さてさて、前回の説明は少し参考になったでしょうか??
文章だけではなかなか分かりにくいとは思いますが、もう少し説明を付けくわえてみます。
①「ゲージ」
シルバーの厚みを示す単位。アーティストの皆さんは、元になるシルバーを購入するときに16ゲージや24ゲージなど厚みを指定して購入します。
数字が大きくなるほど、シルバーの厚みが薄くなります。
0~30ほどまでゲージがあり、厚ければ厚いほど値段ももちろん高くなります。
人によってまちまちですが、石台の部分は28ゲージぐらい、スタンプを施すときは16ゲージぐらいを使います。
よく言うヘビーゲージとは、厚みのあるシルバーを使用したもの。
通常使っている作品につかうシルバーの厚みより、厚いゲージのシルバーを使用したときは、アーティスト達は「これはヘビーゲージだよー。」と言って作品を持ってきてくれます。
この前はJason Takalaがヘビーゲージを使ったためにリングを曲げたときにシルバーにヒビが入ってしまった・・・といっていました。ちなみにホピのオーバーレイはご存知の通りシルバーの二枚重ねです。
皆さんそれぞれの作風にあわせたシルバーを選んでいるので、作品をぜひ生で比べてみる事をオススメします!
②「ビーズ」「ドロップ」
シルバービーズは、丸いシルバーの玉が連なったもの、ドロップは一つのシルバーの玉のこと。
↑こちらは大きさの違うドロップを三つ使っています。
こういった細かいところに手間をかけた作品をみると、愛情こもってるなーとうれしくなりますね。
③「バンプアウト」
スタンプワークの中でも、スタンプを二つ使い、上部分と下部分でオスとメスと呼ばれる二つのセットになったスタンプを使うもののこと。間にシルバーを挟み、上からハンマーでたたいて模様を刻む。
こちらは上から押す方。見た目はスタンプと同じです。
はさんで模様を打ち出すので、裏から見ると良く分かります。
④「リポウズ」
スタンプやたがねを使い、シルバーの板自体に凹凸をつける作業。伝統的に昔から使われていた手法で手間がかかる。
力強く後ろからたたき出されたバングル。裏から何回か叩いて形を出していきます。
⑤「バチカン」
ペンダントの上のチェーンなどを通す部分。
バチカンにも、アーティストのこだわりが現れます。
⑥「アップリケ」
スタンプワークを施したシルバーを切り取り、ろう付けされた飾りのこと。
このサイドの細工。
人によってアップリケと言ったり、コンチョと言ったり、サイドワークと言ったり・・・色々言い方があります。
コンチョ型のものを作るには、こんな道具を使います。
小さいシルバーの塊を入れて、上から叩くとアポロチョコのようなコンチョ型になります。
というわけで、また思いついたら続きを書きたいと思います!
おまけ
ナバホのリザベーションにいた、ホーネット。日本語では、砂漠ツノトカゲだそうです。
たしかに、ツノみたいなものがありました。手のひらサイズ。
ガラガラヘビもよく見かける、昆虫の季節です。
月別: 2011年7月
「基本用語説明 作り方編①」
今日は、私たちがよくブログやオンラインショップの商品説明で使う、インディアンジュエリーの用語についてちょこっとご説明しようかと・・・。
自分たちでは当たり前と思っている用語も、実はかなりマニアックな単語だったりして、オンラインショップの説明など、これってどういう意味?と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今さら・・・な方もいらっしゃるかと思いますが、道具の写真なども載せてみますので少しでもジュエリーを選ぶ際の参考にしてください★
①「スタンプ」
先端が削られ、模様が彫られている、シルバーの板に模様を打ち込むための工具。
シルバーの板にあてがい、ハンマーでたたいて模様を刻んでいく。
スタンプの起源は鉄道や車などに使われていた金属を使ったことから始まります。
スタンプの模様や作りには作家のこだわりが現れます。既製品もたくさんありますが、自分で作るアーティストもいれば、あえて自分の車に使われていた金属を使ったりする人もいます。
↑スティーブアルビソのたくさんのスタンプ
「スタンプワーク」は、このスタンプの模様をシルバーにたたき出していく作業のこと。
②「たがね」
厳密には、鉄材の仕上げや切断に使うものだそうで、シルバーの形自体を整えるのに使う「のみ」のような道具。インゴッドシルバー(シルバーの塊)を切ったり、成形したりするのに使う。
