Hopiショーに行ってきました。

先週末、フラッグスタッフで行われたショーに行っていました。
フラッグスタッフは針葉樹林が生い茂り、夏でも涼しく、日本で言うところの軽井沢のような気候の小さな街です。ショーが行われたミュージアムもそんな静かな森の中に位置します。

もともとこのミュージアムにはインディアンの歴史が展示されており、館内には発掘されたポタリー(壺)やトレーディングポストではなかなか見られない非常に状態のよいアンティークのジュエリーが並んでおり、私達にとってとても勉強になる内容でした。
今回はホピのトライブに焦点を当てたショーであり、ジュエリーは勿論の事、目を見張るようなカチナドールや絵画を見ることもできました。
これはサンタフェのショーを幾つも総なめにしたカチナドールです。

会場では顔なじみのジェラルド・ラマベンテマメルレ・ナモキスティーブ・ラランスに合う事ができました。彼らのブースからも、このショーへの気合いが感じとれました。
今回のショーで新らた出会いもあり、今後に期待できそうです。
彼らの作品は追って続々入荷しますので、お楽しみに☆
マライカではネットでもお店でも豊富なホピのジュエリーをご覧頂けます。是非お試しください!

インディアンの食生活2!

先日スティーブアルビソの夕食に招かれ、エルクをご馳走になりました。
エルクはシカ科の動物で、牛ぐらいの大きさの、トナカイの様な立派な角をもつ動物です。

ニューメキシコでは少し山に入ると、野性のエルクと遭遇する事ができます。
ほか、ウサギやプレーリードック、シカなども見れます。
一番驚いたのが、ここニューメキシコの隣の州アリゾナにアルパカがいた事です。

アリゾナは乾いたニューメキシコと違って川もあり緑も多いせいでしょうか?
さて、肝心のエルクのお味はというと…
『昔食べたようなこの味…クジラの肉の味がする!』
そうなんです、食感といい、赤身の魚の様な感じなのです。
エルクはそんなに一般的な肉ではなく、インディアンにとっても特別な肉なのです。ここ以外ではコロナド州のドランゴでも頂けるそうです。
その他、インディアンはエルクの毛皮をホーガンに敷いたりします。
キャストのジュエリーでお馴染みアイラ・カスターは自分のジュエリーとトレードし、手に入れた自慢のエルクの毛皮を見せてくれました。

真冬でもダウンいらずの暖かさなんだとか!
もともと狩猟をしていたナバホ族、今となっては過去の話ですが、今も生活の中に動物との繋がりを感じる事ができます。

ナバホ族の話。

本格的な夏に突入したニューメキシコ。
本日はナバホ族についてのお話。
 ナバホ族は母系社会で、昔から女性がラグを織り放牧をして家庭を支えてきました。かつての男性の仕事は、トウモロコシの粉引きと略奪だったそうで、社会的役割が薄かったためアルコール中毒になる男性も多かったとか。
 もちろん現在は企業が進出してきているので、自動車工場など会社で働いたりジュエリーを作ったりして、男性も働いている家庭がほとんどです。
色々なスタイルのジュエリーと手織りで作られるラグが有名です。
侵略者に自分たちの土地を奪われたりする争いの耐えない歴史を生きてきたからか、ナバホ族はどの部族よりもお金を稼ぐということには長けています。依然としてアルコール中毒者の数はナバホ政府の大きな問題ですが、一方商売熱心でよく働く人も多いです。
ナバホ族にはカチナはなく、代わりに「Yei(イェイ)」と呼ばれるカチナのような存在があります。イェイとはナバホ語で「神」という意味です。病気などを取り除くために、冬の間ホーガンでは頻繁にイェイビチェイ(女性の神)セレモニーが行われています。
こちらは、ジュエリーにされたイェイ。

