アートの街「サンタフェ」

ギャラップから北東へ200マイル(約320km)の道のりをドライブして訪れたのが、アートが盛んな街「サンタフェ」です。

サンタフェの街並みは、日干しレンガで建造された“アドビ建築”の建物が立ち並び、独特な雰囲気を醸し出しています。
中心街から少し歩いたところには「Oldest House Museum-アメリカ最古の家」というアドビ建築で建てられた最も古い家があります。

サンタフェには、ジョージア・オキーフ美術館やニューメキシコ美術館が代表するようにアートが盛んな街です。
そして、美術館だけではなく至る所にギャラリーが点在し、伝統的な絵画をはじめ、コンテンポラリーアートや彫刻など多岐にわたる芸術に触れることができます。

「キャニオンロード」という道路沿いには様々な作家の画廊が所狭しと並び、個性的な現代アートに触れることができます。

そんなサンタフェは、スペインやメキシコなどの文化が融合された都市でもあります。
歴史や伝統を守りつつ、多文化を取り入れることで新たなものを創造していく。
その風土が芸術的な感性を生み出し、街から漂う魅力的な空気に多くの芸術家が集まるのではないかと思います。

インディアンジュエリーも歴史や伝統から生まれ、現在まで至る芸術の一つです。
多種多様の感性と思いを込めた芸術品に触れ、そして身に付けることができることに改めて感動を受けました。

 

魅惑の黒「JET」(ジェット)

インディアンジュエリーでたびたび登場する「ジェット」と呼ばれる素材。

こちらは、研磨前のラフのジェットです。
一見すると、ただの黒い石に見えます。

しかし、ジェットは石ではなく地中に埋まって化石化した木なのです。

そう言われるとなんとなく木に見えるような…

研磨によって鈍く輝く漆黒のジェットは、魅力的な素材の一つです。

ジェットは、サントドミンゴ族のヒシネックレスやズニ族のインレイワークなどに代表されるように昔から使われている伝統的な素材です。

世界各地で発見されているジェットは、パワーストーンのように魔除けとして装飾されていた歴史もあるようです。

古来のネイティブアメリカンもターコイズと同じようにジェットをお守りのように身につけていたのかもしれません。

 

【NEW】ロンパーカー

晴れの多いギャラップですが、今日の空は少し曇り気味です。
ギャラップから南へ約60kmのところにズニのリザベーションがあります。
そのズニで本日、「レインダンス」が行われるとのこと。
曇りの要因に神聖な力の影響もあると思い、ネイティブアメリカンの凄さを感じております。

それでも日本では、やはり晴れの日を好む方が多いようで…
曇った空も跳ね除けるような、素敵なジュエリー「Lonn Parker」のリングが新入荷していますのでご紹介していきます。

真っ青なスカイブルーのスリーピングビューティーターコイズをインレイした作品。
晴れた日のニューメキシコの空色にも近いスリーピングビューティーは、まさに空の石と呼んでも過言ではない澄み切った綺麗さがあります。

人気のマルチカラーリングも入荷しています。

ヨットが似合いそうな白色の長髪を後ろで束ねて、ジュエリーを2,3個持ってきてくれる笑顔のロンパーカー。
独学で身につけた技術と、独自に追及している美はオリジナリティあふれる立体構造のインレイを生み出し、完成度の高い仕上げは気品あふれる名品ばかりです。

ベネットカゲンヴェマの芸術作品

前回のブログ「ホピの季節」でも少しご紹介した、ホピ族のBennett Kagenvema(ベネットカゲンヴェマ)のご紹介です。

ホピ族を代表する「オーバーレイ」という技法で仕上げられるインディアンジュエリー。
2枚のシルバーを重ね合わせており、デザインを細い糸ノコでカットしたシルバープレートを土台のシルバープレートの上に貼り合わせていきます。

(※こちらはベラタワホングバのカットしたプレートです。)

このデザインを描くだけでも難しいのに、それを糸ノコでカットしていくなんて…
感服の職人技です。

中でも本日ご紹介しているベネットカゲンヴェマは、絵画の如く繊細なタッチで描かれ作り出されるジュエリーは、ついつい見惚れてしまうまさに絵画のような作品を生み出しています。

引っかき傷のように掘るエングレーブといわれる技法やスタンプワークを駆使し、よりリアルに立体的に描かれる作品がベネットカゲンヴェマの最大の特徴であり魅力の一つです。

ジュエリーに落とし込んだホピ族の伝統と大自然を感じつつ、身に着けていただけたら嬉しく思います。

ホピの季節

先週末、今週末とホピ族のいろいろな村でダンスが行われています。

トウモロコシの種まきが終わり、今は「祈り」のシーズン。

雨を降らせ、作物を実らせてくれますようにという祈りのダンスが行われています。

そんなホピ族、ジュエリー作家が年々減少していて作品が手に入る量が圧倒的に減っています。

それもあり、人気もうなぎのぼり。特にしっかりしたカットでちゃんとモチーフが入っているものが手に入りにくくなっています。

そんな中定評のあるクリフトンモワ、一気に入荷しました。

安定した細かいカットとキュートなモチーフが人気です。

さらに、入荷と共にすぐに売り切れるベネットカゲンヴェマのこのシリーズも。

 

