2010年受賞アーティスト第2段

ちょっと遅くなりましたが、お知らせ・・・。
2010年のインディアンマーケット受賞アーティスト、
以前のSunshine Reeves氏に続き、第2弾です。
今回は、Steve Arviso氏。
まだまだ日本では知る人ぞ知る存在ですが、
マライカでは以前からご紹介しているイチオシアーティストでもあります。

(去年の冬には店頭で製作実演もしてもらいました!
そのときの詳しいレポートはこちら→★★★
今年のインディアンマーケットで受賞し、
一気に注目度がアップしたスティーブ。
応援したいアーティストが賞を取ると、
私たちもうれしい限りです!
さて、今回入荷したスティーブの作品は、
ナチュラルキングマンのシリーズです。

石にこだわる彼の作品は、
自我を出すタイプのアクセサリーではなく、
ターコイズの持っている魅力を最大限に引き出す、
シンプルで重厚感のあるジュエリー作りに徹しています。
その他の作品はこちら→★★★
そしてもうひとつ、
レアターコイズ・ダニーボーイのバングルも入荷しました。

サンドキャストで作られた重厚なバングルに、
大粒のダニーボーイターコイズがどん!と付いています。
少量しか採掘されず、「幻のターコイズ」と
呼ばれる事もあるダニーボーイ、
久々の入荷です!
同デザインで、キャリコやモレンシも入荷してます。
興味のある方こちらをクリック→★★★

伝承のジュエラー・Perry Shorty


夕暮れ時の絵になる風景。
ルート66にはこんな寂れた街の味ある風景がたくさん転がっています。
アル中に声をかけられながら、片田舎で待つ事30分。
本日のゲスト登場です。
オールドスタイルを忠実に守り続けるシルバースミス
『Perry Shorty』の登場です。
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ペリーに初めて会ったのはハードミュージアムでのショー。
名前は聞くものの、なかなか本人の写真が流出しないペリーに会った時の衝撃たるもの!
なんでしょう…
この落ち着いた物腰の紳士は!(…そして男前…ポッ!)
ペリーファンにはもはや常識ですが、普段は牧師をしているペリー。ジュエリーはその忙しい本業の合間を縫って行っています。
なので現地のトレーディングポストに並ぶ事もごく稀ですし、世界中のコレクターがこぞって集めます。
インディアンジュエリーにはまったら一度は手に入れたい
コレクター物のペリーのジュエリー。
繊細で、かつ古めかしいにおいのするコインシルバーを使った逸品です。
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ジュエリーについて多くを語ろうとしないペリー。
答えてしまうのは簡単だけど、そこはあえて言わないんだ。そうする事で手にした人はどうやって作っているんだろうって想像を膨らませるだろ…。』
なるほど!…でも聞きたーい!!
そんなシークレットベールに包まれたペリーのジュエリーですが、素材に使うコインについては話してくれました。
ペリーは通常1890年から1915年物の銀貨しか使いません。
そしてチャールズ・バーバラがデザインした事から〝バーバラコイン〟と呼ばれる銀貨が特にお気に入り。
ちなみにバーバラコインとはこんなデザインです↓
王冠を被ったリバティの横顔。

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ナバホのオールドスタイルにこだわり、その製法を今もなお
忠実に再現するペリーは伝承のジュエラーともいえるのかもしれませんね。
Slender Silver Marker、ナバホ族のジュエリーを始めたとされる伝説の人物。
その人から代々伝承されたオールドのジュエリー製法。ペリーはその6代目にあたります。
ペリーは義理の兄Ernie Listerから教わったとされます。
同じオールドスタイルでもワイルドな荒々しさが魅力のアーニー。
そして打って変わって、繊細なオールドスタイルなペリーの持ち味。

ナチュラル ロイストンの新作バングル!
クリスマスまでには日本上陸です。乞うご期待!!

