サンゴの話

お久しぶりの更新になってしまいました!

コロナとの共生が続きますが、こちらニューメキシコ州では少しずつ状況が改善しつつあります。アメリカでは「あと二カ月が我慢のしどころ」と政府も言っていますが、暖かくなってマスクが少し不快になってくるので本当に我慢のしどころですね。

どこの世界も同じ、もう少し頑張りましょう!

さて、先日サンゴについての質問をいただきまして、それについて日本のインディアンジュエリー担当が返答しております。

さらに下記リンクのインディアンジュエリーのまとめサイトでは作品を選ぶときにとても有益な情報やよくある質問を掲載しております。

http://indianjewelry.malaika.jp/category/faq/

歴史や石の知識や作家の知識など、マライカでしか扱えない膨大な情報をまとめていて、とても勉強になります。

インディアンジュエリーのバイブルとしてお使いください!

さて、今日はサンゴについて。

質問フォーラム

マライカでインディアンジュエリーに使用しているサンゴの産地は二種類あります。

地中海産と、日本産

地中海産は、「メディトレニアム」や「サルディニア」または「イタリア産」サンゴと呼ばれ、日本産は「ジャパニーズ」と呼ばれます。

サンゴは日本語で珊瑚、英語ではCoral(コーラル)です。

サンゴは養殖ができないのと、生き物なので一回採ってしまうと育つのには100年以上かかるために、採掘の量が増えれば増えるほど、残りはどんどん少なくなっていくために値段がどんどん高騰していっています。

1960年代には大漁場と呼ばれるたくさんのサンゴが集まる場所が見つかっていますが、それ以来は見つかっていません。

日本では、高知県が土佐サンゴの産地として非常に有名ですね。

大きければ大きいほど価値が高く、赤が濃ければ濃いほど価値が高くなります。

さらにサンゴは枝型をしているので、まん丸やキューブ型など、厚みのある加工ができる場所が限られています。(ターコイズのように、ナゲット型、塊ではありません。) 厚ければ厚いほど、珍しいわけですね。

8MMを超えるような丸玉のサンゴは、現在非常に効果な値段で取引をされています。

珊瑚の色には4色あります。

  • 赤(濃い赤色)
    水揚量が少なく大きな原木が少ない(小枝が多い)。

深い赤色は、血赤サンゴ、またはブラッドコーラルと呼ばれ、日本産のものが多いのですがアメリカでも非常に高い値段で取引されます。


  • 赤に次ぎ水揚量が少ない。

サーモンピンクをしたこのサンゴは、インディアンジュエリー界ではピンクコーラル、サーモンコーラルと呼ばれます。

 

  • ボケ、エンゼルスキン(天使の肌)
    桃と白の中間色。

これはエンジェルスキンコーラルと呼ばれますが、インディアンジュエリーで見かけることはあまりありません。


  • 白の素材は他の石で代用されることが多いので、サンゴの白はインディアンジュエリーではほとんど使用されません。

 

以上が天然の「サンゴ」で、色にムラがなく、形が整っていて穴などがないほど貴重になります。

ちなみにインディアンジュエリー界で出回っているほとんどのサンゴはイタリア産。特にクラスターなどに使われる小さく加工されたサンゴはイタリア産が多く、値段としてはターコイズの1.5~2倍になっています。個人的な見解では日本産はイタリア産より高くて貴重というイメージがインディアンジュエリー界にはある気がします。

 

ズニ族がニードルポイントやインレイに使うサンゴは、このようなものを使います。こちらはナチュラルの素材です。

 

これを、粒にして磨き上げてビーズにしたものがナチュラルコーラルのネックレス。こちらは18金の金具と合わせた作品で、インディアンジュエリーではありませんが4万円のもの。

 

着色や加工したものでインディアンジュエリーに使われるものは、「スポンジコーラル(アップルコーラル)」、「バンブーコーラル」、「イミテーション(ブロック)」の3種類あります。

元々はナチュラルコーラルを使用していたアーティストも、値段が高騰してしまったためにアーティストでもインレイやクラスターにアップルコーラルを使用することがあります。

