ネイティブアメリカンにとっての馬。

最近晴れ渡っていて非常に気持ちがよいニューメキシコです。
さて、今日はネイティブアメリカンの生活とかかわりの深い馬についてご紹介。
カウボーイが代名詞のアメリカ南西部。
馬は昔から移動手段として使われてきました。
今では移動手段は車に変わったものの、現在も馬は大切にされ、飼育している家庭も非常に多いです。
特にナバホ族は、羊や牛の畜産業で生計を立てる人も多く、居住区では羊が牛がうろうろしている光景をよく見かけます。居住区内での車の運転は、色々な動物が出てきます。そんな羊や牛を集める為の移動手段として、馬が使われることもよくあります。
今ではペットとしてといいますか、休日に馬に乗ってのんびり遊びに行くために馬を飼っている家庭も多いです。そんな家庭の子供達は、みんな馬の乗り方を知っています。
3.4歳の子供が馬を操る姿は、本当に感動します。
先週末、クラスタージュエリーをオーダーしているZeita Begayの家にお邪魔し、そんな光景を見てきました。

こんな生活、ステキですね。
色々な動物が放し飼いにされていて、野性なのかどうか私達にはよく見分けがつきませんが、たくさんの動物に会いました。
Zeitaの家族は、昔200頭以上の羊を買っていたそうです。でも管理費が高いので、今は30頭位に減らしたそうです。残念ながらその羊達は放牧中でどこか分からないということで見られませんでしたが、生まれたばかりの羊に会えました。

現代化しつつあるネイティブアメリカンも多い中、こういった生活をしているネイティブアメリカンの人たちも思ったより多いのに驚きました。
先週末は母の日だったので、家族でテントをはってバーベキューや釣りをする人たちがたくさんいました。
Zeitaの家の近くには水の少ないニューメキシコには珍しい大きな湖があり、そこにたくさんの人がつめかけてました。そうやってみなさん余暇を楽しんでいます。

冬の寒さから開放され緑も増えてきたので、農業や放牧、バーベキューや釣りにとネイティブアメリカンにとって忙しい季節です。

もうすぐ農業の季節です。

最近、とても暖かくなってきました。
農業をやるネイティブアメリカンにとって、そろそろ種のまき時です。
今日はGerald Lomaventemaに会ったら、鍬をかかえていました。彼も農業人でした。
彼のジュエリーは近日入荷しますので、お楽しみに!
さてニューメキシコは非常に寒暖の差が激しく、昨日は30度ぐらいあったのに、今日は雪が降っている!ということもよくあります。なので農業をやる人にとっては、種や苗の植え時が非常に重要です。
6月初の遅い霜が終わってから10月の初霜がくるまでの間に収穫できるように、感覚を頼りに風や気候を読み、いい時期を見計らって種や苗を植えます。
知り合いのインディアンたちは、私達がもう暖かくなったからいいんじゃない?と言っても、いやまだ雪が降るよと言って、毎年そのいいころあいの時期を計っています。
家の敷地や湖の近くで農業をする人も多いです。
特に農業がさかんなホピでは、乾燥地帯なので水を引かず、自然の雨にだけ頼る農業もよく行われ、ドライファーミングと呼ばれます。そんな中でも育ちやすいコーンと、カボチャ、ズッキーニやマメがよく植えられます。
コーンは唯一彼らがうまく育てることができる野菜であり、彼らの命はコーンでつながれてきたことから、ジュエリーのモチーフや、祈りの際にもコーンの粉が使われます。
収穫期のフリーマーケットや市場は、まさにコーン祭りといった感じです。
いくらコーンを食べられるか!なんて競争をすることもありました。
知り合いのインディアンは、最高12本!と言っていました・・・。
どんな時でも、食べ物があることへの感謝を忘れてはいけない!とネイティブアメリカンから学ぶことは多々あります。

↑去年、コーンがすくすく育った様子。

PBRに行ってきました!

