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アイコンはクラスターを施したマライカ象。

世界の民芸、工芸品のすばらしさを伝えるマライカです。

 

ではサンタフェインディアンマーケットに行ってまいりまーす!

8月はネイティブアメリカンの夏祭り。

フィデルバヒという人

「表に出ない巨匠」というにふさわしいフィデルバヒ

彼の作品がオンラインストアにアップされました。

まずは彼の経歴から。

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1949年生まれのナバホ族。アリゾナ州セブダカイで育ったフィデルバヒは、2人の姉妹と5人の兄弟の8人の子供の長男です。24歳で銀細工を始め、彼自身の創造的な才能からデザインされる伝統的なナバホ族スタイルのジュエリーを作り続けています。

1976年にプレストン・モノンギはフィデルを弟子として受け入れ、職人になるための基礎と技術を教えました。 10か月の見習いの後、フィデルはサンタフェインディアンマーケットでジュエリーを持っていき、エントリーしたすべての作品で受賞しました。

クラフトの基礎を学んだ後、彼はビクター・ベックと見習い、現代のスタイリングを学びました。チャールズ・ロロマは彼の作品のインスピレーションでもあり、フィデルに彼の芸術を新しい方向に導くためのアドバイスを与えました。

溶接学校に通っている間、フィデルはエジソン・スミスと彼の親戚のウィルソン・ジム、トーマスカーティスに会いました。彼らにインスピレーションを受けて、伝統的なデザインを作品に戻しました。それ以来、フィデルは品質、一貫性、独自性、文化的および芸術的価値に重点を置いてきました。

長年にわたりサンタフェ・インディアン・マーケットで多くの作品に参加し、1991年まで1位のリボンと2位の2つのリボンを獲得した後、競争に戻らないことを決めるまで毎年リボンを獲得しています。

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インディアンジュエリー界では知らない人はいない、名だたるアーティストたちと共に仕事をしてきたフィデルバヒ氏。

「お客様に伝統を届ける」という一貫性があったので、アメリカでも自身が信用できる数少ないギャラリーでしか取り扱いがなく、それなのになぜか自分の作品は日本にたどり着いているということを疑問に思っていたという彼。

「伝統の継承」「インディアンジュエリー界の底上げ」という使命も持っていて、彼と話すと背筋が伸びる、そんな素敵な魅力があります。

デザインが簡単にコピーできる今、「伝統的」というものの価値がよく分からなくなっている。

「売れるか売れないか」の前に、「伝統を継承する」「アートをつなぐ」という使命がある人がアーティストだ。

フィデルバヒの名言はまだまだ続きそうです。

8月はネイティブアメリカンの夏祭り。

アメリカ、ニューメキシコ州では今週、来週とお祭りの賑わいをみせています。

ギャラップではセレモニアルというお祭りが今週末行われ、

 

来週は、サンタフェインディアンマーケット。

↓2018年

インディアンマーケット

↓2017年

インディアンマーケット

 

アーティストたちもせっせと作品作りに励みます。

サンシャインリーブスのコンチョベルト、スタンプワークを施したところです。ここにセットする石を選んでいました。

この時期のお祭りには、ニューメキシコ州近辺の人だけではなく全米のネイティブアメリカンのアート作家が集まります。

というわけで8月は全米からたくさんのお客様やコレクターが集まり、アーティストにとっては寝る間を惜しんで働きづめになるという一年で最も忙しい月。

お客様や地域の人々にとってはお祭りですが、アーティストにとっては多忙を極める時期でもあります。

フェアにお越しいただきありがとうございました。

ご無沙汰しております、ニューメキシコ州に帰ってきた駐在Rです。

時差ボケ真っ只中ですが、帰ってきて早速、メキシカン料理を食べました。

 

お礼が遅くなってしまいましたが、心斎橋店、青山店のフェアにお越しいただいたお客様、本当にありがとうございました!!

 

気づいたらこんなレポートが出来上がっています。ありがとうございます。

Steve Arviso in AOYAMA 2019 イベントレポート

 

青山店のカウンターを直していたとは(笑)

 

アーティストを日本に招くと毎回学びが多いです。

現地にいると当たり前のことでブログや口頭で説明してもまだまだ伝わっていないことも多いなぁと実感します。

どこからどこまでが手仕事なのか、なぜそこを手仕事で作るのか、ほかのアーティストとこの人の違いは何か。

感覚的にとらえているこういった少しの違いを言葉にするのはとても難しいのですが、その部分をもっと届けていきたいと思っています。

アーティストインタビューはその一環で、知ることができないアーティストの姿が覗けると思いますのでぜひ見てくださいね!!

