ホピの季節

先週末、今週末とホピ族のいろいろな村でダンスが行われています。

トウモロコシの種まきが終わり、今は「祈り」のシーズン。

雨を降らせ、作物を実らせてくれますようにという祈りのダンスが行われています。

そんなホピ族、ジュエリー作家が年々減少していて作品が手に入る量が圧倒的に減っています。

それもあり、人気もうなぎのぼり。特にしっかりしたカットでちゃんとモチーフが入っているものが手に入りにくくなっています。

そんな中定評のあるクリフトンモワ、一気に入荷しました。

安定した細かいカットとキュートなモチーフが人気です。

さらに、入荷と共にすぐに売り切れるベネットカゲンヴェマのこのシリーズも。

 

アリゾナの美術館で、「シークレットガーデン」(秘密の庭)と名付けられているこのベネットのシリーズ。

伝統工芸という言葉を超え、「圧巻」「芸術」という言葉がぴったりのこの作品たち。

これを手にすることができるということにただ感謝してしまうような、芸術作品です。

ハーマンスミスの新作入荷

六月に入りましたね。

ニューメキシコ州もようやく暖かく、日差しが強くなってきました。

ハーマンスミスの新作が入荷しています。

ハーマンのバリエーションが見られるようにいろいろなスタイルが入荷しています。

スタンプワークや動物の形、オールドスタイルからコンテンポラリーまで、実はとても幅広いデザインのあるハーマンスミスですが、スタジオに行ってみると本当に最小限の道具から作り出されていることに驚かされます。

 

 

まさに芸術、まさにクリエイションといえるハーマンスミスの作品。

こんなにたくさん彼のスタイルが一気にそろうことは今までにありませんでした!

一度着けたら何度も眺めてしまう「洗練されたスタンプワーク」

そろっている今、ぜひ彼の作品スタイルを見てみてくださいね。

Darrell Cadman

雨が降ったり雪が降ったりと寒い日が続いていたギャラップですが、
やっと日差しが顔を出し、暖かくなってきました。

暖かい季節になると、森へ行き狩猟をしたり、川や湖で魚釣りをしたりとニューメキシコ州らしいアウトドアシーズンが到来します。

(アメリカの鹿は、日本の鹿よりビッグサイズです。こちらはお店にある剥製。)

もちろんアーティストの中にも、大自然に向かう人もいます。
ダレルキャドマンもその一人。

先日、エルク(鹿)を仕留めて、マスを釣ってきたとのことでおすそ分けをいただきました。

解凍後の鹿肉。
さすがダレルキャドマンで、細部までこだわったジュエリーのように下処理が上手でした!臭みも全くありませんでした。

美味しく頂きました。

そんなダレルキャドマンの新作も続々入荷しております。

人気のダレルキャドマンの石付きシリーズです。
日本への到着が楽しみです!

 

アーティストインタビュー アーノルドグッドラックその2

 

前回の記事はこちら。

アーティストインタビュー アーノルドグッドラックその1

 

アーノルド:経験でスタンプはちょうどいいデザインが出来上がると思うんだけど、妻はすべて線を引いて、どこに何を打つかを決めないとできない。「適当に」感性に任せてスタンプを打っていくというのは経験がないとできないと思う。

アメ駐:なるほど、アーノルドは地元の学校の役員もずっとやられていますけど、昔と今を比べてナバホ族の文化についてどう変化したと思いますか?

アーノルド:僕たちが子供のころはいろいろなルールがあいまいで、とてもワイルドだったよ。祖母が道端に露店を出してそこでハンドメイドのナバホラグを売っていたんだけど、その時「ちょっと店番してくれ」って頼まれて一人でよく店番をしていた。7歳のときだったかな。

これは今は笑い話で、祖母のラグを50ドルで売るはずだったんだけど、長距離トラックの運転手が「亀二匹と交換してくれ」って言われて子供の僕は50ドルよりも亀二匹のほうが嬉しかったから、交換してラグをあげたんだ。祖母には恐ろしく叱られたけどね。

こういうワイルドな出来事がたくさんあったけど、子供のころ良い所も悪い所も見てきたから今思うとそれがすべて学びになって今につながっていると思う。

昔は本当に嫌だったけど、羊を売りに行ったり、牛を売りに行ったり、羊の毛を飼ったり今でいう肉体労働を子供のころからたくさんしていて、その中で学んだことはたくさんあるしとてもそのことに感謝している。

学校の会議に参加していると、みんな「学校教育がすべて」という風に思っているけど、実際はそうじゃなくて経験してきたことすべてが学びになると思うよ。

アメ駐:すごい、まさにそうですね。その中でどう工夫していくかというのを学ぶのがまさに実践的な勉強ですね。

いつもショーの出展などで忙しいアーノルドですけど、家畜の世話って本当に大変ですよね、それでも続けるのはどうしてですか?