お待たせしました、Gary Reeves入荷です★

馬さん;「道草ウマー」

ちょっと街を離れるとすぐこうです。
右端の方に、動物よけの柵がちらっと見えるんですが、
なんか乗り越えちゃってますねぇー
ちなみに、「これ誰の馬?」って言っても、
「んーと、野良馬??」
とかそんな感じです。
しかしその草・・・美味いのか??
水っ気なさすぎてポサポサですけど・・・。
さて、そんな話はいいから!というヤキモキな方もいらっしゃるでしょう。
久々に、Gary Reevesが入荷ですー!!★☆★☆
↑Garyと言えば、やっぱ星ですよねー、と言う意味で。
今後もペンダントやらいろいろ入荷予定なので、乞うご期待。
今回のオススメは、グリーンロイストンの3つ石バングル

ちょっとアンニュイな視点からお届けしてみました。
こちらの作品、詳細はこちらをクリック→★★★
濃いグリーンのロイストンは、グリーン系ターコイズ好きには絶大な人気のあるターコイズ。
価格も比較的お安い為、入荷するとすぐに売れてしまう事もしばしばなんです。
ちなみにこの子は、今回入荷した3つ石の中で、
最も濃いグリーンの子ですが、
他にもブルー系ロイストン、グラデーション系ロイストンと揃ってます。
このグレードで、この大きさの石が3つ付いても
10万で大きくお釣りが来ます。
やっぱりロイストンはお買い得ですねぇ
ゲイリーのワイルドな作風にしっくりとあう石です。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
そしてそして、
今回、ゲイリーファンには見逃せないのが、こちら。

クリップクリークターコイズの細身3つ石バングル
詳細はこちら→★★★
こちら、何がスペシャルかと言うと、
石からしてゲイリーがカット、研磨しているバングル
なんです!
・・・え、どういうこと????
となる方が多いと思うので、解説失礼致します。。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
通常、石のカットや研磨は、技術を要する為、
石自体は購入してきて、石に合わせてシルバー枠を作ってはめるのが、
ターコイズジュエリーの通常のやり方です。
ゲイリーも通常はそうしてジュエリーを作っています。
ですが、この作品は、
1つの固まり石だったものを、ゲイリーが3つにカットして、
自分の手で石を磨いてシルバー枠をつけたもの

なんです。
その分ワイルドなカットになっていますが、
よく考えたら、
インディアンジュエリーを初めに作った人たちは、
皆そうしていたんですよねぇ。
そのうちに、ジュエリー自体の質が上がっていって、
分業制が当たり前になって、
石の研磨をする人と、銀細工をする人は
今では違う人なのが当たり前ですが、
きっと初めのうちは、
自分で見つけた美しいターコイズのかけらを、
自分で大事に磨いて、枠をつけて、
自分で身につけたり、大切な人に渡したり
していたのだと思います。
そんなこんなで。
Garyファンには見逃せない、
ゲイリーのオールハンドメイド
というレア商品のご紹介でした。
クリップルクリーク以外にも、
ナンバーエイトやフォックスターコイズでも
ご用意してます☆
ということで、実験で今日は急にレイアウト中央ぞろえでお送りしてみました。
読みにくいかなー・・・

Don Dewaのこだわり

最近めっきり寒くなり、ニューメキシコ州でも風邪を引く人続出です。
と言う事で、こんな田舎町でも手に入るパーカーを求め、ご近所のWALMARTへ。
『あれれ…並んでるの半袖なんですけど。そちらにあるのは水着では…?!』
そうでした…。インディアン、体感温度が違うんでした。
この厳しい荒野で耐え抜いてきたDNAを受け継いでるだけあって強いわ~!
…まぁ、そんな話はいいんです。
今日はZUNI族の巨匠でもご紹介しようと思いまして!

はい、優しい笑顔が印象的なお方!
『ドン・ディーワさんです!!!』
(本人がこう発音するので…。)
ZUNI族の知り合いのお友達だった事もあって、マライカではドン・デワと直接取引をしています。
こちら現地でも人気の作家さんだけあってトレーディングポストにもアイテムはたくさんあるのですが、やっぱり作り手の生の声を聞けるのは違いますね。
今日はそんな『へぇ~』な生の声をお届け致します。
Don Dewaと言えば、この“スピナーサンフェイス”と呼ばれる回転式のサンフェイスでお馴染み!

