Artistであること 続

先日のブログの続き、少し追記します。(長いです。)

先日話が開花した、その時のジュエリーはこちら。IMG_6761

ここのところ、「こんな感じ」とこちらからデザインを提案することが多かったので、久々に自分の頭のイマジネーションから一から作りたかったとのこと。

簡単に見えますが、凹凸が反対になっているのが分かりますでしょうか。
これをトゥファストーンに刻み、シルバーが均等に流れ込むように一つの作品として作ることは相当な技術がいります。

こういう見えないところでの努力、少しだけ他の人とは違う技でクリエイトしてみる、という姿がアーティストのあるべき本来の姿なのかなと思いました。

というわけで先日のブログを踏まえてのArtistであること、続き。

その時その時の創造で変えていく
前回オーダーしたものを印刷して渡しオーダーしても、それと全く同じには出来上がらない。

これはアーティストに限らず毎回のことです。
「このベゼル(石留め)の方がいいと思ったから」「このスタンプの方が石には合う」
見た目はほんの少しの違いで、言われなくては分からないようなところでも、少しずつ変えてみる。
確固とした理由ではなくても、その時その時の創造で変えていくから、なのです。
そのため、デザインを記憶しているアーティストはあまり多くないです。いくら写真を撮って記録したところで、それはその一つの作品。その次の作品は違うもの。という考え。

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自分の刻印が入る作品への責任
こちらで選んだターコイズを渡した時は、「この石は使いたくない」と言われることもあります。
最初に言われたときはビックリしましたが、すべてに「自分の刻印が入る作品」。

10個オーダーして1個だけ、できていない。「少し良くなかったから作り直している。」
ほんの少しの磨きやロウ付け、見逃したとしてもすぐに直すと言ってくれる、
(早くまとめて届けたいのにとバイヤーとしては思ってしまうのですが、)
そういうこだわり、譲れないところがあるのがアーティストです。

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コピーされることを恐れない。
インディアンジュエリーが少しずつ浸透していくにあたり、今までになかった「流行」も
ジュエリーのデザインを左右するようになってきています。

その流れで、「それっぽいもの」を作り売るシルバースミスも多くなってきました。
反対に、20年前と全く同じデザインをいまだ作り続けているシルバースミスもいます。

彼らの作るジュエリーがいいか悪いかではなく、そのプロセスや時代を踏まえた「ネームバリュー」がある「アーティスト」となっている人たちはその一歩上のステップを踏んでいるということです。

一見、とてもシンプルな作り、簡単そう・・・高くなさそう・・・・と思うデザインもあります。
真似してみると、簡単なのかもしれません。

でも、どのアーティストの作品も全く同じ作品はその人の技術とこだわりがなければ作れないものです。

以前、「日本人に売ると写真を撮られて中国で大量生産されるぞ」と言ってていたトレーダーがいたそうです。本当にあった事実なのか、利益を独占するために言っていたのかわかりませんが、一部のシルバースミスはいまだにそれを信じている人がいると言います。

アーロンアンダーソンは、それに対し、「そこで信じて怖がっている人はそれまでだ。コピーされて簡単に真似できるようなものしか作っていないということ。どんどん新しいものを生み出して、コピーされる人たちが追い付かないようなものを作っていかなければいけない。」と言っています。
ブランド物なんかも同じですよね。

なんか書いてて難しくなっちゃいましたけど分かりますでしょうか。。。

アーティストと呼ばれ、取引されている作家たちの作品には「オリジナリティ」があり、それが
私たちバイヤーや販売員の「売り」となり、皆様の目を引く「こだわりのある作品」となる。

それがインディアンジュエリーが「魂のこもった作品」と呼ばれる理由の一つでもあると思います。

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亡き父Gary Reevesのコピーから、自ら新しいデザインを生み出して一気にアーティストとしての階段を上がっている、Bo Reeves

Artistであること

今日は久々に「One of a kind」の一つだけのジュエリーを作り上げた、アーロンアンダーソンと長話しました。内容を録音しておけばよかったと思うぐらいに、プロフェッショナルの一話にもなり得そうな熱く濃い話でした。その一部をシェア。全体的な話としてはシルバースミスのレベルアップについてでした。

  • 技術+デザインが真のアーティスト

「最初は模倣から入って技術を学び、そこからいかに自分のオリジナリティをプラスしていけるかが「アーティスト」と呼ばれる堺となる。」

色々なアーティストにトゥファキャストの技術を教えてきたアーロンだからこそのこの意見。ホピのジェイソンタカラ氏も全く同じことを言っていました。

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  • 他の人の作品はなるべく見ない

「他のアーティストの作品を見ると、影響されることがある。畑のちがう本や芸術品などはいいけど、同じ仲間のアーティストの作品はなるべく見ないようにしている。いつも頭の中で自分のオリジナルのデザインを考えている。」

