ホピのカチナチーフ、ベラタワホングバ

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この作品を見たとき、どんな印象でしょうか?ピカソのあの一部の絵を見た感じ?ちょっとヘンテコ?分かりにくい?

ホピ族のジュエリーを知っている方でも、作品だけを見ると、なんかすごい!でも一体何?なかなか分かりにくい印象があるのではないかと思います。

ホピ族のモチーフと言えば、ココペリ、トウモロコシ、レイン(雨)、などが有名でしょうか。モチーフが好きでホピのジュエリーが好きになったという方も多いと思います。

ホピ族のジュエリーの背景には、深い深いホピ族の信仰があります。

ベラの今日出来上がったジュエリーがこちら。

 

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この作品にタイトルをつけるとすれば「Being Rich」「お金持ちになること」

ホピ族にとって、「お金を持つということはリッチになることではない」のだそうです。

「リッチになることというのは、たくさんの雨を降らせ、たくさんの作物を実らせること」

雨に祈るロングヘアーカチナとフルートプレーヤー、雨、雷、そしてトウモロコシ。だからこれはホピ族にとってリッチになることの祈りが込められたペンダントということです。

すべてのジュエリーの背景には、そのための祈りがあります。

でもこの現代社会、こうやってジュエリーを売ってもっともっとお金を稼ぎたいと思わないのかと意地悪な質問をしてみました。

「家族が学校に行き、必要なものを買い、車のローンを払い、公共料金を払うのにはお金がいる。支払いのためにはお金が必要。でもそれ以上のお金は稼ぐ必要がない。ホピの信仰では、お金を稼いで貯めるように持つことは悪いこととされている。それは豊かなことではなく、トウモロコシと豆を貯めることの方が豊かなことだから。」

「お金を稼ぐというのは自分の気持ちが満足させられることでしかない。作物が実りそれが蓄えられることは、人類すべての豊かさにつながる。だからホピの祈りは4ディレクション(4方向)すべて、全世界すべてに行きわたるように行われる。」

ホピ族の神話には、「ホピ族のクリエイター(創生者)が生きていける強い精神力を身につけるために現在のホピ族の居留地である不毛な土地に住まわせた」という一説があります。

ベラは、現在村のカチナチーフという非常に重要な役割を担っています。年に何回か開催されるジュエリーショーには、儀式がいつ行われるか分からないから一回も参加することができないと言います。毎月、長い時は2週間以上もキヴァにこもり祈りをささげ、儀式の準備をしています。ホピ族の信仰に重きを置いた生活を選ぶ人は、住むところを変えたり、定職についたり先々の予定を立てたりすることはできません。

「インディアンの言葉」なんていうようなタイトルの本に出てきそうな言葉をたくさんいただいた今日の買い取りでした。ベラタワホングバの作品はこちらから。

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ちなみに、ベラが作品にコヨーテを使うのは、人気だから・・・という理由もありますが彼の氏族がコヨーテだからです。すべての儀式はこの「氏族」、クラン、に基づいて行われます。

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