どことなく高級感が漂っています。
この一見すましたジュエリーに、実はいろんなドンのこだわりが凝縮されているのです。
ドン・デワのこだわり①『全て手作り』
サプライ(材料屋)にはそれは豊富にパーツがそろっています。
リングの型からペンダントのトップ部分まで。
その出来合いのパーツをつなげるだけで、まぁそれなりの物が出来ちゃうんです。
ドン曰く、
『そんな物はアートではない』と。
なのでドンは1から手作りです。
ベゼルから、ボロタイのパーツに至るまで。
そんなわかりませんよ!ってところまで気を遣うから、こんなにも精巧なジュエリーが出来るんですね。
続きましてこだわり②『素材のチョイス』
インレイの黒い部分といえば加工しやすい柔らかなジェットが主流ですが、ドンの黒い部分はピンシェルの黒い部分でできています。

ピンシェルといえば通常こげ茶色なんですが、中には稀に、こんな黒い物もあるんだそうです。
なんでそんな見つけるのに苦労するピンシェルを使うのかというと、全てはこの横顔のフォルム。
横から見た時の立体感、そして丸みを作った事による光の反射を大事にしているんだそうです。

これをジェットで作ってしまうと、
仕上げでシルバーを磨いた時に硬度の低いジェットだと磨いてる間に削れてぺたんこなってしまうんだそうです。
そう言われれば、ジェットのインレイ物って平たいですよね。
『なーんかドンデワの仕上がりは違うんだよね。』っていう秘密。
こういうちょっとしたトコロの差なんですね。
ドンさんのこだわり、まだまだありそうで、紐解くのが楽しみです。。。
そんなドンデワ、ほんと気のいいおじさんって感じです。
そしてちょっと品があるのもステキ。
今回ご紹介したジュエリーはまだ店頭に並ぶ前の新着ホヤホヤです☆
クリスマスなど、特別な贈り物にいかがでしょうか?
彼のジュエリーは間違えなく一生ものですよ!!

バルーンフィエスタ2010

私たちの住む街から車で約2時間の所にある街
アルバカーキ
そこがこのお祭りの会場。
ここアルバカーキはとっても都会で栄えています。
インディアンの子供達も年頃になると
町を離れアルバカーキなどへ出てきます。
マライカでおなじみのアーティスト
Don Dewaの娘さんもその一人です。
じゃんっ☆

気球は夜明け前からスタンバイを始めます。
暗闇に照らし出される気球の明かりは
とても幻想的でステキです・・・

もちろん私たちも夜明け前にスタンバイ!!
真冬並みの装備をして会場へ向かいました。
いやぁ~寒いのなんのって・・・
そんな中でも
スウェットにハーフパンツで来ている人達も・・・
感覚の差って凄いなぁ・・・と関心(笑)
そしてメインイベント☆
気球の写真!!

100を超える気球がいっせいに飛んでいく様はまさに圧巻!!
とっても感動しました。
今年は10月2日~10月10日の9日間
開催されていた大きなお祭り!!
出店なんかもたくさんでてるんですよ~
日本ではあまり馴染みのない気球だと思いますので
一見の価値アリのイベントです!!

大人のインレイウォッチ


ユッカさんたち;「すくすく!!」
こちら、前回のブログでご紹介した、バスケットの材料、ユッカさんでございます。
すくすく育ってますねー
腰ぐらいまでの高さの物から、3mぐらいまで成長する物まで!
真ん中にまっすぐぴょんと伸びているのが茎で、ここに花が咲き、実を付けます。
葉っぱが繊維質でとっても丈夫なユッカさん。
根っこはすりおろして石鹸に、
実はスモモみたいで、食べてもおいしいユッカさん。
とってもありがたい植物、ユッカさん。
そして、晴れたニューメキシコの空がとっても似合うユッカさんなのです。
さてさて。
今回は、新入荷の時計をご紹介。

こちらの時計
なんと、贅沢にも、キングマンターコイズを使用しています・・・!!
通常、こういったタイプはスリーピングビューティーという、インレイに適した、色むらのない石を使うんですよね。
この作品なんかはその代表です。
色むらがないし、比較的、切ったり彫ったりの加工のしやすい石ですし、何より、ナチュラルターコイズの中では比較的安価です。
ですが、このタイプのインレイ、もう見慣れちゃって・・・という通の方、多いんじゃないでしょうか??
そんな方には今回のキングマンインレイウォッチ

どうですか!!この細かいウェブ!
透明感のある
まるで、ユッカさんの背景の、ニューメキシコの空のようです!!