  • 自分がアーロンアンダーソンであることに誇りを持つ

「トゥファキャストの駆け出しのころ、誰も作ったことがないようなオリジナルのデザインを作り上げては、トレーダーやバイヤーたちに「こんなデザイン売れない」と買ってもらえないときが続いた。それでも進み続けた結果少しずつ売れて名前が知られるようになった。」それが自分の作品の価値を下げないことにつながり、今に至ると。0000000121752

いち「シルバースミス」から「アーティスト」となり名前でジュエリーが売れるようになるというのは並大抵のことではないと容易に想像できますよね。

どこの国の伝統工芸もそうだと思うのですが、様々なデザインがすでに作り出されて模倣もとても簡単な現在は、「オリジナリティのある若手アーティストの育成」がとても難しいです。「似ている作品」は少し勉強すればすぐに作ることができるけど、その先を行く新しい作品が作れる作家が真のアーティストとして確立していくんだと思います。

そういう目でアーティストたちの作品を見ていくのも面白いと思います。

 

今年も人気、サンシャインのアイテム入荷。

 

先週は、ズニのレインダンスを見せてもらいに行きました。暑い中願いを込めて踊り続ける姿はいつ見ても見入ってしまうものです。

猛暑を吹き飛ばすべく、お気に入りのジュエリーつけて出かけてくださいね。

今年も引き続き人気爆発中のSunshine Reevesの新作入荷。

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4面スタンプのバングルと、↓新しいスタースタンプのツイストバングル。

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ぜひ重ね付けしてほしいです。

そしてこちらは前回入荷してあっという間に売り切れたインナーリング。

内側にスタンプが施してあり、どんなシーンにでも使えるペアにもおすすめのリングです。

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夏にふさわしい、石付きのバングルも数点新入荷しています。

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ズニのレインダンスの二日後、見事に雨が降りました。

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ジェイソンタカラのリングが新入荷しています。ゴールドメイズのシンプルなデザインに、手の内側に来るようにワンポイントが入れられたリング。

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リングは他に8点、そしてすぐに売り切れてしまうジェイソンのハンドメイドチェーンも3点入荷しました。

過去の工房訪問の写真を見直していて、やっぱり作品を作るのってすごいなと改めて思っていましたが、ジェイソンの作品作りはその中でも群を抜いて丁寧で細かいです。

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インディペンデンスデー

ブログが新装しました!これからもアメリカ駐在ブログ、よろしくお願いします!

さて昨日は、July 4th、インディペンデンスデーでした。色々なところがアメリカ色。

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歴代大統領のPEZ!

家族が集まり外でクッキングをして、花火を打ち上げるのが定番の過ごし方。1億本のホットドッグが全米で売れたとか。

花火を販売する特設テントが色々なところに設けられ、使う人は10万以上つぎこんで打ち上げ花火を買うんだそうです。「We finence!」って花火のためのローンを作る人もいるらしい。「各家庭で打ち上げ花火をする」っていうのがもうスケールが違いますよね。。。まず「手持ち花火」というものが売っていません。花火の情緒というものが・・・・。

私は花火を見に行こうと思いましたが人が多すぎて断念し、シューっと噴火する花火のセットを30ドルで買い楽しみました!

花火を買いに行ったWalmartでこんな光景が。

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↑見えますか?野生のウサギがガーデンコーナーに!

さてそんな週末でしたが今日は朝からバッタリと日本帰りのSunshine Reevesに遭遇。

家族で旅行に行ったサンシャイン。日本をいかに楽しんだか、たくさんの写真とともに話してくれました。日本の人たちは本当に親切だったと。うれしいですね。

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久々のウェズウィリー

こちらニューメキシコでは連日暑い日が続いています。
今日は途中で牛の大群が、、、。

さて今日は久々の入荷、ウェズウィリー氏の作品。

ウェズ本人も入手にとても苦戦する美しい地中海サンゴを使ったリング。
ターコイズとアイボリーの入れられた位置も絶妙です。

ダマリターコイズのオールドスタイルバングル。
ゴールド使いが美しい作品です。
ハイグレードの石を使うことに徹底的にこだわるウェズ。
石をはめるオールドスタイルは楕円や丸などすでにカットされたキャボションをそのまま使いますが、インレイワークをするアーティストは形を成型する手間がないので採掘されたラフの状態から切り出した石を使うアーティストがほとんどです。
ところがウェズはキャボションのターコイズをインレイに使います。
すでにカットされたキャボションはラフのターコイズに比べて格段に値段が高く、しかもそれを惜しげもなくカットしてインレイにしてしまうウェズウィリー。
ラフの石はまずハイグレードのものが売っていないし、カットしてもローグレードの所もある。
キャボションは自分の目で見てハイグレードだけを選ぶことができるから、と言っていました。
そのターコイズへの愛が感じられるこちらの作品。


