サントドミンゴの巨匠Martin Lovato

今日はニューメキシコ州にあるプエブロの一つ、サントドミンゴ族の大御所、Martin Lovatoについてご紹介します。
マルティンロバトは1948年生まれ、現在65歳のベテランジュエラーです。
90年代から、ジュエリーショーでは様々な賞を受賞しています。
風格も、まさに大御所と言った感じ。
米軍兵士としてのキャリアの後、自分のルーツであるサントドミンゴに戻ってきて、ジュエリー製作を開始、翌年にはすでに賞を受賞するという才能の持ち主です。
今では材料が限られていて高額なため、本当に作る人がいなくなったサントドミンゴで伝統的に作られているジャックラススタイルのネックレス。

宗教儀式の時の正装には欠かせないものです。
実は、伝統的なジャックラスはこの下の部分(この部分を本当はジャックラスと呼ぶんだそう)は、ナイロンコードで結ぶようになっているので取り外しができるようになっていて、
それをチョーカースタイルのネックレスとして作りはじめたのが、マルティンなんだそうです。

それを見て、ジャックラスをバラし、ネックレスとチョーカーとして販売するトレーダーが増えたんだとか。
チョーカースタイルのデザインはもちろんですが、ヒシ部分の細かさにも非常に頭が下がります。個人的にも、合わせやすく大好きなスタイルです。
そしてマルティンお得意のこのスタイル、これも彼のオリジナルデザイン。

「ファン」と呼ぶこのデザインは、まさに日本の扇子を思い出させます。
均一なシェルのカットはもちろん、素材選び、磨きにもこだわりが感じられる非常に繊細なジュエリーです。
繊細な仕事から作られるアートな作品の中にも、伝統的な素朴感が見られるのが、さすが巨匠の職人技だと思います。
ターコイズの細かいカット、コードの美しい編み方、全てにおいて手を抜かないところにうっとりする作品ばかり。
そんな巨匠の風格を漂わせながらも、話すとすぐに家に案内してくれる気さくさがまた素敵なアーティストです。