・・・ちょっと興奮してしまいました、すみません
さておき。
通常、こういう作品には、キングマンは使いません。
切ったり削ったりして、ロスする工程が多いので、もったいなくてみんな高い石は使わないんですね。
なので、作った工房の方も、「試しに作ってみたけど、加工は難しいし、あんまり数は作れないし、なによりコストがかかりすぎて・・・」とぼやいていたほど。
スタビライズド加工されているとはいえ、これだけの発色と、美しいウェブをもつ石は、下手なナチュラルターコイズよりもずぅーっと高価なんです。
そんな少量作品、
あるだけ全部買い占めてしまいました
いぇい
だって、ステキなんですもん・・・
ごめん工房のおじちゃん!
出来上がりたての新作を、全て買い占めたのはわたくしです!
そんなキングマンを愛する工房のおじちゃんのチャレンジ時計、
明るい色のインレイと比べて、
身につけるとぐっとしっとりと落ち着いていて、
しかもさりげなくとがった感を演出。
大人の色気が全開になります・・・
とくに、男性陣には本当にオススメ。
詳細は→こちらをクリック
3点入荷しましたが、どれも色味が違って、個性のある子たちばかり。
じっくり見比べて、運命の1点を探してください。

バスケットとケビン

見てください!!こちらのバスケット!!
HOPI族のKevin Takalaの彼女が作ったものなんです。

HOPI族では、ユッカという植物を細く裂き、
色を染めて、乾燥させたものを編み上げているんです。
今でこそ市販の染料を使いますが、
昔は天然のもので染めていたそう・・・
お茶からは赤を
ヒマワリからは黒を煮出し、
色をつけていたそうです。
どちらからも赤や黒の色が出るなんて
想像できないですよね~
同じユッカでも、収穫時期によって
夏には緑、秋には白、
冬には黄色のユッカを収穫できるそうです。
ケビンが手にしているこちらは
バスケットの外周を形作るピキトレイルと呼ばれるもの。

もともとは儀式のために作っていたバスケットですが、
今では生活の支えにもなっています。
11月には彼女も参加する
バスケットダンス(お祭り)が控えています。
予定が合えばぜひ見に行ってみたいものです!!
☆おまけ☆
ケビンが私たちのために
トウモロコシを取ってきてくれたんです(笑)

それ、ケビンの畑なの~??

ホピ ファーストメサを訪ねて


こっちの風景にはこの水車が実によく似合います。
“BAGDAD CAFE”というドイツ映画を御存じでしょうか?
この映画のロケ地もアメリカ南西部のさびれたルート66を舞台にしており、こんな感じの水車の風景に憧れたのを覚えています。
(夜中にまったり観るにはイイ映画ですよ!)
それはさておき、コチラHOPI村の大切な水源である井戸の水車です。
HOPI村は今もアナログな生活をしており、各家庭に電気も水道も通ってないのが当たり前です。
なので、人々は村にあるこの水場から水を汲み、自家発電によって生活に必要な電気を得ています。
(そのせいで冬場はジュエリー制作が遅れたりしちゃうんですが…。)
“必要最低限で暮らす”というのが正しい表現かわかりませんが、この便利なものに頼り過ぎる現代で、そんなアナログな生活をするのにはポリシーを感じずにはいられません。
村にはチェーン店もなければレストランもモーテルも数える程しかなく、そこにはただ原風景が残っています。200年以上も前の石畳の家が残っていたり、『キバ』と呼ばれる儀式を行う地下集会場のハシゴがのぞいていたり。
こちらはピキというオブラードの様な薄いパンを焼くための『ピキ小屋』です↓

この日もインディアンダンスがファーストメサで行われるといので、Kevin Takalaに連れて行ってもらいました。

…屋根に上って見てます、笑。
この炎天下、肌を焦がしながら見る方も、ダンスする方も“無”の境地でございます。

Turquoise in しぇる???

