インディアンとトレーディングポスト

先日はクリスマスを挟んだハッピーホリデーでした。
ウォルマートでさえ閉まってしまうこのハッピーホリデー!インディアンの街もクリスマスムードで、イルミネーションで飾られた家々がキレイでした。
日本では恋人達のクリスマスのイメージがありますが、こちらではクリスマスは家族で暖炉を囲んでディナーをとり、プレゼント交換といった感じのようです。
なので、クリスマス前はなにかともの入りで、普段はのんびりのインディアン達も仕事熱心です。
最近ではインディアンの中にもクリスチャンに改宗する人達も多く、そうでない人達もクリスマスには好意的なようです。
さて、本日はインディアンの街の紹介です。
ルート66といえば、バイカーにダイナーそんな風景を思い浮かべるかと思いますが、インディアンジュエリーを扱うトレーディングポストもまた一風景です。
トレーディングポストとインディアンの付き合いは長く、インディアンはラグなどの織り物を、ここで食べ物や衣服をなどに交換して日常品を手に入れてきました。
そして、自身の財産ともいえるジュエリーを担保にお金を借りたりもできました。
大抵は決まった期限がくると店から連絡を受けインディアン達が取り戻しにくるのですが、そのまま持ち主が現れない場合は質流しとなりお店に並べられました。それが、PAWNジュエリーと呼ばれるもので、コレクターの根強い人気があります。
こちらは旧ルート66沿いにある老舗のリチャードソン・トレーディングポストです。


カウンターの中にのぞく質の札のついたジュエリーの数!!お店に簡単には並ばないすごいジュエリーがあるのでは??と期待してしまいます。
ジュエリー以外にもラグ、馬のサドル、カチナなど様々なものが並んでいます。
店内は古い商品の独特なビンテージのにおいが立ち込めています。
驚いたのが、このホワイトバッファローのはく製!!

およそ3mもある巨体なはく製は圧巻です。まさかホワイトバッファローの本物を見られるとは思いませんでした。
しかし、インディアンにとって神聖ともいわれるホワイトバッファローをこんな事をしていいのか??
というのも、通常バッファローは茶色く、ホワイトバッファローは何万頭に一頭かの確率の非常に稀な品種なのです。
そして、ラコタ族には次の様なホワイトバッファローの伝説が残っています。
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その昔、飢饉で部族の危機にさらされたラコタ族の酋長は戦士を旅に出したそうです。
そして戦士は白い服を着た美しい女性の姿をした精霊に出会いました。神がかりなパワーを持つその女性を村に招待し、代わりに聖なるパイプ貰い、天と地をつなぐ祈りの教えを得たそうです。
その女性は部族を去る際にホワイトバッファローに姿を変え、また地上に調和と平和が必要になった時に戻ると約束したそうです。
ラコタの人々は神からのメッセージを伝えたその女性をホワイトバッファロー・カーフウーマンと呼び、今でも白い服は特別な意味を持ちます。
全ては一つである…ラコタの人々は何万頭に一頭といわれるホワイトバッファローが生まれた時、また世界がまとまる時が来た!と信じています。
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インディアンジュエリーでも“ホワイトバッファロー”と呼ばれる石があり、これは採掘量の少ない事から、希少なホワイトバッファローになぞらえて名づけられたものです。

この石を眺めていると、ラコタのこの伝説を思い出し、なんだか特別なパワーを秘めた石のように感じてきます。

ビズビーターコイズ

『スーパーブルー!』『ブリリアントブルー!』このターコイズの美しさを表現するとき、よく使われる言葉です。今回はそんなうっとりする様な青い宝石、ビズビーターコイズのお話です。
アリゾナのビズビー近郊にあるビズビー鉱山は、全米で最も有名なターコイズ鉱山の一つです。1950年代にフェルプス・ダッジ社によって銅の採掘の際発見されました。すでに採掘しつくされたと考えられているビズビー鉱山は、現在は閉山されており、奇跡でも起きない限りは新たな鉱脈を発見するのは不可能だと言われています。
今では鉱山主、長年収集を続けてきたコレクター、当時働いていた抗夫などが所有しているビズビーが少しずつ市場に出てくる、という具合で、入手は大変困難です。
写真をご覧ください。こちらは私達がアーティストにオーダーをする時に使用しているビズビーです。石の内側から光っているように見える青色は、宝石の輝きです。
●スーパーブルー!!