スポンジコーラルと呼ばれるものは、天然で使われるサンゴとは全く別のものですが、生物としてはサンゴの仲間。

でも穴がとても多いので加工されて売られており、その色味から別名アップルコーラルと呼ばれています。

「バンブーコーラル」は、白色の竹サンゴを着色したもの。こちらはネックレスの素材としてよく売られています。

 

そして最後は、イミテーション。イミテーションは人工的に作られた赤色のブロックを加工したもので、小さなキャボションに加工されることが多いです。

イミテーションのキャボションと、ナチュラルのキャボションの価格の違いは、10倍以上。

ターコイズも然りですが、色が濃くて揃っていて、なおかつ値段がめちゃくちゃ安いものはイミテーションである可能性が高いです。(もちろん掘り出し物っていうのもあると思いますが、価値が高いものをあえて破格で売ると言うことはあまりありません。)

 

 

こちらはバンブーコーラルの連。ナチュラルでこの色味だったら、簡単に3万円は超えますが、バンブーコーラルだと3000円ぐらい。

ターコイズと同じく、サンゴも天然のものは貴重で高価、人工や加工したものは低価格でリーズナブルです。

マライカのネット掲載のサンゴ使用商品をすべて見てみると、サントドミンゴ族のモザイクインレイやヒシ、クラスターの一部でアップルコーラルを使用しているものはありますが、アップルコーラルはオレンジ色なので見た目ですぐに分かります。他の赤いコーラルはすべてナチュラルサンゴになります。

ターコイズと同じく、少し知識の必要なサンゴについてのお話でした。

 

鉱山への旅⑦ おまけ

今回はいけなかったのですが、ネバダ州の小さな鉱山「ウォームスプリングス」のラフ石も見せてもらいました。

1970年代から採掘がはじまったこの鉱山。なんとこちら、1年かかって採ったものだとか・・・・。といってもこちらのオーナーは毎日ターコイズを掘っているわけではなく、1ヵ月に何回か鉱山へ行き採掘をしているそうです。
でもほとんどこの小さい大きさのものしか採れないそうで・・・・。

こんなナゲットはかなりレアだとか。
鉱山によって、本当に表情の違うターコイズ。

となると、こんなグレードのものはかなーーーりレアなんですよね。
ほんの少しだけ、石も入手しました。

空色にじんわりウェブが美しいターコイズです。

鉱山への旅⑥ キングマン仕入れ

マライカでもたくさん扱っているキングマン、採掘量がおおいので入荷量が多いというのもありますが、なにしろ比較的お手ごろで「ターコイズ」を味わえるというのが大きな魅力です。
最近少しだけ採れたというイサカピーク

イサカピークの採掘量は非常に少なく、鮮やかなブルー×パイライトが美しく入ったものは特に年々減っているそうです。

こんな風なぎっしりパイライトが入っているもの、お好きな方にはたまりませんね。
こちら、現地アーティストにも非常に人気なブラックウェブキングマン。
最初はランダーブルーキングマンなんて呼ばれてました。


クラシックなブラウンのスパイダーウェブが入ったターコイズマウンテン


実はこれ、トレーダーやターコイズマニアの方には一番人気です。古いジュエリーなんかにもよく使われていました。
バーズアイと呼ばれる、じんわりスパイダーウェブの入ったターコイズマウンテン


イサカピークターコイズマウンテンも現在は同じ所から採掘されるため、キングマンという名前で扱っている場合もあります。
掘りたて→研磨後。


こんなに表情がかわります。
仕入れた石たちも、少しずつ作品にしていきます~★
キングマンイサカピークターコイズマウンテンを使った作品、ぜひ見てみてくださいね!
これからの季節、どんどん人気が上がっていくキングマンです。

鉱山への旅⑤ キングマンその2銅山との戦い

週末はとっても天気がよく、お出かけ日よりでした!
が朝ニュースを見るとニューヨークの方で雪が降ったとか・・・・。
まだまだ未知のアメリカです。
さて、キングマン鉱山の続きです。
キングマン鉱山は、非常に大きな銅山です。その銅山の一角を借りてターコイズを掘りつづける。ターコイズ採掘はまさに銅鉱山会社との戦いでもあるのです。
前回、ターコイズマウンテン鉱脈は別のところに位置していたと書きましたが、こちらも銅山が採掘を希望したので移動しなければならなかったとか。
銅鉱山会社の中で採掘をしているので、彼らが採掘を希望した場所を掘っていた場合、ターコイズ採掘場所を移動しなければならず、時にライトをつけて夜通しリミット時間まで掘り続けるんだとか!
アメリカ最大のターコイズ鉱山。ほかの鉱山とは規模が違う!!!と驚いていたとはいえ、さらに大きな銅会社のもとで採掘してるという現状を目の当たりにしました。でも銅会社とはいい関係でやっているけどねと…オーナー。