PBRは、プロフェッショナル ブル ライディング、ようするに、ロデオです。
ジュエリーとは関係ないんですが、ナバホの人々とロデオは切っても切れない関係なので現地のロデオの様子をご紹介します。
アメリカ南西部にはカウボーイ文化が根付いているので、オス牛に乗って競うブルライディングは、まさにインディアンの娯楽になっています。
ナバホの人たちは本当にロデオが好きで、テレビでもよくやっています。夏になるとニューメキシコでも大会が開かれるのですが、今回行ってきたPBRは全米を回っているプロロデオで、ニューメキシコには年に一回しか来ないので、本当にみんなが楽しみにしていました。
暴れる牛に、いかに長く、美しく乗られるかが競われます。
8秒以上のっていればポイントがつき、それ以下だったらポイントなしです。
今回優勝した人は、ブラジル人。ブラジルのブルライダーたちは結構有名ですが、やはりニューメキシコ出身、アリゾナ出身の人たちの出番になるとよりいっそう盛り上がっていました!
こんな感じです。

入り口では、チケット譲ってください!と立っている人がいたり、その人気ぶりは本当にすごかったです。
色々なジュエラーや、その知り合いや親戚や、とにかくナバホ人口が多く、モチーフに馬が使われる意味がよーーく分かりました!カウボーイハット&ブーツの比率もかなり高かったです!
激しく暴れる牛は、こんな感じでした。真ん中で飛び跳ねています。

もちろん、落ちて首を痛めたり、牛が突進してきたりする場面もありました。
そんな、インディアンの余暇のお話でした。
明日からしばらく出張の為ブログの更新はお休みします。

ナバホの食生活。

強風が吹き荒れて、歩くのに前が見えない最近のニューメキシコです。
前日は夏のように暑かったのに、今朝は雪が降りました。日本にいると考えられない天気の変化に驚かされます。そんな変化の激しいところだからこそ、自然に身を任せるというネイティブアメリカンの教えが生まれたのかと思わされます。
さて本日は、フリーマーケットや地元のレストランでよく売っているナバホの人々の大好物、フライブレッドについてご紹介。
小麦粉にベーキングパウダーと水を混ぜ、少し塩を入れて混ぜた生地を丸く伸ばし、そのまま油の中へ。
こちらが揚げている様子↓

写真が暗くて分かりにくいんですが・・・・
手前の奥さんが持っているのが生地です。伸ばすのにコツがいります。
ナバホの伝統的食事スタイルは、
このフライブレッド(ひたすら揚げて積み上げておくそうです。)に、自分達でさばいて調理したマトン(羊は頭から内臓まで、すべて調理されます。)とグリーンチリをはさんで食べるというスタイルだそうです。日本人で言う、ごはんとみそ汁と焼き魚といったところでしょうか。
こちらが、よくフリーマーケットなんかで売っている、ナバホバーガー。
フライブレッドのハンバーガーです。

フライブレッドは、砂糖と蜂蜜をかけておやつにしたり、いろいろなものをはさんで食されています。ナバホ人々にとってのパンという感覚でしょうか。
こちらはナバホタコスといって、トルティーヤの代わりにフライブレッドを使い、レタス、トマト、マメ、タコミート、チーズをのせたナバホの人々が大好きなタコスです。

ニューメキシコはグリーンチリ、レッドチリともに香りがいいのでアメリカでも有名なチリの産地です。チリ中毒の人も多く、ナバホタコスには絶対!サルサをかけて食べます。
アメリカとメキシコとネイティブアメリカンの文化が食生活にもよく現れてますね。