ビズビーには、他のどのターコイズとも違う、特徴的な美しさがあります。まるでドロップキャンディーの様な、鮮やかで、深い青。思わず見惚れてしまいます。
上の写真のような発色を持ちながら、同時に高い硬度を持ち、きめ細かい蜘蛛の巣状のウェブをもったビズビーはとても希少とされています。
●スモーキービズビー

お次はこちらです。上の写真のようなタイプのビズビーは、赤茶色の薄いヴェールがかかった様な色合いが特徴です。
スモーキービズビーと呼ばれていて、非常に高い人気があります。私個人は、奥ゆかしさのあるこのスモーキービズビーが好きです。
そして、下の写真の様なビズビーは、超ハイグレード、そう簡単には手に入りません。鮮やかな青に、樹枝状のチョコレート色のマトリックスが入ります。希少である事は必ずしも、美しいから、という基準で付けられるわけではありません。ですがこのビズビースパイダーウェブは、一見の価値アリの美しさを持っています。
●ビズビースパイダーウェブ

ビズビーならどれもハイグレード、というわけではありません。私達が取り扱っているビズビーは、じっくりと時間をかけて探し出した、厳選されたターコイズです。手に取った人が、一生の宝物として何時までも身に付けられるジュエリー。そんなアイテムをご紹介出来るように、入手困難なハイグレードビズビーを一つ一つ厳選してアーティストに渡しています。
収集家も多いビズビーターコイズ。年々入手が困難になっているプレミアムターコイズです。際立った美しさを持つビズビーは、きっと身に付けるたびに、時別な気分にしてくれるはずです。

サンシャインリーブス ナチュラルハイグレードビズビー バングル
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人を幸せにするジュエリー

お金は重要ではない。お金は使えばそれで終わりだ、だが美しいものは必ず残る。
これはサントドミンゴ族カルヴィン・ロヴァトの言葉です。
今回は彼の作品についてのお話です。サントドミンゴ族は、ヒシネックレスで有名な部族です。石や貝などの素材をカットし、ビーズにしたものを繋げて作ったネックレスをヒシネックレスと言います。私は写真の様にペンダントを通して使う事もありますし、シンプルにチョーカーとして身につけたりもします。

こちらはメロンシェル。彼の作品でよく使われる素材の一つです。
カルヴィンは全てのビーズを一から自分で制作するところから始めます。素材も多種多様、ターコイスはもちろんのこと、ジェットやサンゴ、サーペンタインなどの天然石や様々な種類の貝を使用します。

これら全ての素材を薄い四角形に、慎重にカットします。まずここで驚くべきことは、彼の作品に使われるビーズは、全て平行にカットされているという事です。平行にカットされたビーズは、実際ネックレスにして身に付けた時、非常に滑らかなカーブを描きます。これはとても重要なことであり、同時に他の作家との大きな違いです。並行でないビーズを、カルヴィンがジュエリーに使うことは決してありません。

その後四角い状態のビーズに穴をあけ、ワイヤーに通します。丸く滑らかなビーズになるまで、カルヴィンが納得いく最高の状態になるまで、何度も何度もグラインドをします。天然の素材を使用するカルヴィン、作業の途中でビーズに亀裂が入ったり、掛けてしまう事も良くあるそうです。
サントドミンゴのヒシネックレスをみると、そんな作業途中のハプニングの軌跡が見てとれます。注意深く観察すると、ネックレスのなかに、少し欠けているビーズをちらほらと見つけることがあります。
ですが、ここでもカルヴィンは絶対に妥協しません。少しでもビーズに傷がつくと、手前までのビーズを全てワイヤーから外し、傷ついたものだけをを取り除きます。ビーズに傷がつくたびに、これを何度でも繰り返し、完璧な状態のものだけが彼のネックレスに使われるのです。この徹底した制作へのこだわりは、尊敬に値します。