お客様と直接お話しできて私自身もかなり充電され、新しいアイディアもたくさん生まれました。

 

以下、STORYの青山店店長さんからの素敵な言葉。

Dear Steve Arviso
また来てください 。あなたの作る力強くも落ち着き払った佇まいのシルバーワーク、
またターコイズなど石との調和からは、言葉が必要なくなる気品が生まれ、身に着ける私達の背筋がシャンっ!とします。
ありがとうございました。
from 青山店 担当 N

トゥファキャストの原点

先週の投稿に続き、アーロンアンダーソンのご紹介です!

スタジオにお邪魔させていただいて貴重なものを見せてくれたので、共有せずにはいられない!ということで今に至ります。

“Best of Tufa”のアーロンアンダーソンが、お父さんに教えてもらったというとても古いトゥファキャストの技法。
トゥファキャストの原点といっても過言ではないかと思います。

通常、1つのトゥファにデザインを彫り出し、もう1つの平らなトゥファを合わせてシルバーを流し込みます。
しかし、この古い技法では2つのトゥファにデザインを掘り出していきます。
このとき2つのトゥファは対象であることが絶対条件となります。

(リングサイズとなるトゥファで作った棒がピッタリとハマるように溝を掘る)

(リングの片側(半分)のデザインを彫っていく)

(片面完成)

(もう片側も全く同じように彫り進める)

ここまできたらイメージができやすいのですが、通常のプレートを作成してリング状に曲げていく工程ではなく、リングをそのまま立体に作成する技法になります。

デザインが完成したらいよいよキャスティング。

力強いというか生命力が凄いというか…
なんとも言えない感情がこみ上げて、なぜかアーロンとハイタッチをするほど2人ともテンションが上がってました。

とは言うのもこの技法、時間も素材費も普通より高くなり、きれいに成功させることも難しいということでアーロンも久しぶりに挑戦したみたいです。

そして、作成途中ですが磨き上げたリングがこちら。

インパクトがものすごい!
見ただけで分かる重厚感と着けてわかる重量感。
この魅力は他では味わえないと思います。

という貴重なものを見せていただいたのでご紹介させていただきました。

しかし!
申し訳ありませんが、今現在では入荷の予定はありません…
今後検討していきます。

シンプルだからこそ難しく、シンプルだからこそ奥深い。
そんな魅力に触れることができました。

 

〇オフショット〇

(フェイクヘアーとバンダナのナバホスタイルのアーロン)

いよいよ!明日13日開催!!

いよいよ明日に迫った

インディアンジュエリーフェア2019!!

心斎橋店:7月13日(土)と青山店:7月15日(月・祝)の2日間。

ナバホ人気アーティストのスティーブアルビソ氏をお招きしてお届けいたします!

〇アメリカ駐在ブログより
アーティストインタビュー スティーブアルビソ ジュエリー編
アーティストインタビュー スティーブアルビソ 考え方編
↑こちらもご覧ください!

ハイグレードジュエリーとハイグレードターコイズに囲まれる至福のひと時をみなさまと楽しめたらと思います!

是非、店頭へお越しくださいませ。

【NEW】アーロンアンダーソン

マライカでも人気の高いトゥファキャストの巨匠、ナバホ族アーティスト「Aaron Anderson(アーロンアンダーソン)」のご紹介です!

先日、アーロンにお誘いいただいてスタジオにお邪魔させてもらい、ジュエリー製作見学と実際に製作体験させていただきました。

(奥に見える建物がアーロンのスタジオ)

キレイに掃除されたスタジオには、絵画が飾られていたり、オレンジの壁にターコイズブルーの窓枠、天井には空のペイントがされていたりとなんともクリエイティブな雰囲気漂う空間でした。

そもそも「トゥファ」とは石灰岩の一種で、この石にデザインを彫りだしてシルバーを流し込み作られる技法がトゥファキャストと呼ばれています。

トゥファは、非常に柔らかく掘りやすいのが特徴ですが、その反面崩れやすく角が欠けたり深く掘りすぎたりと力加減が難しい…
そして均等に平らにする作業がより難しかったです。
同じにするための見極めは「影」と教えてもらいました。
上の写真のようにすべての影が同じ深さになるようにライトを当てながら確認して削る作業を繰り返して平らに仕上げていきます。

次にデザインを鉛筆で描いてそこを彫り出していきます。
一番盛り上がるところを深くして、デザインによって何段階かの深さに分けて彫り進めていきます。
細かい作業が続きますが、一瞬でも気を抜くとラインがズレたり深く彫りすぎたりと失敗は許されず気が抜けません。
最後はアーロンに手直しをしてもらいました。

彫り出しが完成したらいよいよキャスティング。
陶器の中にシルバーを入れてバーナーで溶かしていきます。
(車のホイールに、トゥファの破片が台になってるところがなんともアーロンらしい)