アーノルド:うーん、あまり深く考えたことはないけど、そういう風に育てられたからだね。僕も妻の家族もみんな羊持ちの家庭で育って、妻の祖父は羊を600頭も飼っていた時もある。羊の数は地位を表すし、羊といろいろなものがトレードできるからね。

アメ駐:どこかで商売人の地が流れているんですね。

アーノルド:僕が最初にお金を稼いだのは5歳ごろなんだ。その祖母の店番をさせられているときに、化石化した木(ペトリファイドウッド)を一個25セントで売ったら売れて、その次の週に箱いっぱいに集めて、また売った。

アメ駐:完全に商売人ですね笑

アーノルド:その時はいとこが隣で同じ商売をし始めてすぐにやめたけどね笑

自分で作り出したものを売ったり、自分が発見したものを売ったりしてお客さんが喜んでくれるというのが一番の経験で、それは今も変わっていないし僕の人生はそれがすべてかな。

最初は興味のない所から始まるんだよ、何事も。それを一生懸命経験していくことと勉強して上達していくことから身になっていくんだ。

娘たちは僕のシルバースミスとしての仕事に全然昔は興味がなかったけど、今は自分でジュエリーを作ることにとても興味を持っている。

今後もグッドラックジュエリーとして続いていけるような父でありたいと思うよ。

アメ駐:感激です。アーノルドのスピリット部分が少しわかったような気がします。本当にありがとうございました!

アーノルドグッドラックは、「グッドラックジュエリー」としてネイティブアメリカンのジュエリーショーだけではなく、ウェスタンやファッションなどのいわゆる「白人さんのショー」というイベントにも参加して、自分たちがハンドメイドで作るジュエリーの良さをお客様に直接伝えるということを積極的に行っている数少ないシルバースミスです。毎週のように様々なイベントに出展し、本当にみんな働き者のグッドラック家。

アーノルドのジュエリーはこちらから。

アーティストインタビュー アーノルドグッドラックその1

今回はアーノルドグッドラックのインタビューをお届けします。

あまり知られていないのですが、彼の曽祖父にあたるHosteen Goodluck(ハスティーングッドラック)は1920年代のインディアンジュエリーが作り始められた時代の非常に有名なシルバースミスでした。

ハスティーンは1920年代から40年代ごろ有名なトレーダーの下で働き、彼のコンチョベルトやスクオッシュブロッサムは博物館や有名コレクターに納められるジュエリーとなっています。

 

アメリカ駐在(アメ駐):アーノルドは元々はどうやってジュエリーづくりをすることになったんですか?

アーノルド:父のテディグッドラックのジュエリーづくりを小さいころから手伝っていたよ。1970年代ごろかな。でも学校に行き、大学まで行けることができたからそれまではずっとやっていなかったんだ。大学で出会った今の妻と結婚するんだけど、1980年代の後半に妻がまたジュエリーを作り始めたんだ。

アメ駐:そうなんですね、じゃあ元々はジュエリー作家になる予定じゃなかったんですか?

アーノルド:うん、家畜の病気のケアや世話の専門家になる予定だったんだよ。まぁ今もその知識は牛や羊に使っているけど、ジュエリーを本業にするとはその時は思っていなかったかな。

アメ駐:なるほど、曽祖父のHosteen Goodluckが有名だったのはその時知っていましたか?

アーノルド:あまり知らなかったね。ジュエリーを売るようになってコレクターの人に「グッドラックということはハスティーンと関係があるの?」と聞かれて、そんなに有名だったことを知ったんだ。

彼のジュエリーは、羊の世話を手伝ってくれた支払いの代わりにその従業員に送られたりしていたようで、実際に商品としてたくさん売られていたわけじゃないんだ。

その時代は刻印が使われていなくてシルバースミスもとても少ない時代だったから、作品の鑑定というか、それがハスティーンのものかどうか聞かれることも今ではよくあるよ。

アメ駐:最初アーノルドと奥さんがジュエリーを作り始めた時のスタイルというのはどんな感じだったんですか?