使われる天然石や貝の色の選択も抜きん出ています。兎に角実物をご覧ください。
彼が自然の中で発見した配色、サントドミンゴの四季のなかで感じてきた色の移り変わり。目に映る全てのものから色彩のヒントを得ている、というカルヴィン。今年のインディアンマーケットではなんと琥珀を使い、他の誰も真似する事の出来ない素晴らしい作品を出展しました。琥珀が光に当たるたび現れては消える色彩。琥珀の、動きのあるその色の美しさは圧巻です。マライカのオンラインショップでも、彼の琥珀を使ったヒシネックレスをご用意させて頂いております。

カルヴィンは決して急ぎません。これが特別なものなのだということは見てもらえば必ず理解してもらえる、そう信じているからです。決して焦らず、贅沢過ぎるほどの手間と時間をかけて作品を作り上げます。
日本であなたの作品を身につけることになる人たちにメッセージを届けたい、とリクエストしたら、こんな宝物の様な言葉を貰うことが出来ました。
『こういう人間がいたという事を覚えておいて欲しい。
たとえ悲しいときでも、あなたの心が軽くなりますように。身につけるたびに嬉しさや喜びを思い出せますように。
その為に美しいものを生み出そうと努力した人間がいた事を。あなたの幸せを願った人間がいたという事を。』

カルヴィン・ロヴァト 彼の工房にて

ナンバーエイトターコイス

ナンバーエイトターコイスは、人気レア度ともに高い希少なターコイスの一つです。
淡青色の石に走るウェブは黒~茶色、金色まで色の幅があり、淡く非常に繊細な色彩が大変美しいターコイスです。石の色は、淡青、淡緑から濃紺のものまで存在します。

ネバダ州にあるこの鉱山はもう枯渇したと考えられており、多年にわたって産出がなされていません。またナンバーエイトターコイスは産出されたターコイスの塊の巨大さでも大変有名です。1954年6月23日、150ポンド(約68キロ)もの重さを持つ塊で発見されたナンバーエイトは宝石品質に値するとまで評価される程美しく、硬度も兼ね備えたターコイスでした。
ナンバーエイトは最高のテクニックをもつアーティストが、その作品に使用するにふさわしい、まさに宝石のようなターコイスです。
写真をご覧ください。
こちらは今私たちが扱っているハイグレードのナンバーエイトターコイスです。
ナンバーエイトでハイグレードと聞けばライトブルーに金色のウェブ、とお思いになるかもしれませんがこのターコイスもまた、驚くほど様々な表情を持っています。

このブラックのウェブの入ったものや、細かくぎっしりとウェブが張りめぐらされているナンバーエイトには、なかなかお目にかかれません。時にランダーブルーのような非常に色の深いナンバーエイトにも出会う事がありますが、表面の質感はやはりナンバーエイトそのものです。濃紺のナンバーエイトも非常に珍しいです。

そしてこちら、淡青、淡緑のナンバーエイトも不動の人気をもつ強力なアイテムです。

色の薄い石は、ターコイスに限らず、スタンプワークの迫力、シルバーの金属的な色味に負けてしまい易いのですが、ナンバーエイトは甚だ別格です。クラシカルなこのタイプのナンバーエイトは男性に限らず、インディアンジュエリーを今まで試した事がなかった女性の方にも高い人気があります。石の美しさ、繊細さに目が留まって興味を持たれた、という方、多いのではないでしょうか?
マライカのオンラインショップではターコイスのページはもちろん、各アーティストのページでも数多くのハイグレードナンバーエイトを使用したジュエリーをご紹介させて頂いております。オールドスタイルの作品に良くマッチした宝石の様なターコイス。繊細な色彩とナンバーエイトのブルーの発色は、私達日本人の肌に良く映えます。是非お試しください。