日本も随分残暑が和らいだようですね!
こちらも日々秋が深まっておりますよ。
昨日は珍しく“しとしと”と穏やかな雨が降りました。
大抵こっちの雨は短時間で一気に強い雨が降る事がほとんどなんです。
お陰様で今日は良いお天気でありました。
こんな良く晴れた日の午前中に、太陽の元でターコイズ見ると一番きれいなんですよね。
まだ試した事のない方は是非お手持ちのターコイズで試してみてください。
ナチュラルのターコイズ程美しく、ターコイズの本当の姿が見れますよ!!
さてさて、ちょっと今日某コレクターさんに珍しいものを見せて頂きました!
びっくり!! “Turquoise in Shell” でございます。
以前ご紹介致しました、“ドドン!ナンバーエイト”のコレクターの方の、
これまた(気持ち的に)ドドン!なコレクションなんですけどね。
(以前のブログは→コチラから)
はい、こちら!!

この奇妙なまるいフォルム、貝の中で形成されたから、なんだそうです。
幾度と繰り返された地殻変動によって、こんな事が起きてもおかしくないんですけど、
いやーーーロマンありますよね。
ちなみにこちらアップルグリーンの美しいハイグレード、キャリコレイクです。
思わず『それ、私にください!』と言うのをグッとこらえました。。。
こういうロマン感じる逸品っていうのに弱いんですよね。
…当然彼の宝物なので無理ですけど。
他にも木の化石と共に年月を重ねたキャリコレイクなんていうのもお持ちでした。

…確かに樹皮を感じさせます。
こういうのを見るとやっぱりターコイズは自然が作りだした産物なんだなぁ、と思いがはせます。
ちなみに…
せっかくなので、ドサクサ紛れにコマーシャル!!

Andy Cadman作
ナチュラル ハイグレード・キャリコレイク使用
¥98,000ナリ
キャリコレイクのジュエリー達もどうぞよろしくです。
もっと他にもご覧になりたい方はコチラを→クリック

ホーガンでジュエリーを作る男。

収穫の時期を迎え、コーンやオニオンなど頂きものが多い今日この頃。
たっぷり太陽を浴びた野菜の甘い事!ん~まいっ!!

こちらHarrison Jimのファームです。
コーンやらチリやら、すくすく育っております。
ハリソンの住むこの辺のリザベーション(居留地)は山に面した丘にあり、眺めもよければ、太陽もさんさんと降り注ぎます。
こののどかな環境の中、ホーガンでジュエリーを作るのがこの人、ハリソン。

このホーガン、ナバホ族の伝統的な住居なんですが、今となっては家やトレーラーハウスに住むのが主流で、儀式の際のみ使う人がほとんどです。
ホーガンで仕事をする、これ実は、ナバホ族の伝統を重んじる ハリソンのこだわりなんですね。
彼のジュエリーもその“伝統”を大事に昔ながらの手法で作られています。
まず、シルバープレートからそれは始まります。
他の作家が出来あいのプレートをサプライで買ってジュエリーを作るところ、彼はこのシルバープレートですら手作りします。
シルバーのスクラップを高熱で溶かし、キャスト(型)に流して冷やし固める。
それを手動のローリング機やハンマーで叩いて均一に伸ばしていきます。
きれいに均一なプレートが出来ないと後々の仕上がりに響くので、この作業実に2時間…。
その代わり、手作りで作ったプレートのジュエリーはスタンプ等を施した際にみせる表情が違います。
時にワイルドに、時に柔らかく。
こんな事がありました。事務所に来たTommy Jacksonが彼のジュエリーを見てこう言いました。
『あいつは実にいい仕事をするよ。
プレートから丁寧に作っているし、それを感じさせない程オモテはきちんと滑らかに磨かれている。』

(御存じこのトミーさん、学校でシルバーメイキングを教え、数々のアーティストを導いた方。)
ほぉー、言われてみれば…この作品、侮れませんね、先生。
先生の言うとおり、ハリソンのジュエリーは裏を見ると確かにプレートから作った跡が垣間見れます。それは小さな気泡の跡だったり、ハンマーで叩いた跡だったり。
出来合いの無機質なシルバープレートとは訳が違う。

いつも夕方、時間を過ぎてやってくるハリソン。
聞けば朝から作って夕方ようやく仕上がって持ってきてくれているんだとか。
一日一個。一球入魂!
そんな魂の込めたジュエリーをとても安売りなんかできませんね。今なら理解できます。
作家の魂、我々も誇りを持ってお客様にお届け致します!
手は人柄を表わすといいますが…

大きくてがっしりとした職人の手です。