すみませんこちら、道具の写真がありませんでした。
こちらはインゴッドシルバーと呼ばれる、形成前の銀の塊。
この材料がコインになると、コインシルバーと呼ばれます。
③「べゼル」
石枠のこと。ターコイズなどの石がセットされた周りの部分。シルバーの薄い板をセットする人もいれば、厚みのあるシルバーに細工をしてセットする人もいる。
↑石の周りにシンプルなベゼルをセットしています。
④「やすり(ファイル)」
成形や模様つけのために使う、金属でできた道具。
シルバーの端や丸みを出すためにつかうやすりと、べゼルの横などのギザギザのラインを出すための線が刻まれたやすりなどがある。
↑こちらはギザギザのタイプ。
ジェニファーカーティス、トーマスカーティスのジュエリーは仕上げのヤスリがけが特徴。
スタンプの周りをヤスリをかけ滑らかにする事でスタンプのもようを引き立たせています。
⑤「シャンク」
リングの足(指にあてがわれる部分)のこと。
⑥「ワイヤー」
インディアンジュエリーでは、通常シルバーを指して、ツイストワイヤー(2本のねじられたワイヤー)や、スクエアワイヤー(四角い形をしたワイヤー)などがある。
↑このくるくるした部分。この作品にはツイストワイヤーが使われています。
ただ一つのワイヤーですが、そのツイストワイヤーを作るにもこの太さじゃなきゃダメ!といったアーティストのこだわりがあったりします。
なんだか長くなりそうなので、続きはまた次回!
こういった細かい細工の違いをアーティストの作品で比べてみるのもなかなか楽しいですよ!
インレイ,石もの入荷してます。
天気の移り変わりの激しいこのごろ。
たくさんの雨が降って、ようやく緑があふれてきました。
「雨降って地固まる」と日本では言いますが、こちらでは「雨降って、地流れる」という表現が正しいような。砂ばかりの土地では、雨が降ったあと道に泥が流れ出し、車で走るととても汚いチョコレート色に染まっていきます(泣)
さて、もうすぐ8月に突入しますね!
夏に向けてネットショップのほうもガンガンアップ中。
買い逃しのないよう、新着情報をぜひチェックしてくださいね!
★Wilbet Manningの小さめインレイワーク。
誰にもまねできない色合いとカットの美しさ、デザインで多くのコレクターを魅了する大作の多いウィルバート、女性の方もちょこっとつけられるような小さめなアイテムをたくさん仕入れてみました。
こちらにたくさん掲載してます→→
★Tony&Ola Eliachoのインレイワーク
ターコイズの厚み、丸みが特徴的なインレイ。ほかにもネックレスが入荷しています!詳細はこちら→→
ナバホ族の鉱山ものターコイズを使った作品も多数入荷してます。
★ハリソンジム×ハイグレードターコイズ。
オールドスタイルだけど、きれいめで合わせやすいジュエリーを生み出すハリソンジム。
ハイグレードの石と美しいトゥファキャストの組み合わせの新しいシリーズ。
最近のハリソンジムは自転車にのり、リュックサックを背負い、帽子をかぶってキャンプにでも行ってきたようないでたちで最近あらわれます。天気がいいから!
美しい彼の作品、他にもこちらから→→
ドノバンキャドマンの石ものリングも大量入荷してます。
ナンバーエイト、フォックス、パイロットマウンテン、パイユート・・・・。
様々なターコイズ&デザインが勢ぞろい。
なかなかこんなにそろうことはないので一見の価値あり→→
夏に向けて、様々なところでターコイズ熱が上がっています!
アメリカでもいろいろなところでターコイズをつけている人を見かけます。
ぜひお気に入りを見つけてみてください!
続Wes Willie
先日書くのを忘れていましたが、3月に行われた大きなジュエリーショーで、Wes Willie氏は大作を作り、その作品が受賞していました。
それがこちら。
キャンデラリアターコイズを使った、レディース用ネックレス&バングルとメンズ用ボロタイとバングルのセット。
美しすぎます。
写真でお見せするだけで申し訳ありません!
ウェズウィリーの石へのこだわり、石のチョイスが分かって頂けるかと・・・。
そういえば、マライカでターコイズのラフも取り扱い始めています。
まだまだ種類は少ないですが、ラフでアメリカのターコイズをゲットできる機会はなかなかないので、ぜひ店頭でご覧になってみて下さいね。ジュエリーと一緒にディスプレーしてみるのも素敵です。
おまけ
モンスーンシーズンに突入しているニューメキシコでは、雲が色々な表情を見せてくれます。
新登場アーティスト!