●Delbert Gordon作 ナチュラルナンバーエイトバックル

女性に大人気、Zuniのインレイジュエリーたち

インディアンジュエリーに興味を持ったきっかけが、ズニ族の可愛いインレイだった、という女性は多いのではないでしょうか。インレイとは、石をカットしてはつなげ、カットしてはつなげ、を繰り返しながらモザイク画の様に表現する技法です。日本でも樹の皮を切り絵の様にカットして張り付ける寄木細工という伝統工芸がありますが、それの石ヴァージョン、といったところでしょうか。
早くから彫金技術を手に入れたのはナヴァホだ、と言われています。ですがこのインレイの文化自体は紀元前からズニ族が用いていた技法で、彫金を学んだズニ族が、シルバージュエリーに活用したまでの事、ズニ族のインレイ文化はこの数百年で起こったものではありません。陶器などの表面に、ターコイスでまさにモザイク画されたイヤリングなどが発見されており、太古の昔から装飾技術として用いられていたのです。
現在ではジュエリーに見られるインレイの種類も多種多様です。彫刻の様に立体的なスカルプチュアルインレイ、シルバーの中に埋め込んだフラットインレイ(エッチングインレイとも呼ばれます)、石と石の狭間にシルバーがあるチャンネルインレイ、シンプルに石どうしを繋げたソリッドインレイ。どれも大変な手間と経験なくしては出来ない、素晴らしい芸術品です。この細やかな作業と正確さは、日本人には堪らないものがあります。
こちらはS&E Guardianのフラットインレイバングルです。鳥は天からのメッセージを運んでくると信じられています。

モチーフも様々です。幾何学的な模様、動物、植物、カチナ。あらゆる世代の方がご自身に合ったデザインを見つけて頂けるバリエーションの豊富さ、これも人気の一つです。
マライカでは時計やペンダントヘッドを贈り物としてお求めになるお客様が大変多く、私も自分へのご褒美に、と理由をつけては購入していました。
ジュエリーの表面に様々なモチーフがまるで絵の様に表現されているアクセサリー。インディアンジュエリーの好き、嫌いを超えて女性には大変人気のあるジュエリーです。

上の写真の様に黒、白、黄、赤、青の色遣いで表現されたインレイのジュエリーもよく見られます。これは6つの方向を表しています。北→黄、南→赤、西→青、東→白、黒→下、以上全ての色を持ったマルチカラー→上となり、またこれらの色はズニ族のキヴァ(宗教的なグループ)にも深く関係しています。ズニの全ての人々がそれぞれのキヴァを持ち、キヴァはそれぞれ上記6パターンの色で分かれています。
一見可愛らしいジュエリーにも、様々な思いやメッセージが詰め込まれていると思うと、身につけるだけで心が強くなったような気がします。

シンプルなコーディネイトにさり気無く身につける方、スーツの袖からちらっと見える程度に時計をされる方、身につけ方は自由です。また、写真の様なフォークロアがお好きな方にはさらにおススメです。
マライカ各店では一点物の可愛らしいインレイアイテムを沢山ご用意しております。
複雑なルーツや知識はさておき、まずは綺麗だな、可愛いなと感じたものを手にとってみて下さい。ほんの小さなジュエリーにも、それを作った作家の歴史や思いが込められています。本格的なジュエリーは、普段のお洒落をもっと楽しむための大切なスパイスです。

これはココペリ?それとも…

先日ホピ族ケビン・タカラが彼女と事務所に来てくれました。
小さい事は気にしないケビンに対し、しっかりものの彼女がいつも細かい所をケアしてくれます。いつも笑いの絶えない幸せそうな二人です。
ジェーソン・タカラを兄に持つケビンはファミリーの中で末っ子になります。シルバーメイキングは兄からではなく(職人気質のジェーソンは簡単には教えないそうです!)、ジェラルド・ロマベンテマらと一緒に学校で習ったそうです。なのでジェラルドとも仲がよく、またチャールストン・ルイスとも彼を“チャーリーブラウン”という愛称で呼ぶほど仲良しです。
いつもは控えめなケビンですが、スイッチが入ると手振り身振りで話しだすのが面白いです。飾らない性格がとても魅力的な人です。
この日はホピのパン“ピキ”を持ってきてくれました。
彼自身もピキが焼けるんです!(熱した鉄板に手で生地を伸ばすため、最近では作り手が減っています。)

本日は“ココペリ”について興味深い話を聞いたのでご紹介します。
さて、こちらのモチーフなんでしょう??