アーノルド:父のテディはシャドーボックスのスタイルでとても知られていたから、シャドーボックスのスタイルを作りそれを一つのトレーダーにずっと売っていたんだ。

アーノルド:でもその会社が急に倒産してしまって、自分たちでショーに出ていろいろな人に売るようになってから今のスタンプワークや動物モチーフ、伝統的なスタイルのものを要望に応じて作り始めたのがきっかけかな。

アメ駐:なるほど、だからこんなにいろいろなスタイルが作れるんですね。

アーノルド:最初はシャドーボックスしか作れなかったけど、お客さんの要望に応えるために道具をそろえて、やってみて、磨いていく、それを繰り返したからかな。それしか上達の道はないよ。実はジュエリーを作り出した妻は、スタンプはできないんだ。

 

次回につづく。

アーノルドグッドラックのジュエリーはこちらから。

 

Gary & Elsie Yoyokie

マライカでも人気のホピ族の作家、ゲーリー&エルシーヨヨキ。

極細の糸ノコを用いて繊細にカットされるデザインは、まさに芸術品です。
サンフェイスをはじめ、鳥や蝶などの動植物が描かれる多彩な作風は多くの方に愛されています。
また、ポップで可愛らしいモチーフも人気の秘訣です。

そんな多彩なヨヨキ夫妻が好んで描くモチーフは、いったいなんだと思いますか?
それは…

「水」 のモチーフです。

花と水のデザインのオーバーレイバングル

その理由は、「Yoyokie(ヨヨキ)には、ホピの言葉で「雨」という意味があるんだよ」と、エルシーヨヨキさんにお伺いしました。

そのため、水をはじめとする雨や雲、嵐のモチーフも多く描かれています。

ホピ族のジュエリーでも「水」をイメージしたデザインをよく見かけます。
自分の名前に誇りを持ち文化をジュエリーに落とし込んでいく。
そんな姿勢がジュエリーを通して伝わり、その魅力に心奪われてホピ族のジュエリーの中でも人気が高いのではないかと思います。

新入荷続々、

長いゴールデンウィークが終わりましたね!時代は令和。

しかしアメリカは何も変わらない毎日が流れております。

 

オンラインショップも今週から復活!

続々と新入荷が入っていますのでぜひご覧ください。

ジェニファーカーティスのリングが再入荷しています。

 

ズニものも密かに少しずつ増やしています。

今まであまり注目することがなかったズニものですが、本当にたくさんのバリエーションがあってみているだけでも楽しいです。

そしてこちらはハリソンジムの新作。

チゼルのサンバーストデザインでシンプルに仕上げた作品。

このシリーズはとても人気があります。

 

 

 

新入荷、ペリーショーティのバングルとリング

ゴールデンウィーク、皆様いかがお過ごしでしょうか?

長い連休ですね。この機会にぜひ店頭でインディアンジュエリーを実際に手に取り身に着けてみてください。

マライカ各店、皆様のご来店をお待ちしております!

(ちなみにオンラインショップはお休みとなりますのでご了承ください。)

皆様お待ちかね。ペリーショーティのコインシルバーリングが入荷しています。

何点かリングは入荷しているのですが、入荷と同時に売り切れが続いていますのでどうぞお早めに。

 

 

さらにこちらは細身のコインシルバーバングルです。

細身のシンプルなスタンプワークのものをずっとお願いしていて、ようやく実現に至りました。

こちらはジェニファーカーティスの一風変わった、重厚感のあるとてもスタイリッシュなデザイン。

まだオンラインショップに掲載されていない新入荷のジュエリーが、実店舗にはたくさんございます。

ネットで見るのと実際に着けてみるのでは触感が違ってよかったというお客様もたくさんいらっしゃいますので、ぜひ実店舗で試着してみてくださいね!

 

※GW期間休業のお知らせ

いつもマライカオンラインショップをご利用頂きありがとうございます。

GW期間中は4/27(土)より5/6(月)までお休みを頂きます。

4/26(金)13時以降のご注文並びに17時以降のお問い合わせにつきましては、GW明け5/7(火)より順次発送・対応させて頂きます。

連休明けのご注文状況によりましては日時指定を頂いた場合でもご希望に添えない場合がございます。
また、休業期間中のメールでのお問い合わせにつきましてもご返信までにお時間を頂く場合がございますので予めご了承ください。

ご迷惑をお掛け致しますが何卒ご理解くださいますようよろしくお願い申し上げます。

訃報

突然の訃報です。

ノーバートペシュラカイの娘でありアーティスト、ナターシャペシュラカイが急逝されました。

半年ほど闘病をしながら、退院している際には少しずつジュエリーを製作し続けていました。

残念という言葉以外出てきません。

心よりご冥福をお祈りいたします。

 

アーティストインタビュー スティーブアルビソ 考え方編

アーティストインタビュー続編

前回の記事はこちらから。

アーティストインタビュー スティーブアルビソ ジュエリー編

アメ駐:デモンストレーションなどで日本に行って、たくさんの日本人と知り合って、率直に、日本人のことをどう思いますか?