現在はキリスト教信者も増え、伝統的な文化を信じる人とそうでない人に大きく分かれてきていますが、リザベーションではナバホの伝統はまだまだ守り続けられています。
ナバホ族は、独自のナバホ語を話します。
第二次世界大戦の時には真珠湾攻撃の時にナバホ語が暗号として使われ、日本に大きな打撃を与えたそうです。その時に暗号を話していたナバホの人々はコードトーカーとして、今でも人々からたたえられています。
ナバホ語は文字を持たないため、今でもほとんど文字としては使われる事がなく、会話だけで使われる事がほとんどです。
現在はテレビや新聞などほとんどの生活は英語が占めているため、ナバホ語を話さない家庭環境で育つ子供も多く、なんとなくは分かる・・・という程度の人たちも増えてきています。
ナバホは、氏族システムによって成り立っています。日本で言う、家系のようなものでしょうか。20の氏族があり、それぞれナバホ語で名前がついています。
氏族は母方のものを受け継ぐのが慣わしで、同じ氏族は家族なので基本的に結婚できないそうです。
他にも、様々な決まり、タブー、伝統があり、外部に漏らしていけない事もたくさんあり、日本人では立ち入る事のできない、知る事のできない事も多いですが、日本の伝統文化同様、ナバホ族も非常に興味深い文化を継承しています。

リザベーションでみつけたモノ

このところ乾いたニューメキシコの大地でもサボテンの花が見られるようになってきました。

今日はサボテンだけでなく、ここリザベーション(インディアンの居留地)でみられるおもしろいものをご紹介したいと思います。
ニューメキシコからアリゾナにかけていくつものインディアンのリザベーションがいくつもあります。
そしてそこでは、無数のポタリー(壷)の破片をみつける事ができます。

この二つの州は隣同士ですが、風景も土の色も全然違います。なので取れるポタリーの色も様々です。
そもそも、ポタリーはトウモロコシ農業と共に紀元前500年頃より作り始められたと言われています。ブリキの容器が伝わるにつれて、ポタリーはアートの要素を強めたようです。
ポタリーは現在も作り続けられていますが、そこには様々な祈りのモチーフが描かれています。大切な水を溜めるポタリーには雨乞いの祈りが多く描かれていたりします。
インディアンは母なる大地、父なる空といいます。
壷はその母から作った、父を受けるとても尊いものなのです。
今でもインディアン達はリザベーションのポタリーの破片を持ち帰る事をタブーとしています。もし持ち帰ったなら悪い事が降りかかると固く信じています。
無造作に落ちているポタリーをみていると、インディアンの祖先の暮らしを感じることができます。

雨を祈る

ニューメキシコは乾燥地帯で、雨の降らない時期が続きます。
この前雨が降ったのは3ヶ月前かなーなんて時も多々あります。
そんな南西部に住む人々にとって、よく色々なジュエリーのモチーフに使われているように水が本当に重要です。
私達も炎天下にいると、水の大切さを思い知らされます。グランドキャニオンなどの観光地でも、たくさんの水を持っていないとトレッキングを管理する人たちがこれ以上登ってはいけない!と注意したりもするそうです。
ネイティブアメリカンの各部族は、それぞれの信仰で様々なセレモニー(儀式)を行います。成人の儀式だったり、病気を治すためだったり。その中でも通年を通して、各部族のセレモニーは雨を祈って行うものが多いです。
伝統的なセレモニーは外部の人たちには公開されません。
友達や知り合いがいると遠くからだったら見ることが出来ますが、もちろん写真は禁止、カチナやそのセレモニーの様子をデッサンする事も許されていません。写真を撮ったら逮捕される事もあります。
写真にとっていいのは、観光者向けのダンス。

こちらはズニ族のバッファローダンサーたちです。
ホピやズニの雨を祈る神聖なセレモニーでは、カチナがやってきて、一晩中ダンスを踊ったり、大きなセレモニーになると1週間以上毎晩ある一定の場所で踊ったり、そんな光景を目にします。
以前、4年に一回しか行われないという神聖なズニのセレモニーを見ることが出来ました。
その後、ズニの村には本当に雨が降ったんですね。本当に炎天下の中踊り続けて、神の恵みがあったのだと実感されられました。
こちら、右奥のほうにズニの村があります。
急に雨雲が覆いかぶさり、雨が降ってきました。

だからこそ人々は祈り、踊り、歌い続けます。
今年は例年になく5月に雨が多く、人々は本当に喜んでいました。
そんな人々を見て作物を育ててくれ、私達をうるおわせてくれる水、その大切さをネイティブアメリカンの人々は身をもって感じています。

祭りの季節到来!