ココペリ?!日本ではこのラッパを吹く精霊は一般的に豊作を願う“ココペリ”として浸透していますよね。こちらのお土産さんでもこのモチーフのグッズはココペリとして売られています。
ですが、ケビンが言うに“フルートプレイヤー”なんだそうです!!!
ホピにはたくさんのフルートプレイヤーがおり、ケビンもその一人です。
バンブーのような素材からできたフルートをセレモニーの際に吹くそうです。
ケビンの作品で比べてみましょう。
右がココペリで、左がフルートプレイヤーです。

さて、では“ココペリ”と“フルートプレイヤー”はなにが違うのしょうか?
●ココペリとは
子供の成長や植物の成長を祈る、スピリットである。
首には黒と白の首飾りをしており、これは雲を象徴している。
ココペリの季節は冬である。
手には種の入った袋と植物の茎を持っている。
●フルートプレイヤーとは
収穫と雨を祈るヒューマンである。
フルートプレイヤーの季節は秋である。
手にはフルートを持っている。
目からウロコの事実ですね!
個人的には以前何かで知った“ココペリは笛を吹きながら豊作を祈る”っていう話の方が好きなんですが…。
部族によって、また村によってストーリーは違ったりするので、『笛を持ってるのはココペリではない!』とは一概にはいえませんがおもしろい一説だったのでご紹介しました。
ココペリの存在を思わず信じてしまいたくなる、インディアンの聖地グランドキャニオンからの眺めです↓

感謝祭

本日はアメリカの祝日の中でもクリスマスくらいに重視されている“Thanksgiving Day”です。
元々は北米の植民地に渡ったイギリスの清教徒達(ピルグリムファーザーズ)が収穫を祝った事から始まったらしいのですが、インディアン達もこの日を彼らと共に過ごし祝ったたそうです。
現在もこの習慣は続いており、インディアン達もまたそれぞれの身内の家で昼過ぎからご馳走を食べ祝っています。
『サンクスビギングに働くなんてありえない!』事なんだとか。
この日はお店も閉まり街から人の気配がなくなります。猫が堂々と道路でお昼寝するくらい街は閑散としているんです。
私たちもアーノルド・グットラックのお誘いを受け、感謝祭のビックな食事に行ってきました。料理上手な奥さんのターキーにちょっと期待しつつ!
これが主役のターキーです!
中には野菜や細かくしたパンがつめてあります。
このビックな食事の為、奥さんは今朝3時から仕込みを始めたそうです!

アーノルドと娘さんもお手伝い!

皆で食事をしながら話をしたり、とてもいい時間を過ごせました。
遊びにきていた親戚の子をよく見ると日本でもお馴染“あやとり”で遊んでいました。
日本独自の文化だと思っていましたが、インディアンも古くから“あやとり”をしていたそうです。寒さの厳しい冬の間、家の中でストーリーテラー(語り部)の話を聞いたり、あやとりをして過ごしたそうです。ラグも冬のあいだ家にこもって織りますが、暖炉のそばでラグを織る母とその毛糸であやとりをして遊ぶ子供たちの姿が目に浮かびます。
調べてみると“あやとり”は太平洋沿いのモンゴロイドが受け継いだ遊びなんだそうです。
インディアンはモンゴロイドから分岐したとも言われています。なので、体質にしろ、顔にしろ、言葉にしろ、時に共通点が見られるも思わず納得!です。
面白いのが、日本で“ほうき”と呼ぶ形、こちらでは“ティピ(インディアンの移動型テント住居)”と呼んでいます。インディアンらしい!

お呼ばれの際に、小さい子はこうした伝統的な服装をする事はよくあります。
髪を紐で縛り、ベロアのワンピースにモカシンを履いています。
現代では白人のような生活スタイルをインディアンもとっていますが、家に遊びにいくと、随所にインディアンの風習が残っていておもしろいです。
ちなみに…
今、日本でも話題の“トワイライト2”という映画、狼人間の役でナバホ族の役者さんも参加しているようです!ナバホのイケメン、ご興味があればチェックしてみてください★

和に通じる繊細な美!

