に伝わるメイズの解釈らしいです。
上部に描かれているのは〝Itoi(イトーイ)〟というメディスンマンで、この人がメイズを創造したのだとか。
このメディスンマンはとても力があった為、悪魔たちはこのメディスンマンを殺そうとしたそうです。
ですが一度この迷路に入ってしまうと迷い、イトーイのいる中央には辿りつけず、外に出る事も出来ず、その内に我を失った悪魔は自滅してしまうそうです。
どんな時にも我を失ってはいけないという事ですね。。
そしてこの裏ストーリーが実はメイズのオリジナルストーリーらしいのです。
日常の中で怒ったりネガティブに感じてしまう出来事はどうしてもありますが、
〝いい事も悪い事もすべてに感謝すればネガティブな感情は消える〟とルーベンはいいます。例え嫌な事をした人にも『ありがとう反面教師になってくれて…』と発想の転換をするんだとか。なんて仏のような人、ルーベン!!!!!
なかなかルーベンの様にはできないですが、このルーベン式ホピの信仰、結構習得したらHopi(Happy)になれるかもです。
メイズの作品はこちらから→★★★

やっぱりホピの話はつきません…①

しばらくぶりです、ご無沙汰です!
最近パタパタとあちこち仕入れをしてまして…
〝あちこち〟の一つ…HOPI★

Hってところが梯子なのが可愛い!と思わずパチリ。
この梯子、儀式を行うキバという建物に立て掛けられている梯子をイメージしたもの。
久々のHOPI村訪問なのでRuben Saufkieの工房にお邪魔しました。
作ってる姿は真剣そのもの、まさに職人の顔です。

ルーベンのジュエリーには一つ一つに彼の哲学や、祈りが込められています。
また、ホピの教えが表現されており、ストーリーに沿って伝統的なモチーフが組み合わされているので、ホピのジュエリーでよく使われるモチーフですがどこかユニークです。
↓ロングヘアとコーンが合わさったデザイン。ロングヘアが雨をもたらし、コーンが実るというストーリーです。
45000円
さらに…
彼の作品と言えば上面のシルバーがトゥーファキャストで作ったシルバープレートを使っているという事!
※トゥーファキャスト…石の型に溶かしたシルバーを流して作る製法
39000円

通常こうした質感はキャトルフィッシュ(巨大コウイカ)の甲のざらざらした面を使って作るのですが、
ルーベンのはすべて手掘りなんです!!!
これはホピのトップアーティストRoy Talahaftewaに習ったのだとか!

さらにさらに…
この〝マデリング〟と呼ばれる下面のシルバーに入れる線にもこだわりが!
この線入れはスタンプするのが通常ですが、ルーベンの場合は彫刻刀のような工具を使って一線一線刻み込んでいます。
スタンプを使うとスタンプの幅の入るところまでしか模様を入れられないので、この彫刻刀を使うのだとか。
左が通常使われるスタンプ、右がルーベンの彫刻刀

なんとなしに感じる重厚感、こうしたちょっとしたこだわりで全然見栄えが違ってくるんですね。
彼の作品はジュエリーというより、まさにアート!
シルバーだけで魅せるホピのジュエリーはシンプルにみえて実は奥が深い!
ルーベンの作品をもっとご覧になりたい方はこちらから→★★★
つづく…

やっぱり話題はHeard Museum Show!

ハードミュージアムも終わってひと段落…
といかないアーティスト達。ショーでのオーダーや家へバイヤー訪問が続いたりと、それぞれまだ急がしそうです。
『一個も売れなかった!』なんてアーティストが20人近くいたようですが、マライカ御馴染みのアーティストさん達はぼちぼち売れたようです。
いろんなブログで既にショーの様子載ってますが、一応マライカでもみんなのいい顔が撮れたのでご紹介!(乗り遅れた…!)
今回のニュースと言えば、Cadmanブラザーズの真ん中Donovanがショーデビューしました★*
最近トンボのBoxやら、新しい挑戦しているなー、なんて思っていたのですが、Gary,Sunshineに続いて!
やはり昨年のGallupの祭典セレモニアルで受賞したのもあって今ノッているのかもしれませんね。

そして。若手新鋭作家、Philander Begayもナバホ族に伝わるストーリーを元にしたベルトで見事受賞!!
もう買い手は決まっているようなんですが、まさにMaster pieceと言える作品です。ため息。。

そしてエスニック好きのマライカのお客様に一押しのMary L Tafoyaも受賞しました!!
マリーさんは写真を見ての通りの“ほんわか”した雰囲気がステキ。癒されます。受賞作品がふくろうってところも彼女らしい!

あとは…ダダッとご紹介
現金を落とすというハプニングに見舞われシュンとしていたSunshine

きれいな奥さんと娘さんと来ていたErnie Lister!

一球入魂!!ネックレス一個にすべてつぎ込んだLyndon Tsosie.
ぎりぎりまで細かいところを修正していたらしく、コンテストにエントリーしなかったのが非常にもったいない大作でした!!

相変わらず仲良しJoe&Angie Reano夫妻。
『孫がかわいくて…』ご近所のおばちゃんのような会話。

他にもCalvin Lovato夫妻、Norbert PeshlakaiSteve Arvisoなどたくさんのアーティストが参加していました。
会場ではジュエリー以外にインディアンアートと呼ばれる壷、絵画、ラグ、カチナなどいろんなアートが並んでいます。
中にはそのデモンストレーションを披露しているブースもあったりして。
サンドペイント作成中

若い男の子には珍しくラグ作家。通常は中高年の女性が織る事がほとんどです。

そんなこんなでハードミュージアムを満喫しました。
お天気もよく、屋外の開放的な空間の中で気持ちのいい出張でした。
戦利品も一部ご紹介。

新たな作家も何人か発掘しましたので楽しみに待っていてください!!