こちらは日差しの強い日々が続いていますが、日本はものすごく蒸し暑いようですねー。
そんな暑さも吹き飛ばしてくれる、新しいアーティストのジュエリーが入荷しています。
Wes Willie
インディアンジュエリー通なら聞いたことのあるアーティストだと思います。
ナバホ族のインレイアーティスト、ウェズウィリーの最大の魅力は、ハイグレードの石!
ビズビー、キャンデラリア、ローンマウンテン、コーラル・・・。ハイグレードの石を惜しげもなく使う彼の作品は、多くのジュエリー本に掲載されています。
常に自分の目で石を選ぶため、絶対に硬い石しか使わないためウェズが選ぶのは必然的にハイグレードのものばかり。
そのデザインも数々の巨匠から影響を受けてオリジナルのスタイルを確立していて、一つ一つの作品にかける手間暇が感じられる、とても素晴らしい作品ばかりです。
贅沢なゴールド使い、ハイグレードストーンを惜しげもなく配置したジュエリー、あえて古い仕上げにしたデザイン・・・。
一つ一つがちがう表情をみせてくれるので、彼の作品にハマり集める方も多いようです。
お客さまの好みに合わせ、石のチョイスやデザインの考案もしてくれるのが、ウェズウィリーの素晴らしいところ。
日本ではビズビー、ローンマウンテン、キャンデラリアなど中でも青みのある石が人気・・・というのをすでにご存じなので、
それはそれはぐっとくるジュエリーを作ってくれます。その他、ペンダントやリングなども近日入荷予定!
↓こちらまだネット未掲載。ちらっとお見せします。
そしてもう一人の新登場アーティスト、
Berna and Anderson Koinva
ホピの夫婦なのですが、ホピ好きには一度ぜひ実物を手に取って頂きたい作品です。
オーバーレイの初期の伝統的なモチーフとデザインを貫いているお二人。
厚みのあるシルバーを使い、伝統的なデザインを刻んだシンプルなアイテムを作りつづけています。
ちょうどよく仕上げられた丸み、モチーフの中のエングレービングの細かさ、ずっしりとした重み、シンプルな中にも細かい職人技が光る、素晴らしい作品です。
伝統を貫くため、あえて小さい作品はあまり作らないとの事。オーバーレイ初期は、大きめのバングルにシンプルなデザインを刻んだものがメジャーだったからだとか。
本当に魂のこもったジュエリーです。
モンスーンシーズン真っただ中!!
熱すぎて、そしてドライが原因のアリゾナ州とニューメキシコ州の山火事。
ここ最近各部族では雨を祈るレインダンスが毎週末行われています。
人々の願いが届いてか連日の雷雨!
モンスーンシーズンの到来です。
道路に水が溢れかえり、行き交う車の水しぶきときたら…!
それでも傘もささずに歩いてる人もいるので驚きです。
まぁ、しばらく我慢すればね、乾くよね…っておいっ!
でも雷の音がする度に盛り上がるインディアンをみてると、なんだかこっちも嬉しくなってしまいます。
刺すような日差しと、思わず炭酸に手が出るドライさがその要因でもあり、
また農業をする人々にとっては大事な水源なんですね。
今年の畑は散々のようです。この恵みの雨で少しでも潤ってくれるといいのですが。。
さてさて、最近猛烈な勢いで新入荷をUPし続けています!
夏だし!勢いに乗ってみました♪
最近の新入荷の中でもおススメがこのブレスレット★
(失礼…ちょっとピンボケ)
こちらGARY REEVESの新作です。
人気のサンバーストのセンターデザインに加え、再度はバッファローの角をモチーフとしたカットデザインがされています。
幅も21mmとかなり着けやすいボリュームになっています。
ゲーリーと言えば、最近6歳くらいの男の子を連れてくる事がよくあって、
その子がまたなんともゲーリーJrと呼びたくなるようなちょっと悪ガキっぷり。
風船割ったりとイタズラばっかりでほんと可愛いんです。
シルバーワークも秋のデモストレーションに向けて精力的に頑張ってくれてます。
親日家(親日本食家?!)のゲーリーは久々の来日にかなり喜んでるご様子。
皆さんもぜひデモストレーションにお越しください。
生のゲーリーの会うチャンスです☆★☆
詳細は追ってお知らせ致します。→詳細へジャンプ
ターコイズの話
オンラインショップのターコイズの写真が実は少しずつリニューアルしているのを御存じでしょうか??