先日、ズニ族レイラン&パティー・エダーキー夫妻の家に遊びにいってきました。
レイラン&パティーは、貝や石を小さく削りそれを組み合わせて模様を作り出すインレイという手法でジュエリーを作っています。この手法は古くからズニ族が得意とする手法です。
この夫妻のジュエリーはその淡い色使いと、細かい仕上がりが美しく、他のアーティストとは一線を引く仕上がりです。
こちらが彼らのジュエリーです↓
中央にはわずか5mmほどのデワ(サンフェイス)があしらってあります。
細いライン一つ一つが薄い石をはめ込んで作ってあります。

本日は彼らのメーキングを取材させてもらいました。
インレイがいかに手間のかかる作業なのか、職人技にため息の連続でした。
石を組み合わせ削る際には、なんらかの印しをつける訳でもなく長年の感でその1mm以下の細かさに迫る技術はまさに職人技でした。

ジョークが飛び交う仲のよい夫妻ですが、仕事はそれぞれが各パートを分業しています。レイランの作った型に、奥さんが石や貝から作ったモザイクをはめ込み、最後にもう一度レイランが命ともいえる“デワ”をはめ込み磨きあげます。
歯医者さんのようにきれいの整頓された仕事場は彼らの几帳面な性格がよくでています。
この小さなキャンバスともいえるインレイの原材料ですが、現在はサプライと呼ばれる材料屋さんで世界中からのシェルや石が揃います。インレイに使われる伝統的なターコイズといえば、綺麗な空色のスリーピングビューティや緑のフォックスです。今はこうしたサプライのおかげでいろいろなターコイズが手に入るようになり、その表現の幅も広がりました。
時代と共にジュエリーの手法も変化しています。
今は『スーパーグルー』という瞬間接着剤があり、それを間に挟み接着する事によっていろんな貝や石の組み合わせが可能になりました。大昔のインレイはベゼルと呼ばれるシルバーの型を石の曲面にはわせ、一個ずつ固定したそうです。
↓このようなシルバー枠です。

アンティークには素朴な温かみの良さがあり、今の進化したジュエリーには昔は表現できなかった美しさがあります。
帰りにスペシャルなお土産をもらいました。
ズニの特別な湖で採れる塩です。彼らは“ズニソルト”と呼び、この塩に特別なパワーがあると信じています。日本にいる私たちの家族にまで気遣って、この幸運の塩をくれました。
市販の塩よりも大きく結晶化されていて、光を当てるとクリスタルのような輝きがあります。

ズニにはこの塩にまつわる不思議なストーリーがあります。
この塩の湖にはソルトウーマンが住んでおり、彼女を怒らせると塩が採れなくなるんだそうです。なので彼女が嫉妬しないように、この湖に近づいていいのは男性のみというルールがあります。女性は覗く事すら許されません。
長年の間、ズニの人々はその掟を守りその恵みの塩のパワーにあやかってきました。
細かく砕いて料理に使うだけでなく、お祈りの際に大地にまいたり、また旅人に持たせたりするそうです。
ありがたい塩をもらったのもそうですが、二人のその温かい心遣いも嬉しかったです。

石なしアイテムのススメ

豊富なバリエーションとグレードの高いターコイスを使用したアイテムが自慢のマライカですが、今回はそのターコイスを支えるファンデーション、シルバーの土台についてその魅力をご紹介いたします。
インディアンジュエリーに使われている彫金の技法は様々。今回触れるのはスタンプワークについてです。
オールドスタイルのジュエリーに、避けて通れないテクニックの一つにスタンプワークという技法があります。
銀板にシルバーよりも硬い金属で模様を打ち付け、連続したその作業から様々なデザインが生み出されます。
作家によってはスクリューの棒やねじなど、身の回りにある利用できそうな素材全てをスタンプに変えてしてしまいます。
もちろんシルバーサプライにも様々なパターンのスタンプが売っていますが、多くのシルバースミスがオリジナルのスタンプを持っています。こちらはゲイリーリーブスの使っているスタンプ。