 夏になるとニューメキシコでは様々なセレモ二―が行われます。
部族だけのシークレットなものから、観光客向けのものまであり、取引先のジュエラー達も準備に大忙しのようです。先日会ったホピのジェラルドもセレモニーの為、ここ一週間準備に追われていると言っていました。
 このところギャラップのダウンタウンでも連日セレモニーが行われています。広場では日替わり色んな部族のダンスを見ることができます。だいたい夜七時くらいから始まるのですが、ここのところのギャラップの日没は八時半位なのでたっぷり明るいうちに楽しめます。
 私達が見に行った日はちょうどズニ族のダンスの日でした。伝統的な音楽にあわせてカチナに扮した男の人と民族衣装をまとった女の人がペアで踊っていました。言葉はズニ語なので直接は分かりませんでしたが、聞くところによると雨乞いのダンスだそうです。

 手に持っているのはインディアンにとって特別な意味を持つイーグル(一説によると神の使いとされている)と神に捧げるトウモロコシだそうです。
演奏をする人達も民族衣装をまとっており、とても雰囲気があります。

 今回のようなイベントは一般公開用のダンスであり、会場の雰囲気もラフです。土曜日など観客の多い時には、インディアンにとって主食でもある“フライブレッド”を食べたりもできます。また、撮影も可能なので、観光に来た際にはオススメです!
 ちなみに、こういった情報は地元のカフェや施設でこのような地方紙などで情報を手に入れる事ができます。

 私達駐在員もこの夏いくつのイベントに参加できるか、楽しみにしています。

特別な食事

先日ナバホの友人宅にお邪魔して羊のブッチャーを見学させてもらいました。
日本人が魚を普通に捌くように、インディアンも食料として羊などの家畜を捌く事があります。インディアンの街ギャラップでもスーパーで普通に肉類は手に入れることはできますが、食べ物の大切さを学ぶ意味でもブッチャーは大事な行事なのです。
 ブッチャーは家の裏庭などで、大人5人がかりで行う結構大変な作業です。
捌いた羊はというと、肉は勿論のこと、内蔵はソーセージにしたり、羊毛は乾かしてラグにしたりと、余すことなくなく大切にいただきます。一家族だとだいたいい一週間かけて、バーベキューにしたり、伝統的なスープにしたりして食べるそうです。
 私にとっては初めての経験であり、正直気分のいいものではありませんでした。
ですが、今まで何気なく食していた物のありがたみを痛切に感じさせられました。
自分は命をもらって生きている、ということ。
 ここで、ブッチャーに関してのインディアンの興味深い話を紹介します。
ナバホには今もリザベーションごとに一人はメディスンマンがいるのですが、そのメディスンマンは様々なお告げをします。ブッチャーに関しても、『あなたは内臓を食べてはいけない』というユニークなお告げをするそうです。もし破ったら病気になるらしく、特別なお告げを受けた人はそれに従うそうです。
また、羊をいかに上手に捌けるかで決まるミス・ナバホ選手権もあるそうです。
インディアンのお宅に食事に招待してもらうと、こんな面白いインディアンの話が聞けるのが楽しみの一つでもあります。

ユッカ

先週まで続いていた初夏のような気候とは打って変わって、ニューメキシコでも今週は肌寒い雨の日が続いています。
おとといは珍しく雷雨になり(一年に一度あるかないか!)インディアンの人達はなにやら嬉しそうです。
インディアンのモチーフに度々でてくるように、こちらの人にとっての雨は“恵み”を表します。
ちょうど畑の種まきもすんだ頃なので、暖かな気候とこの恵みの雨で一気に作物は伸びることでしょう。私達も知り合いのブルーコーン畑が楽しみです。
さて、今回は砂漠にたくましく根をはる“ユッカ”についてご紹介します。
ユッカには現在40~50の種類があると言われています。
最近では手入れの簡単な観葉植物としても親しまれているようです。
ここニューメキシコのユッカはそれよりももうちょっと野性味溢れる感じですが…。
乾燥した大地におよそ30センチ程のとがった葉をのばします。

インディアンたちは実から葉までを“薬”“食物”“シャンプー”として利用してきました。
今回私達はインディアン宅にお邪魔し、この“ユッカシャンプー”を昔ながらのやり方で体験してきました。
まず、ユッカを採取しに行くところから始まります。
祈りをささげてから、ユッカの根を傷つけないように取ります。
直径8センチ、長さ20センチくらいの結構立派な根が取れます。
根は太いごぼうの様な感じなので、それを石で叩いて皮をむきます。
↓むいた根

後はタライ(昔はツボを使っていたようです)に水をはり、ひたすら揉み込むと不思議と泡だってくるのです。
匂いはジャガイモの様なでんぷん質の匂いがします。
出来た泡を濡らした髪に付け、洗い流すのみ!