こちら、新しく差し替えている写真達の一部。
ハイグレードの石の写真に少しずつ変わってますのでチェックしてみて下さいね。
日本でせっせと作業してくれた皆様、ありがとうございます☆
そんな今日はターコイズの鉱山についての少しまじめなお話。
マライカでは、できるだけアメリカでとれるターコイズに焦点をあてて買いつけをしています。そこがインディアンジュエリーの原点なので、その伝統を守る手伝いが少しでもできたらな~なんて思っています。
ワールドワイドにビジネスが広がるなかで、中国産のターコイズやアメリカでとれても中国でカットされてた形の揃ったターコイズ、はたまたターコイズのカットの工程で出る粉を
樹脂でまとめたブロックと呼ばれるターコイズ、プラスチックなど様々なターコイズ色をした素材がインディアンジュエリーに使われるようになっています。
なんといっても値段が安いので、3,4年前には見られなかった海外生産の商品が現地でもかなり幅をきかせるようになってきました。そして残念なことに、現地インディアンも
アメリカターコイズの価格、シルバーの価格の高騰でそういった海外生産の商品を身につけたり、作品に使う人が増えています。
スペイン人がアメリカに入植した時、彼らが持っていた銀の硬貨を使ってそれを溶かし、もともとの土地で見つかったターコイズをはめたのがインディアンジュエリーの始まり。
砂漠地帯のネイティブアメリカンの住む土地で見つかる鮮やかなターコイズは、空の石、大地の石として様々な儀式に多用され、ただ単なる美しい石というだけでなく、
もっと精神的な魂を感じるものとしてジュエリーにも使われています。
というわけで、インディアンジュエリーにはアメリカのターコイズが欠かせない!のです。
そこには石を超えた何かが宿っていると思います。
といっても、海外生産のお手頃なターコイズアイテムは手軽にターコイズやインディアンを感じられるものなので、それから始まって本格派インディアンジュエリーにたどり着く・・・という方も多いです。
さてマライカで扱っているアメリカンターコイズ、たくさんの鉱山がありますがほとんどのターコイズが副産物としてとれたものが多かったりします。
多くの鉱山が、現在銅山や金山として活躍中。
銅をとるための鉱山なので、いくらその周りにハイグレードのターコイズがくっついていようと、それはその会社のやり方次第。
金の鉱山として活躍中の鉱山も多数あるのですが、ある鉱山では、金以外の副産物はすべてクラッシュ(つぶして)しまうと聞きました。
例えばそれがどんなにハイグレードなターコイズでも金の方が価値がありますから、どんどん堀りすすめ~!というわけですね。銅山も同じくです。
インディアンジュエリー界にいる私達は、とっても悲しい・・・・、でもこれが資本主義!
こういった銅山などの他の会社に運営されている鉱山では、ターコイズ採掘権を持つ=ターコイズの鉱山主という言われ方をします。
なので、同じ鉱山でもたくさんの鉱山主がいることもあります。
ターコイズ鉱山もビジネスなので、昔むかしは手で少しずつ掘っていたものの、現在ではダイナマイトでどかん!とやってしまうやり方に変わってきています。
膨大なお金をかけてもほんの少ししか見つからなかったり、時にはまったく何も採掘できなかったり・・・。
広大なアメリカ、鉱山と鉱山の間にはたくさんの何もない土地がひたすら続いています。
ここらへんを掘ってみたら、ランダーブルーの様な超ハイグレードターコイズが出てきたりして・・・・とか思うときもしばしば。
これが日本だったら、すみからすみまでくまなく堀りさがしていきそうなものですが、ネイティブアメリカンの住む土地にはたくさんの資源が眠っているとわかっていても、
掘り起こしたりしないのですね。自分達の住む土地に宿る魂とお金は引き換えられない・・・そうです。
というわけで、なぜインディアンジュエリーが好きなの?なぜアメリカターコイズが好きなの?と聞かれたら、
インディアンジュエリーの原点、魂が宿ると信じてるんだよ~と教えてあげて下さいね★
そこには、何物にも代えられない付加価値があります!
なので今日も私はせっせとお買いもの・・・。魂が宿っているからね。一点物だからね。と自分に言い聞かせています。