ターコイズ採掘現場の反対側には、銅をとるためのとーーーっても大きな水たまり。
化学薬品を流し込んで銅を採掘するんだそうです。
そこに美しいターコイズが眠ってるかもしれない・・・・・とも思ったりしました。
こちらの鉱山ではターコイズを無駄にしないためのたくさんの努力も行われていました。
小さなターコイズも見逃さないように、ベルトコンベアーに流し手でピックしていきます。

見逃したところにこんなきれいなターコイズがあったりして。

まさにターコイズへの情熱!そしてロマン!のターコイズビジネスを学びました。
次回に続く・・・。
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鉱山への旅④ キングマン

アリゾナ州キングマンにあるKingman鉱山。

キングマンは銅山として現在も有名な鉱山で、1962年~、現在のオーナーの父親の代から採掘が始まりました。以前はイサカピーク鉱脈とターコイズマウンテン鉱脈はキングマンとは別のところ(といっても場所は同じでそれぞれキングマンから500メートルぐらい離れた山でした。)に位置していましたが、そこを掘り尽くしたのち、現在では同じ鉱脈よりイサカピーク、ターコイズマウンテン、キングマンが採掘されています。
いずれもその特徴をはっきりと持っており、同じ鉱脈より採れている事に驚きます。

こちらは現在採掘されているところ。
その岩肌一面に広がる爽やかなブルーに圧倒されます。


足元にはゴロゴロと青い石が転がっています。

鉱脈の下には水溜りができていました。銅物質をたくさん含んだ水の為、黄緑色をしています。基本的にターコイズのダメージを考慮してダイナマイトを使わない事をポリシーとしているオーナーですが、一回だけ水がせき止める為にダイナマイトを使ったことがあるそうです。

アメリカ一番の採掘量を誇るターコイズ鉱山のキングマン。鉱山じたいの大きさはなんと約3キロ×約5キロの広さ。
↑当日採れた、こんな大きな塊。どこを掘っても、様々な色のターコイズが現れるそうです。
が、やはり鮮やかなブルーのもので硬度があるもの、スパイダーウェブがきれいに入っているものはそんなにたくさんは採れるものでなく、「チョーク」と呼ばれるターコイズほど硬度のない柔らかいものもたくさん採掘されます。そんなチョークでもまだ硬度があるものが、スタビライズされて市場に出回ります。

こちらがスタビライズされたもの。

こんな機械で樹脂を流し込んでいました。


これがナチュラルだから驚きですよね。こちらも当日掘られたもの。その場で表面を少し研磨してもらいました。
まさにマザーアースの贈り物という感じがします。
続きは次回。

鉱山への旅③ ローンマウンテン仕入れ

今日はとんでもない強風が吹き荒れているニューメキシコ。
砂嵐です・・・・。家の屋根が吹き飛ばないか、心配・・・。
ローンマウンテン鉱山では、ターコイズ、特にハイグレードのものがいかに採るのが大変か、身をもって感じてきました。
ローンマウンテンの鮮やかなブルー×ブラックウェブの細かく入ったものはランダーブルーに継ぐレア度、というのも納得できます。
最近のローンマウンテンは、空色のものや少しグリーンがかっているものが多いのですが、それでもブラックウェブが細かく入ると相当な価値が出ます。
これとか。数年前に手に入れたもの。
ウェブの入り方、ハイグレードです。

こちらは比較的お手頃な空色のものです。
ハイグレードの4分の1ぐらいのお値段。
お手ごろといっても、ターコイズ自体があまりとれない山から採れたものですので、それなりのお値段です。