石の存在感とはすごいもので、何の変哲もないシルバーの土台に、一つターコイスが乗るだけでまったく違う作品へと変えてしまう威力があります。
だからこそ、あえて石を使わず、シンプルなスタンプワークだけで勝負しているオールドスタイルの作品からは、玄人にしか出来ないバランス感覚や感性、経験値といったものを直に見て取る事が出来ます。
写真はサンシャインリーブスの作品。
彼はジュエリーだけでなく、こういった服飾のアイテムから雑貨まで手掛け、見事な職人技と感性で作品を作り上げます。

スタンプワークの様なさり気無いシンプルなアイテムを、バックルやピアス、コンチョなどで分散させて身に付けるのも面白いです。
ジュエリーを複数組み合わせたコーディネイトがどうも難しい。。。ごてごてになってしまう、バランスが悪い、とお思いの方にもお勧めです。ターコイスやインレイなど、石を使用したアイテムをバランスよくまとめてくれるからです。

インディアンジュエリーというマニアックなジャンル。このターコイスはどの鉱山のものなのか、ナチュラルなのか、ウェブは綺麗か、色はどうなのか、、、こだわっていけば気になるのは当然です。しかしその石を支える素材について、丁寧に観察し、実際に身につけ、理解を深めながら目を肥やす事も、忘れて欲しくない大きな醍醐味です。
着まわしが出来る洋服の様に、気がつくといつも身につけている、そんなアイテムとして重宝していただけるはずです。
ターコイスが付いていないインディアンジュエリーにはあまり興味が持てない、と思われる方は多いと思います。
私個人の捉え方かも知れませんが、シンプルな、たった一つの素材や方法でどこまで表現を広げられるか、もの造りをする時、これが最も難しく重要な事なのだと思います。ゴージャスにデコレーションする事よりも時に何倍もの工夫が必要とされ、作家の素の実力が全面に出てしまうからです。

石の魅力に囚われることなく、銀という素材にひたすら正面から向き合う作家の心意気には『シビレル!』の一言です。

ロックンロール・ナバホ♪

大音量のハードロックの中、製作をするのはこちら

キャストのジュエリーと言えばこの人!のアーロン・アンダーソンです。
たまたまシルバーサプライ(材料屋)で出会った彼ですが、腕にしている彼の作品を見て快く自分のワークショップに招待してくれました。ほんと、インディアンは気さくな方が多いです!
自分の事を“クレイジーなロックンロール・ナバホ”と言う彼ですが、豪快な笑い方と愛嬌のあるワルい冗談がなんとも憎めないキャラクターです。
一見、大柄で豪快なバッドボーイといった雰囲気ですが、その仕事場は建築の図面を引いてるかの様なスッキリとした空間で、作り出すジュエリーはとても繊細です。
こちらが彼の作品↓

老舗のトレーディングポストでも特集を組まれる程、現地での彼の認知度は高く、作りだされるジュエリーはコンテンポラリーからオールドスタイルまで幅広いです。
彼はキャストの中でもトゥーファキャストと言って柔らかい石に模様を彫って、そこに高温の溶かしたシルバーを流しいれる手法を行っています。
このトゥーファキャストは石が柔らかい為、その型からジュエリーをおこせるのはわずか3~4回といわれています。
そしてアーロンは1個のジュエリーに対してその型も一緒につけてくれるので、実質一回きりの製作なんだそうです!!
日本にいた頃はトゥーファキャストのその値段の高さに少し敬遠していましたが、実際のその過程を見ると納得してしまいました。1個のブレスレットにおよそ2時間もの製作時間がかかります。
また、彼の場合はパターンがなく頭に思い描いたイメージをそのまま石に掘り出していきます。
今回、彼の五官を刺激したのがジーパンのラインです。
このラインから、こんなジュエリーができあがりました。

一期一会ともいえるアーロン・アンダーソンのトゥーファキャストの魅力、是非!直接味わってみてください。