キャストしたものをグラインダーで削り整えて、形を成形し、磨き上げをしていきます。
さらに燻し加工を施し、さらに磨いていきます。
この丁寧な作業を何度も繰り返し行うことでアーロンの素晴らしいジュエリーが完成していきます。

こちらはアーロンの新入荷ジュエリー。

作る姿を見学し、実際に体験してみるとアーロンの技術がいかに素晴らしく、他の人に真似できない技術であることを感じることができました。

アーロンは常に新しいデザインのジュエリーを生み出し、クリエイティブに活動しています。
彼は「作ることが楽しい」「作っている時間が幸せ」といつも言っています。

アメリカンロックを大音量で流しながら楽しんで作り出される作品には、パワフルで遊び心のある、元気のもらえるジュエリーばかりです。

 

【イベント告知!!!】

今週末に「インディアンジュエリーフェア2019」開催します!!
心斎橋店:7月13日(土)と青山店:7月15日(月・祝)

ナバホ人気アーティストのスティーブアルビソをお招きしてお届けいたします!

ハイグレードジュエリーに囲まれながらの2日間、必見です!
※詳細は、告知画像をクリック↑

 

アートの街「サンタフェ」

ギャラップから北東へ200マイル(約320km)の道のりをドライブして訪れたのが、アートが盛んな街「サンタフェ」です。

サンタフェの街並みは、日干しレンガで建造された“アドビ建築”の建物が立ち並び、独特な雰囲気を醸し出しています。
中心街から少し歩いたところには「Oldest House Museum-アメリカ最古の家」というアドビ建築で建てられた最も古い家があります。

サンタフェには、ジョージア・オキーフ美術館やニューメキシコ美術館が代表するようにアートが盛んな街です。
そして、美術館だけではなく至る所にギャラリーが点在し、伝統的な絵画をはじめ、コンテンポラリーアートや彫刻など多岐にわたる芸術に触れることができます。

「キャニオンロード」という道路沿いには様々な作家の画廊が所狭しと並び、個性的な現代アートに触れることができます。

そんなサンタフェは、スペインやメキシコなどの文化が融合された都市でもあります。
歴史や伝統を守りつつ、多文化を取り入れることで新たなものを創造していく。
その風土が芸術的な感性を生み出し、街から漂う魅力的な空気に多くの芸術家が集まるのではないかと思います。

インディアンジュエリーも歴史や伝統から生まれ、現在まで至る芸術の一つです。
多種多様の感性と思いを込めた芸術品に触れ、そして身に付けることができることに改めて感動を受けました。

 

【NEW】ロンパーカー

晴れの多いギャラップですが、今日の空は少し曇り気味です。
ギャラップから南へ約60kmのところにズニのリザベーションがあります。
そのズニで本日、「レインダンス」が行われるとのこと。
曇りの要因に神聖な力の影響もあると思い、ネイティブアメリカンの凄さを感じております。

それでも日本では、やはり晴れの日を好む方が多いようで…
曇った空も跳ね除けるような、素敵なジュエリー「Lonn Parker」のリングが新入荷していますのでご紹介していきます。

真っ青なスカイブルーのスリーピングビューティーターコイズをインレイした作品。
晴れた日のニューメキシコの空色にも近いスリーピングビューティーは、まさに空の石と呼んでも過言ではない澄み切った綺麗さがあります。

人気のマルチカラーリングも入荷しています。

ヨットが似合いそうな白色の長髪を後ろで束ねて、ジュエリーを2,3個持ってきてくれる笑顔のロンパーカー。
独学で身につけた技術と、独自に追及している美はオリジナリティあふれる立体構造のインレイを生み出し、完成度の高い仕上げは気品あふれる名品ばかりです。

ベネットカゲンヴェマの芸術作品

前回のブログ「ホピの季節」でも少しご紹介した、ホピ族のBennett Kagenvema(ベネットカゲンヴェマ)のご紹介です。

ホピ族を代表する「オーバーレイ」という技法で仕上げられるインディアンジュエリー。
2枚のシルバーを重ね合わせており、デザインを細い糸ノコでカットしたシルバープレートを土台のシルバープレートの上に貼り合わせていきます。

(※こちらはベラタワホングバのカットしたプレートです。)

このデザインを描くだけでも難しいのに、それを糸ノコでカットしていくなんて…
感服の職人技です。

中でも本日ご紹介しているベネットカゲンヴェマは、絵画の如く繊細なタッチで描かれ作り出されるジュエリーは、ついつい見惚れてしまうまさに絵画のような作品を生み出しています。

引っかき傷のように掘るエングレーブといわれる技法やスタンプワークを駆使し、よりリアルに立体的に描かれる作品がベネットカゲンヴェマの最大の特徴であり魅力の一つです。

ジュエリーに落とし込んだホピ族の伝統と大自然を感じつつ、身に着けていただけたら嬉しく思います。