こちら、最近手に入れたとーーーってもレアなローンマウンテン
1950年代のもの。今の鉱山主に変わる前のローンマウンテンです。

古めかしさが伝わるでしょうか~。

鮮やかな青、ブラックからレッドの細かいウェブ、昔のターコイズってなんとも表情があってたまりません。
こんな大きなものも・・・。

超レアです。
作品をご紹介すると・・・。

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鉱山への旅② ローンマウンテン続き

先週末は、イースター祭りでした。
イエスキリストの復活祭です。
金曜日の夜、Walmartへいくと、人でごったがえしてました・・・・。
私たちも、初のイースター祭りを体験してきました☆
イースターのご報告はまた次回するとして、今日は前回のローンマウンテン鉱山の続きを・・・。

1920年より採掘がスタートされたこの鉱山は今では珍しく現在もフル稼働で掘られています。(アメリカの鉱山の中で現在もフル稼働鉱山はロイストンとローンマウンテン2個だけなんだとか!)
70年代、80年代にもっとも盛んだったターコイズ鉱山ビジネス。
そのころは126個の鉱山が常にフル稼働していたそうです。
いかにターコイズがとれなくなっているか、わかりますねー。
写真右に見える穴は、50年前に使っていたというトンネルです。
ここの中を手作業で掘っていた時代があったそうです。
大きな鉱山や岩肌が非常に硬い場合はダイナマイトを使って周りをこわしていきますが、この鉱山ではターコイズへのダメージを考慮しダイナマイトでの採掘は行っていないそうです。
岩に脈状に走るターコイズもあれば

ナゲット(塊)上に生成されるターコイズもあり、
(真ん中に真珠のようにできているのがターコイズの「ナゲット」と呼ばれるものです。)

両方場所が多少ずれるものの、同じ鉱山で採れます!
温泉を掘るかのようにただひたすらそこにあると信じて進むこのターコイズビジネスのロマンと難しさをオーナーの話から感じました。
でもそんな中、『ターコイズはゴールドよりも魅力がある、まさに〝ブルーゴールド〟さ!』と言い放ったオーナーの言葉が印象的でした。
先日紹介した、空色のローンマウンテンは、ヨーロッパの人々にとても人気だそうです。

というわけで実りのあったローンマウンテン鉱山のお話でした☆
なかなかご紹介できずにいますが、オンラインショップでは送った荷物が届いてますので、新着作品のアップが続いています。
暖かくなってきて、ターコイズジュエリーの人気もぐんぐん上がってますよ!
Gary Reeves
Raylan & Patty Edaakie
Dan Jackson
Calvin Lovato
Joe and Angie Reano

Herman Smith
Nelson Morgan
お見逃しなく!

鉱山への旅① ローンマウンテン

今週は鉱山へ行ってきて、昨夜帰宅しました。
近いようで遠い鉱山、なかなかいい収穫のあった旅でした。
というわけで少しずつ報告を・・・。
まずは「ローンマウンテン
何もない大地をずっと進みます。

かなり枯れてきている・・・・というのは聞いていたのですが、うわさ通り、ブルーにブラックウェブが入ったものは本当にとれないそうで、
まずターコイズ自体、一週間掘っても、使えるものが何も掘れないときもあるとのこと。


最近掘っている鉱脈で出るのは、こういった空色の色合いが出ています。

カットするとこんな感じ。

鉱脈はかなり細く、その周り30センチずれるともう何もとれないそうです。
ブルドーザーで鉱脈があると思われる周りを崩していき、そのあとは何と手掘り!!!
ハンマーとスクリュードライバーで掘っていきます。

1か月ほどずっと手掘りで掘り進んでいくこともあるんだとか・・・・・。
いやーギャンブルですね。
現在掘っているところでは、左側は黒い岩肌、右側は赤茶の岩肌、その成分がちょうどマッチしたところに鉱脈ができていて、
両方とも触るとボロボロ崩れるんですが、よく見るとパイライトや石英が入っていました。


ということはローンマウンテンもパイライトや石英が入ることもあるということですね~。
雪解けの水がミネラルとうまく混じりあいターコイズが形成されます。
こんな乾燥した大地がずっと広がっているのに、掘ってみるとかなりしっとりしていました。
また写真を整理して少しずつアップしていきます!!!
スパイダーウェブのローンマウンテン、今後はますます値上がりしそう。。。
今のうちに作品もチェックしておいてくださいね~。