ハードミュージアムショー

アリゾナ州、フェニックスで年に一回、ハードミュージアムという美術館で大きなショーが開かれます。今日はその様子についてご報告。
リゾート地としても有名なフェニックス。
そのダウンタウンにある美術館の敷地にテントがはられ、ジュエリーはもちろん、ネイティブアメリカンたちの様々なアートに携わるトップアーティストたちがブースを出して自分の作品を販売します。
毎年600人近い出展者が集まり、世界中からバイヤーや顧客が集まります。開場は8時半ですが、初日は早朝6時前から人気アーティストの商品を目指して会場待ちの列ができます。
来場する人たちの気合がかなり感じられますね。
人気アーティストの商品はすぐ売り切れになり、午前中でブースをたたんで帰ってしまったり、初日で帰ってしまう人も多いです。
それだけ、トップアーティストが自慢の作品を披露する場所であるということでもあります。
ジュエリーの他にも、絵やバスケット、ラグ、壺、カチナなど様々なネイティブアメリカンのクラフト作家たちが集まり、その美しさを競います。
ショーに来場する人たちも、インパクト大のターコイズボロタイだったり、ナジャだったり、自慢のジュエリーを身につけていてとてもステキな人たちばかり。お年を召した方がアーティストの商品を購入し、身につけて笑顔になっている姿は本当に幸せな気分になります。
アメリカではネイティブアメリカンの作品がこんなに生活の身近にあるんだなと感じさせられます。
今オーダーしているアーティストたちもたくさん出展していました。彼らにもいい出会いがたくさんあったようで、このようなアートショーは彼らのジュエリーがもっともっと世界に広まる素晴らしい機会だなと改めて感じました。
こちら、ショーの一部。

今後もまたまたステキなジュエリーが入荷しますので、お見逃しなく。

シルバースミスの毎日

今日はジュエラーの毎日についてご紹介します。
オーダーしているインディアンたちはインディアンの居住区に住んでいるジュエラーがほとんど。そのほとんどが普通の一階建ての長屋のような建物に住んでいます。
家族と一緒に住んでいるか、近隣に家族や兄弟の家があって頻繁に行き来するような、そんな家がほとんどです。
ナバホの住居として有名なホーガンは、住居として使う家庭は今ではほとんど見かけません。
敷地内にホーガンがあっても、特別な儀式のときに使われたり、時にはガレージ代わりに使われていたり、それでもホーガンはナバホの人にとって特別な空間であることに変わりはありません。
電気もガスも通っていないリザベーションの中の、ホーガン↓

今オーダーしているジュエラーたちのほとんどが男性です。彼らはジュエリーを作って売ることで生計を立てています。
彼らの奥さんはほとんどの家庭が働いています。学校だったり、レストランだったり。
一日中家で仕事をしていることが多いジュエラーは、日本でいえば主夫のような感じで、小さい子供の面倒を見たり、ごはんを作ったりする人も多いです。
なので子供の具合が悪いと仕上がりが遅くなったり、そんなことも多々あります。
意外に生活感のあるジュエラーたち。
たまたまお昼時に行くと、サンドイッチやハンバーガーを作ってくれたりします。
そんな生活感のある家の中の作業場で、みんなジュエリーを作っているんです。
こちらはサンシャインリーブスの作業場の様子。

ブログ開始!

アメリカ、ニューメキシコ州よりインディアンジュエリーの新入荷情報や、現地のインディアンの生活についてお届けします!
さっそくですが、今日はニューメキシコ州の地形によく見られる、メサという大地についてのお話。
ニューメキシコ州、アリゾナ州にはグランドキャニオンをはじめ、自然の力で作り出された壮大な風景がたくさんあります。

ほとんど砂漠に近いような赤土の大地が、風や雨によって流されてできたというメサ。まっすぐな道一本しかない所に突然現れるメサは、本当に不思議な光景です。
ナバホの神話によると、このメサはナバホ族の創世のときに「チェンジングウーマン」が太陽と結婚してできた2人の子供たちが、悪魔が出現したときに悪魔と戦い、悪魔を岩に変え、メサが残ったと言われています。
何もない大地にある山のような、大地のようなメサを見ると、本当にそんな気がしてきます。
そんなメサは、物語風に作られたストーリーテラーと呼ばれるジュエリーにも登場します。
いつもはスタンプワークを得意とするゲーリーリーブスが、ストーリーテラーのブレスを作ってくれました。ここにも、メサがいます。星づかいなど、ゲーリーリーブスのかわいい一面が見られる作品ですよ!
これからも新入荷情報など、続々お届けしていきます!!