アリゾナの美術館で、「シークレットガーデン」(秘密の庭)と名付けられているこのベネットのシリーズ。

伝統工芸という言葉を超え、「圧巻」「芸術」という言葉がぴったりのこの作品たち。

これを手にすることができるということにただ感謝してしまうような、芸術作品です。

ハーマンスミスの新作入荷

六月に入りましたね。

ニューメキシコ州もようやく暖かく、日差しが強くなってきました。

ハーマンスミスの新作が入荷しています。

ハーマンのバリエーションが見られるようにいろいろなスタイルが入荷しています。

スタンプワークや動物の形、オールドスタイルからコンテンポラリーまで、実はとても幅広いデザインのあるハーマンスミスですが、スタジオに行ってみると本当に最小限の道具から作り出されていることに驚かされます。

 

 

まさに芸術、まさにクリエイションといえるハーマンスミスの作品。

こんなにたくさん彼のスタイルが一気にそろうことは今までにありませんでした!

一度着けたら何度も眺めてしまう「洗練されたスタンプワーク」

そろっている今、ぜひ彼の作品スタイルを見てみてくださいね。

Darrell Cadman

雨が降ったり雪が降ったりと寒い日が続いていたギャラップですが、
やっと日差しが顔を出し、暖かくなってきました。

暖かい季節になると、森へ行き狩猟をしたり、川や湖で魚釣りをしたりとニューメキシコ州らしいアウトドアシーズンが到来します。

(アメリカの鹿は、日本の鹿よりビッグサイズです。こちらはお店にある剥製。)

もちろんアーティストの中にも、大自然に向かう人もいます。
ダレルキャドマンもその一人。

先日、エルク(鹿)を仕留めて、マスを釣ってきたとのことでおすそ分けをいただきました。

解凍後の鹿肉。
さすがダレルキャドマンで、細部までこだわったジュエリーのように下処理が上手でした!臭みも全くありませんでした。

美味しく頂きました。

そんなダレルキャドマンの新作も続々入荷しております。

人気のダレルキャドマンの石付きシリーズです。
日本への到着が楽しみです!

 

アーティストインタビュー アーノルドグッドラックその2

 

前回の記事はこちら。

アーティストインタビュー アーノルドグッドラックその1

 

アーノルド:経験でスタンプはちょうどいいデザインが出来上がると思うんだけど、妻はすべて線を引いて、どこに何を打つかを決めないとできない。「適当に」感性に任せてスタンプを打っていくというのは経験がないとできないと思う。

アメ駐:なるほど、アーノルドは地元の学校の役員もずっとやられていますけど、昔と今を比べてナバホ族の文化についてどう変化したと思いますか?

アーノルド:僕たちが子供のころはいろいろなルールがあいまいで、とてもワイルドだったよ。祖母が道端に露店を出してそこでハンドメイドのナバホラグを売っていたんだけど、その時「ちょっと店番してくれ」って頼まれて一人でよく店番をしていた。7歳のときだったかな。

これは今は笑い話で、祖母のラグを50ドルで売るはずだったんだけど、長距離トラックの運転手が「亀二匹と交換してくれ」って言われて子供の僕は50ドルよりも亀二匹のほうが嬉しかったから、交換してラグをあげたんだ。祖母には恐ろしく叱られたけどね。

こういうワイルドな出来事がたくさんあったけど、子供のころ良い所も悪い所も見てきたから今思うとそれがすべて学びになって今につながっていると思う。

昔は本当に嫌だったけど、羊を売りに行ったり、牛を売りに行ったり、羊の毛を飼ったり今でいう肉体労働を子供のころからたくさんしていて、その中で学んだことはたくさんあるしとてもそのことに感謝している。

学校の会議に参加していると、みんな「学校教育がすべて」という風に思っているけど、実際はそうじゃなくて経験してきたことすべてが学びになると思うよ。

アメ駐:すごい、まさにそうですね。その中でどう工夫していくかというのを学ぶのがまさに実践的な勉強ですね。

いつもショーの出展などで忙しいアーノルドですけど、家畜の世話って本当に大変ですよね、それでも続けるのはどうしてですか?

アーノルド:うーん、あまり深く考えたことはないけど、そういう風に育てられたからだね。僕も妻の家族もみんな羊持ちの家庭で育って、妻の祖父は羊を600頭も飼っていた時もある。羊の数は地位を表すし、羊といろいろなものがトレードできるからね。

アメ駐:どこかで商売人の地が流れているんですね。

アーノルド:僕が最初にお金を稼いだのは5歳ごろなんだ。その祖母の店番をさせられているときに、化石化した木(ペトリファイドウッド)を一個25セントで売ったら売れて、その次の週に箱いっぱいに集めて、また売った。

アメ駐:完全に商売人ですね笑

アーノルド:その時はいとこが隣で同じ商売をし始めてすぐにやめたけどね笑

自分で作り出したものを売ったり、自分が発見したものを売ったりしてお客さんが喜んでくれるというのが一番の経験で、それは今も変わっていないし僕の人生はそれがすべてかな。

最初は興味のない所から始まるんだよ、何事も。それを一生懸命経験していくことと勉強して上達していくことから身になっていくんだ。

娘たちは僕のシルバースミスとしての仕事に全然昔は興味がなかったけど、今は自分でジュエリーを作ることにとても興味を持っている。

今後もグッドラックジュエリーとして続いていけるような父でありたいと思うよ。

アメ駐:感激です。アーノルドのスピリット部分が少しわかったような気がします。本当にありがとうございました!