スティーブ:僕はアメリカの外には日本にしか行ったことがないから比較しようがないんだけど、とても勤勉でよく働いて、ものの本質を見る人が多いなと思うよ。

アメ駐:なるほど、じゃあナバホ族の人についてはどう思いますか

スティーブ:・・・・それはすごく難しい質問だね。ちょっと時間がほしいなぁ。僕はコミュニティの村長をやっていて、ナバホの政府の仕事もしたことがあるからすごくそれの返答は難しいね。。。。

やっぱり、怠惰だっていうのはあるね。それは日本人とたくさん出会っているから比較できるんだけど。

あとは言い方が難しいけど、「現実から取り残されている感じ」はあるかな。歴史的に見ても、ナバホ族というのは本当に賢くて強い部族なんだ。でもそれを活かせていない。頭のいい人たちは都会に出て行ってしまって、リザベーションに戻ってこない。もちろんそれは歴史的な問題だけどね。

アメ駐:それはきっとどこの国にも言えることでしょうね。

スティーブ:ジュエリーもそうだけど、「伝統を守ること」をずっと続けてきたから、外部との接触とかそれを盗まれるや公開することにすごく敏感で新しいことがなかなか受け入れられないんだ。

アメ駐:そうなんですね。ソーシャルメディアも今は持っているアーティストが増えましたけど、それについてはどうですか?スティーブも最近インスタグラムを始めたんですよね。

スティーブ:まだ抵抗があるし、僕ら世代の人々にはやっぱりいいイメージというのはない人が多いと思うんだけどね。昔はみんな貧乏で、みんなお金がない、お金持ちは白人だけという社会だったから、同じ部族の中で格差ができるとすぐに妬みになる。自分は村長という立場でもあるし、公に出ることというのはとても勇気がいることなんだ。でもアーティストとしてそういう社会を変えていくべきだとも思っている。

アメ駐:伝わらないともったいないと私も思います。スティーブは仕事ということ対してどう思ってますか?スティーブにとっての仕事とは?

スティーブ:僕にとっての仕事ね。(しばらく考えて)これは今の意見でいいの?年代と環境によって全然変わってくるからね。若い時はお金ありきだったけど。。。。

アメ駐:今の考えで大丈夫です。

スティーブ:仕事とは、一言で言うなら「家族の生活をよくするもの」だね。

僕にとっての一番の仕事は、雪かきをしたり、雨で流された土を埋め立てたり、家の周りを過ごしやすいようにきれいにすること。

次は、馬に牧草をあげて、馬の様子をチェックすること。

そして、子供たちや家族に必要なものをそろえること。

そのためにお金が必要なのであれば、そのためのお金を準備するためにジュエリーを売る必要がある。

アメ駐:アーロンアンダーソンのインタビューでも同じような答えが出てきました。子供たちが卒業したらジュエリーは作らないかもって言ってましたよ。

スティーブ:そうなんだ、でもきっとアーロンは作り続けるだろうね(笑) 

例えば人生に満足してしまったら仕事なんてする必要ないんだよ。だから、仕事をしているということは何か改善したいと思っていることがあるということ。経済面でも、生活の面でもいいけど、だから人間は一生満足しちゃいけないんだと思うよ。

アメ駐:なんだかかなり深い話になってきましたね。大切にしている人生の教訓はありますか?

スティーブ:教訓ね。自分の信念というのは言葉にするのは難しいけど、僕は甥っ子が多いから、彼らにはいつも「Don’t do anything in half ass」っていうのはよく言うね。

アメ駐:直訳すると、「何事も半ケツでやるな(笑)」

つまり中途半端にやるなってことでしょうか。

スティーブ:そう、何事も、やるなら全力できっちりとやる。中途半端にやるくらいなら、やらない。

例えば馬の世話。昨日甥っ子に、馬に水をあげてって言ったら、汚い水がまだ入ったドラム缶にきれいな水を入れるんだ。そんな中途半端なことをするんだったら、やらない方がいいって怒ったばっかりだよ。

アメ駐:そのスピリットはスティーブのジュエリーにも表れてますね。

本当に興味深いお話、ありがとうございました!!

 

スティーブアルビソのジュエリーは見れば見るほど繊細で丁寧な仕事だと感心します。スピリットやこだわりを聞くと、作品を見る目が全く変わってきます。