うーん。。現代のシャンプーに慣れた私達にとっては少し物足りない感じはしますが、リンスなしにこの手触りはなかなかなものだと感心もしました。
インディアン曰く、ユッカシャンプーによって
『“Beautyful&Glossy”』
になるんだとか!

ZUNI村の不思議

先日ズニ村に住む友人宅を訪ねました。
そこでのズニのシークレットを今回はご紹介します。
ズニ村はニューメキシコ州に位置します。
ナバホのリザベーションと違って、小さくこじんまりとしており、村に入ると独特の匂いがしてきます。それは随所にある釜からの薪の匂いです。
赤土の乾燥した風の吹く村ですが、カルシウムが空気や水に非常に多く含まれているらしく、自然と家具には白い粉がつもります。
ズニの友人が言いました、
『今週は一週間近く毎日のように伝統的な行事があるんだよ。』
運良く私達は夜中のカチナダンスの日に訪問していました。
ほぼ夜中の12時くらいでしょうか、私達は村の集会所に向かいました。
あたりにはもう村人が沢山集まっていました。
しかし誰一人として音を発しません。
聞こえるのはカチナに扮した村人の大地を踏み鳴らす音と歌声のみ。
ここには暗黙のルールがあるのです。
『静かにその光景を見守る』
という事。なので、話し声、笑い声は勿論、指差したり、撮影も厳禁なのです。
私達よそ者は特に参加させてもらうという気持ちが大切であり、ズニの人達よりもその距離を多くとらなければなりません。
何十人というカチナが月明かりの下、村を練り歩き、集まってはダンスをする
その光景はなんとも不思議な雰囲気をかもし出していました。
まるで神話の中の世界に自分達が紛れ込んだかのような錯覚すらしてきます。
日本にも幾つかの伝統的な習わしがありますが、ここまで人々が楽しむというより真面目に取り組む様子はやはり異様なように思います。
口には出しませんが、おのずと“リスペクト”の精神がそこにはあるのです。
彼らは自分達がズニであることに誇り持ち、変わることなく引き継ぎ続けるのだなぁと確信しました。
残念ながら、その光景を御見せする事は出来ません。
なので、今回はカチナに扮した姿を想像頂けるよう、カチナの写真を付けたいと思います。

インディアンの街

今回はニューメキシコ州のギャラップについてご紹介したいと思います!
ギャラップは一言でいうとインディアンの街です。
ルート66沿いには、インディアンジュエリーやラグやカチナなどを扱うトレーディングポストが軒を連ねています。
残念ながら最近では閉めてしまってるお店も多いですが、今でも看板や道路のオブジェにはカチナ(インディアンの精霊)をモチーフとしたものが多く、インディアンジュエリー好きの心をくすぐる光景が残っています。

住人もインディアンが圧倒的に多く、その他白人やアラブ系の方も見かけますが、私達アジア人を見かけるのはごく稀です。
『インディアンって羽つけて槍持っているひとでしょ?』
日本人=サムライと同じで、誤解です。
儀式の際には伝統的な格好をしますが、普段はカジュアルな服装をしており、大きなトラックを乗り回しています。確かに男の人で長い三つ編みをしていたりと、名残が感じられますが。
現地でのインディアンジュエリーの浸透度はというと…
Tシャツにジーパンというラフな格好が主流ですが、さりげなく耳元にクラスターのピアスをしていたり、バックルをつけていたりと、結構生活の中に溶け込んでいる感が感じとれます。
一部のレストランでは、インディアンジュエリーを売る事を許可しているお店もあり、自慢の商品を片手にテーブルを周る光景を目にしたりもします。日本じゃ考えられない光景です。
現地の人の娯楽といえば酒飲みでしょうか。(確かにアル中の人が多い!)
しかしダウンタウンにはBarが5件程しかありません…。
日本での生活に比べたら娯楽の少ない街の様に感じたりもしますが、圧倒的な大自然を目の前にすると、こんな生活もアリかな~っと思ったりもするのでした。
最後にイージーライダー気分をお楽しみください。