アーノルドグッドラックは、「グッドラックジュエリー」としてネイティブアメリカンのジュエリーショーだけではなく、ウェスタンやファッションなどのいわゆる「白人さんのショー」というイベントにも参加して、自分たちがハンドメイドで作るジュエリーの良さをお客様に直接伝えるということを積極的に行っている数少ないシルバースミスです。毎週のように様々なイベントに出展し、本当にみんな働き者のグッドラック家。

アーノルドのジュエリーはこちらから。

アーティストインタビュー アーノルドグッドラックその1

今回はアーノルドグッドラックのインタビューをお届けします。

あまり知られていないのですが、彼の曽祖父にあたるHosteen Goodluck(ハスティーングッドラック)は1920年代のインディアンジュエリーが作り始められた時代の非常に有名なシルバースミスでした。

ハスティーンは1920年代から40年代ごろ有名なトレーダーの下で働き、彼のコンチョベルトやスクオッシュブロッサムは博物館や有名コレクターに納められるジュエリーとなっています。

 

アメリカ駐在(アメ駐):アーノルドは元々はどうやってジュエリーづくりをすることになったんですか?

アーノルド:父のテディグッドラックのジュエリーづくりを小さいころから手伝っていたよ。1970年代ごろかな。でも学校に行き、大学まで行けることができたからそれまではずっとやっていなかったんだ。大学で出会った今の妻と結婚するんだけど、1980年代の後半に妻がまたジュエリーを作り始めたんだ。

アメ駐:そうなんですね、じゃあ元々はジュエリー作家になる予定じゃなかったんですか?

アーノルド:うん、家畜の病気のケアや世話の専門家になる予定だったんだよ。まぁ今もその知識は牛や羊に使っているけど、ジュエリーを本業にするとはその時は思っていなかったかな。

アメ駐:なるほど、曽祖父のHosteen Goodluckが有名だったのはその時知っていましたか?

アーノルド:あまり知らなかったね。ジュエリーを売るようになってコレクターの人に「グッドラックということはハスティーンと関係があるの?」と聞かれて、そんなに有名だったことを知ったんだ。

彼のジュエリーは、羊の世話を手伝ってくれた支払いの代わりにその従業員に送られたりしていたようで、実際に商品としてたくさん売られていたわけじゃないんだ。

その時代は刻印が使われていなくてシルバースミスもとても少ない時代だったから、作品の鑑定というか、それがハスティーンのものかどうか聞かれることも今ではよくあるよ。

アメ駐:最初アーノルドと奥さんがジュエリーを作り始めた時のスタイルというのはどんな感じだったんですか?

アーノルド:父のテディはシャドーボックスのスタイルでとても知られていたから、シャドーボックスのスタイルを作りそれを一つのトレーダーにずっと売っていたんだ。

アーノルド:でもその会社が急に倒産してしまって、自分たちでショーに出ていろいろな人に売るようになってから今のスタンプワークや動物モチーフ、伝統的なスタイルのものを要望に応じて作り始めたのがきっかけかな。

アメ駐:なるほど、だからこんなにいろいろなスタイルが作れるんですね。

アーノルド:最初はシャドーボックスしか作れなかったけど、お客さんの要望に応えるために道具をそろえて、やってみて、磨いていく、それを繰り返したからかな。それしか上達の道はないよ。実はジュエリーを作り出した妻は、スタンプはできないんだ。

 

次回につづく。

アーノルドグッドラックのジュエリーはこちらから。

 

Gary & Elsie Yoyokie

マライカでも人気のホピ族の作家、ゲーリー&エルシーヨヨキ。

極細の糸ノコを用いて繊細にカットされるデザインは、まさに芸術品です。
サンフェイスをはじめ、鳥や蝶などの動植物が描かれる多彩な作風は多くの方に愛されています。
また、ポップで可愛らしいモチーフも人気の秘訣です。

そんな多彩なヨヨキ夫妻が好んで描くモチーフは、いったいなんだと思いますか?
それは…

「水」 のモチーフです。

花と水のデザインのオーバーレイバングル

その理由は、「Yoyokie(ヨヨキ)には、ホピの言葉で「雨」という意味があるんだよ」と、エルシーヨヨキさんにお伺いしました。

そのため、水をはじめとする雨や雲、嵐のモチーフも多く描かれています。

ホピ族のジュエリーでも「水」をイメージしたデザインをよく見かけます。
自分の名前に誇りを持ち文化をジュエリーに落とし込んでいく。
そんな姿勢がジュエリーを通して伝わり、その魅力に心奪われてホピ族のジュエリーの中でも人気が高いのではないかと思います。