熱が伝わってきます。

インディアン雑貨

今日はオンラインショップに登場していたインディアン雑貨を紹介します。
ジュエリーの買い付けをメインにやってますが、アメリカでしか手に入らない雑貨類も結構人気です。


ココペリとサンフェイスのこの素朴なカチナ、不動の人気です。
13センチぐらいで大きすぎず、さりげなく雰囲気を出してくれます。
アーティストもののカチナやフェティッシュなども店舗には新しいものが入荷しています。
すべて一点ものなのでぜひ店舗でご覧になってください!
セージ、フェザーなどのスマッジング用の道具も人気です。
ネイティブの聖地ならではの現地仕入れですよ。




種類が豊富になったホワイトセージ。

ネイティブの人々は、儀式ももちろんですが、家の中を浄化するような、日本で言ったらお香のような感覚でセージを焚きますね。
日本ではセージと言えばカリフォルニアのホワイトセージが知られていますが、ニューメキシコ州ではこの三つ編みのスイートグラスやブルーセージと呼ばれるホワイトセージより少し葉が小さいものがよく使われています。
スマッジング初心者の方に、フェザー、シェルの香炉、セージ類がセットになったものもあります。

先月ひどい風邪をひいたときに、ブルーセージを煮出したものを飲みました。
すごい苦くてまずかったんですが、次の日には出なかった声が出るようになりました!
薬草の力、すごいです。
先週の日曜はまたとても悲惨な事件がアメリカで起こりました。
どんな理由であれ、悲しいです。ご冥福をお祈りいたします。

ゴールドの気分、エマーソン

ゴールドのアイテムが去年から人気がありますね。
この夏も引き続き人気があるブルースモーガンの作品が再入荷。
ゴールドとシルバーの2トーンの作品です。



見た目とても豪華ですが、ゴールド使いのわりに比較的お値段が抑えめでとても人気の作品です。
ペアにも人気のリングも再入荷です。


そして、スタンプワークの人気アーティスト、エマーソンビルの新作も登場。
豪快なスタンプワークの作品で知られるジュエリー作製キャリアの非常に長いエマーソンは、スタンプづくりの名人として現地では非常に名の通るアーティストです。




がっつりと一本つけるメンズスタイルにぴったりです。
実はエマーソン、去年心臓の大きなバイパス手術をしたばかり。半年間はスタンプを打つことが出来なかったのですが、こうやって今またジュエリーを作れることが奇跡的だと語っていました。

ドンデワ新デザインとビズビーリング




ズニ族のトップアーティスト、ドンデワの新デザインのペンダントが入荷しています。
伝統的なインレイワークながら、いつも新しいデザインに挑戦していくドンデワ。
その姿勢が他のアーティストと違うところです。
トップアーティスト、巨匠と呼ばれる作家に共通するところだと思います。
そして、ビズビーと14金を使ったリングも入っています。

スモーキーの大粒ビズビーをヘビーゲージの14金ベゼルで留めた素晴らしいリング。


特に細身の14金リングは、記念日やマリッジリングに探している方が多いですのでお早めにチェックしてくださいね。

訃報

先日、ズニ族のアーティスト Tony Eriacho氏が他界されました。
安い海外製品が出回る中、ズニ族の本物のジュエリーの価値や模倣品についての教育などの活動をとても熱心に行われていた、フレンドリーでまじめな作家さんでした。
日本にも何回も訪れていて、そこでもズニの文化やジュエリーについて語っていました。
いつも一緒にショーなどの活動をしていた奥さんのOlaがドンデワのお姉さんにあたるため、義兄弟でもあり、今日ドンデワが無事にすべてが終わったと報告に来てくれました。
こんな風に部族のための熱い気持ちを持ったトニーを忘れずにと言っていました。
いつもズニ族のジュエリーが日本に売られていくことをとても喜んでいましたので、みなさんがこれからもズニ族のジュエリーを身に着けていくことを楽しみにしていると思います。